Quantcast
Channel: ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)
Viewing all 484 articles
Browse latest View live

1425 :「電池式ファンタム小箱」、単四2本で実現しました。(実験)

$
0
0

箱 このサイトで隠れたヒットになっているのが「電池式ファンタム小箱Ⅱ」 です。


電池式ファンタム電源装置のおかげで私はその昔、天地を分ける経験をしました。


野外PAでリハを終えたころ次第に天気があやしくなり、ファンタムを送っているChで「ガリガリ・プツン」 「キューーン」 「バリッ・バリバリ」などと異音を立て始めた。


これは夕立あとのイベントでも同じことが言えます、湿度上昇により「ファンタムのリーク」がケーブルか中継コネクタのどこかで起こっていたのです。



これを救ってくれたのは2Chの「電池式ファンタム小箱Ⅱ」 です。

コンデンサマイクはドラムのオーバーヘッドの2本だけなので、卓のファンタムをOFFにし、ドラム直近に「ファンタム小箱」を入れ、マイクチェック・・・問題ナシ。


おかげで本番は一瞬の「プツッ」もなく無事終えることが出来た。

以前の記事でご紹介した9V電池3本(27V)式の装置はそんな英雄なので野外イベントでコンデンサマイクを使用する場合は「お守り」にしています。


最近、同じものを単3か単4で実現できないか考え、24Vの昇圧型DCDCコンバータを使った実験を行いました。


「案ずるより産むが易し」とはこういうことなんでしょう。




結果はマルHAWKS2012スローガン ブイブイ、イイですね。



【実験】


AKG C-451Bが快適に動作できています。


昇圧電圧は22Vに調整して供給しました。


持ち出し電流の大きな部類(9mA)の私の「LZⅡ」も快適に動作します。


使用DC-DCコンバータはそのスペックから5V用と思われがちですが、出力電流がきわめて小さい為3V入力でまったく問題ありません。(4.5V入力ならさらに良し)


発熱もノイズの混入も認められない優秀さです、スイッチング周波数が520kHZ固定というのも安心できます。


注意:24Vまで調整できますがメーカーでは推奨されていません、またコレを2段シリーズにすることも禁止されています。



(LM2735使用DCDCコンバータ取説)


LM2735を使用したこのDC-DCコンバータは通販専門の「ストロベリー・リナックス」  で現在(2014.8.17)販売されていますが少し前まで大阪の「共立エレック」にもありました。





【製作】

これだけの簡単なグッズですので皆様のお好きなケースに入れて製作されてください。


内容的にはこの写真で見える物がすべてです。


この状態でも誘導ハムは一切ありませんでした。



(回路図)


DC-DCコンバータ のIC化、高効率化、ローノイズ化によって 非常に扱いやすくなりました、9V電池をゴロゴロと使うよりずっと気楽に作れそうです。

多chモノより2ch程度で複数作っておくと思わぬシーンで便利すること請け合いです。






(お知らせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp


1426 :「電池式ファンタム小箱」4年ぶりのリニューアル

$
0
0

「電池式ファンタム小箱」2009年の発表以来、2010年、改良を経て多くの方のご参考になったようです。

このたび発表の「電池式ファンタム小箱 Ⅲ」は先週の実験を更に発展させて製作致しました。




(新・旧ファンタム小箱の比較)

どちらも同一ケース(タカチSW-100)使用、旧型の9V電池×3に対し、今回は単四×3として旧型同様にドンピシャ収納となった。


先週の実験では22V出力で報告しましたが、読者の方から貴重な情報をいただき36V 出力のDC-DCコンバータを採用しました。(Fさん有難うございます)


(LM2733 昇圧型DC-DCコンバータモジュール)

https://strawberry-linux.com/catalog/items?code=12061  


【製作】

1.

DC-DCコンバータは放熱のこともやはり考えねば、しかしDC-DCコンバータ裏パターンがショートしてしまう、何かないか、と私のジャンク箱に2SC1061などにかつて使ったマイカ「雲母」シートを発見。

端が欠けているがこれを使い、ケース内に銅箔テープを貼り放熱部の完成。


2.

旧型では9V電池とXLRコネクタでスキマのないほどだったが単四×3だとコネクタ配置を縦横変えざるを得ないので、せっかくなら電池をセットしたときドンピシャでフタが閉まるように設計しました。





基板部分と二階建てにして電池部分が「ツライチ」になる計算。



3.

