ファンタム式アクティブ・ケーブル
「AC-fetⅡ」
ケーブルに挿入するATT(マイナス・・・dB)ならいくらでもある。しかしその逆(プラス・・・dB)はまず見かけない。
ならば作ればいいよね。
自作リボンマイクで感度の低さに悩んでいるなかで「そうだ!アレがあるじゃないか」と思い出したのがこの路線。
「ファンタム式アクティブケーブル」AC-fetⅡ(Gain:12dB )
マイクロホンレベル専用です。
赤のカラー・リング程度では分かりにくい50cmの単なる「短いケーブル」。
よほどはっきり表示しないといかんね、これは。
というわけでケーブル間にはさむだけで信号が12dB UPする魔法のマイクケーブルとして5年ぶりに改良、再登場です。
5年前、「インラインAMP」として木の実大のものを発表したことがあるが細ケーブルの使用やシールド構造の特殊性から、また長距離伝送に向かないなどのデメリットがありました。
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10459121634.html :第1号
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10536946908.html :ファンタムスルー版
今回は手間を省き作りやすさと使いやすさを両立させる為、短ケーブル形状にしました。
機能:12dB固定利得、あとは何もない。
ファンタム動作FET平衡AMP入り。
≪この形状だからイイ≫ マイク本体には一切手を加えない。
一部のリボンマイクやダイナミックマイクなど「アクティブ形式」を売り物にした製品が散見されるがオリジナル、元々のまま使いたいことも多い。
音響デザインのありかたからもそんな自由度がうれしい。
このとき、アクティブ・ケーブルならマイク~ケーブル間にはさむだけで「アクティブ 57」や「アクティブ・リボン」に変身、邪魔にもならない。
アイデア次第でさらに使い道は広がるでしょう。
今後:コンデンサマイク用として「ファンタムスルー回路」を5年前のアイデアをもとにバージョンアップさせてまた発表したい。
《2つの出力インピーダンスで》
1.出力インピーダンス約3kΩ平衡、ケーブル長100m以下(AC-fetⅡ)
2.出力インピーダンス100Ω以下平衡、ケーブル長200~500mまで(計画中)
このアクティブ・ケーブルは信号源に近いところに挿入するのがコツです。
(AC-fetⅡ諸元)
内容 : ファンタム電源式中継マイクプリAMP
大きさ : 0.5mXLRケーブル (ノイトリックコネクタ、オス・メス付)
重量 : 85g(ケーブル・コネクタ含む)
GAIN : 12dB
f特 : 10~20KHZ(+-3dB)
ひずみ特性 : SM-58使用時130dB/Aにて (0.4%THD)
ケーブル : カナレL4E6S 0.5m
消費電流 : 1mA(48V時) 1mA(27V時)
内容は脅威の高S/N、「ファンタム式パナ改」マイクAMPの変形
シンプルかつ製作も簡単
ファンタム式パナ改マイクのAMP部をちょっとひねったものですが特徴は次の点です。
①ECM駆動回路がないが、マイクAMPとして優れたダイナミックレンジと高い直線性を示す。
②高SN比である。
②完全平衡入力、完全平衡出力。
12dBのゲインは決して大きいとは言えないが実績と定評のあるファンタム式マイクAMP。
元の音質そのままに高S/Nで出力を得られるのは実にありがたい。
数年前まで類似コンセプトでRODEより「D-Power」という製品が国内販売されていましたが現在、国内ルートはない模様。
(6年前の「D-Power」現物)
こうしてチョコと並べるとまるで駅売りの菓子ですね、のど飴か眠気防止ガム。
これはダイナミックマイクのXLRコネクタ部をこの「D-Power」と換装してゲインを稼ぐというコンセプトで当時6~7千円でした。
ところがです、クダンの自作リボンマイクに接続してみたが、あまりにもSN比が低く、その点でリボンマイクにはまったく使えない事がわかった。
現在でも海外から購入することは可能ですが、このようなモノですので使い道は限られると思います。
「AC-fetⅡ」はまずは自作リボンマイクに使って効果を上げたい。
以上
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) Shin
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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