内部のようす



ドンピシャ、おさまったようです。



真横から見てみましょう(下写真)

「ツライチ」うまくいきました、裏蓋には何も貼っていませんが振って「カタッ」とも云いません。





電池BOXをはずした真上からのようすです。



【回路図】






【他のこだわり】
①直流カットコンデンサは音質に定評あるPhilips社の BC型ケミコンを採用。


②電源スイッチは凸起部によって誤ってONになることのないよう、パネル面から0.5㎜にして人為的に操作しないとスイッチONしにくい構造にしました。


左右のXLRコネクタ(31C)の突起にも邪魔されるので、こうすることによって「指を横にスベらす」ことなしに電源の「ON/OFF」はほぼできません。

                                        以上



(お知らせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

PR: 損してませんか?まだ仲介手数料払っているあなたへ

$
0
0
ノマドNomad.はあなたの代わりに物件探しをお手伝い。全物件仲介手数料0円!

1427 :Shinからのお知らせ

$
0
0

毎回好評、日本音響家協会のイベントです。

80名様限定に付き申込みはお早目にお願いいたします。


SPセッティングにおける低域制御は見ものです。  (Shin)



YOUTUBEの方もどうぞ

https://www.youtube.com/watch?v=Pqrrh6x6hkA&feature=youtu.be



イベント開催案内


■スピーカシステムデザインセミナー


プロの音響家として、正しいセッティングとチューニングの術を身に付けませんか!

 

第一部:スピーカシステムの構築

第二部:測定器を使用したチューニング

第三部:低域の制御


案内状

日 時:2014年10月9日(木)14:00~19:00

会 場:新宿区牛込箪笥区民ホール 大江戸線「牛込神楽坂駅」A1出口0分

講 師:増 旭

サウンドクラフト(SC アライアンス)・アルテに在籍し、国内においてスピーカチューニングの第一人者。現在オタリテックに在籍。2007年日本音響家協会賞受賞。

受講料:5,400円(豪華テキスト代含) 会員無料 80名限定


お申し込みはこちら→ http://seashonbu.jimdo.com/セミナー受講申し込み/


主 催:一般社団法人日本音響家協会 東日本支部


一般社団法人日本音響家協会公式HP http://www.seas.or.jp/



当日はShinさんも会場のどこかにいます。


(ごあんない)

日本音響家協会のセミナーは「楽器を知ろう」と併せ、SRデザインセミナーを盛んに開催しています。


また会員を随時募集しており、会員はイベント会費の減免特典を受けられます。

正会員:年間8,000円

準会員:年間10,000円(10月期5,000円)



何かと役に立つ協会HPサイトマップをリンクしておきますお役立てください。

http://www.seas.or.jp/sitemap.html




ShinさんのいたずらPA工作室
ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1428 :お役立ち記事へのショートカット集(第2号)

$
0
0

お役立ち度 ★★★★★


ショートカット集(第2号)(2013年9月~2014年8月のすべての記事へ


TOPに設けた【お役立ち記事へのショートカット集】 の継続版です。


過去の記事はどんどん埋もれていきますが、新旧問わないリソースとして有効に使い易くするため1年前 を巻頭に設けたところ、このブログが使い易くなったというご意見・ご好評をいただいております。


なにぶん、ブログですので1記事あたりの「文字数制限」や「情報量制限」があり、1ページでは4年分の記事100%をフォローすることはできませんでした。


しかし1年ごとに区切ればそれが可能になる為、それを実現させました。


今回、1年分(2014年9月~2014年8月分)を第2号としてまとめました。

初回「お役立ち記事へのショートカット集 と併せてお役立てください。


【ファンタム式パナ改マイク】Shinさん提唱の高品位マイクロホンシステム 

1329 :「ファンタム式パナ改マイク」 Direct Ⅱを発表

1336 :コネクタ・セパレート型ファンタム式パナ改マイクの試作

1405 :C・Rだけの平衡出力・・・DIRECT-3の試作

1406 :「ファンタム式パナ改マイクロホン」fet V (フェット・ブイ)シリーズ

1415 ファンタム式パナ改マイク、部品調達で苦労していませんか(2014 年)

1421 :Amphenolの新XLRコネクタ使用でfetⅡを製作

1423 :WM-61A相当(XCM6035)ファースト・インプレッション



【マイクロホン技術】

1410 :Primo EM-154T(4φ)で極超小型ファンタム駆動マイク試作

1412 :マイクロホンにバッフルってアリか?

1414 :ECM、2線式・3線式の相違、そしてMEMSマイクへ

1424 :単一指向性ステレオマイクのタッチノイズ軽減に挑戦



【音響小物・アクセサリー】
 
   
1425 :「電池式ファンタム小箱」、単四2本で実現しました。(実験)
1426 :「電池式ファンタム小箱Ⅲ」4年ぶりのリニューアル

【実験】

1328 :WM-61A(改)の背面処理による音の変化

1331 :オークションの単一指向性ECMカプセルを試験評価

1413 :AKG C-451EBのトランスでフォーリーフUEB-5361を動作させてみた


【読者参加のページ】

1403:クラシックの録音報告と「防振」( 読者の方の力作マイク続編)

1424 :単一指向性ステレオマイクのタッチノイズ軽減に挑戦

【ノイズ・アース・EMC】安易に考えるな、”分かりにくい” では済まされない「技術の穴だ」

1418 :Amphenol 製XLRコネクタはなぜシェルGND付に変更された?

1422 :意外!マイクロホンの「ハムノイズ」防止プロセス(前篇)



【工作・加工】自作に見せない一手間の数々

1334 :あの「fetⅡ」のフロントが変わった!手作りマイクのフロントデザイン革命だ

1337 :クラフト(自作)マイクロホンのケース考

1407 クラフト(自作)マイクロホン・フロントメッシュ考


【黒色化】 それでも「黒」だ”  試行錯誤の泣き笑いドラマ。

1411 :誰でもできる「電子レンジ・オーブン焼付け塗装法」の完成

1417 :薬品不使用、熱処理による「ステンレス・銅の黒染め」



【単一指向性マイク】無指向性の延長線上にはないノウハウが求められる。



1333 :発掘メーカーの16φカプセルを使用した超薄型単一指向性マイクロホン

1335 :ボディはL型XLRコネクタ、『ショート・フレキ単一指向性マイク』

1402 :C・Rだけの平衡出力回路で20φ口径単一指向性マイク

1408 :「短小クン」fet-u1(Ⅲ)のSuメッシュによるリフォーム

1409 :レシピ 短小・軸方向単一指向性マイク筐体製作

1419 :ハーフサイズ・マイクロホンに新型「u-16fet」登場

1420 :ホールで威力を発揮する短寸・単一指向性マイク「u-16LZ」



【バウンダリー

※単なる「床置きマイク」から発想を変えろ・・・未知の可能性、新発見の宝庫かも知れない。


今回は該当なし



【変なもの作っちゃった】

1404 :100円材料でトランペットSPを作った・・・だと?



【その他】

1332 :優れたECMカプセルを求めて長い旅

1338 :また新しい年を迎えますね 2013年 年末

1401 :2014年新年号 

1416 :一本締めが「イヨーッ  ポン」でいいの?

番外 :イベント告知(6月13日開催済)

                           以上

(おしらせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1429 :「ビッグバンド」大規模野外PA(SR)を終えて

$
0
0

昨年に続き「野外ビッグ・バンドイベント」の大規模PA(SR)を行いました。ひさしぶりの晴天にめぐまれ昨年の2倍以上、累計2万人を超える(主催者集計)観客を迎えて成功裏に終了させました。(2014年9月14日埼玉県吉川市内の駅脇広場)


※今回の写真はすべてi Phone のカメラで撮った点をご容赦ください。





沿線各駅もこんな様子



     昼間のステージ)


(ステージ下手のPAテントから見た観客)




         (最終ステージ)

今年はオペレート(ミキシング)に集中することにして6時間以上に及ぶ長丁場のPA(SR)を安全かつ出音の音楽性にウェイトをおいた。




(エンディング) これでいいのだ



去年は BOSE-802の2スタックをフロントにして3台のアナログパワーAMPという機材で、このブログ読者の手をお借りしながら全演奏をまかなった。

しかしセッティング時間は半端でなく、炎天下グッタリ疲れ果てたころちょうどリハの開始という殺人的スケジュール、それに野外で中・大規模カバーできるPAシステムではない。

何事も起きなかったのが奇跡としか言いようがない。

    (昨年の同イベントの写真)


今年もまた主催者からの依頼がありましたが機材的に対応できない旨を説明、お断りして一見落着かに見えた。


ところが数週間後、再度話が戻ってきた、ビッグバンド相手の調整事項やビッグバンドを得意ジャンルとする業者が予算範囲では皆無だとのこと。


そこで、機材とその仕込み、ステージの転換時の対応を専門業者に委ね、ステージの構成とオペレーション(ミキシング)は私、Shinが行う事でイベントの実現が再度見えてきた。



【PA(SR)手法は音楽ジャンルによって激変する】

◎ビッグバンドの心は「アンサンブルの美しさ」にこそある。

 もちろんビッグバンドの音響に触れるチャンスは極めて少ないとおもわれますが、マト外れな音作りはバンドにも観客にも迷惑となり、それが引き金となって「ビッグバンドPA不要論」が沸き起こる。


しかし上から3番目の写真を見てほしい、写っている部分の2倍位の人で広場がうめ尽くされた状況で「生音」などせいぜい前にいる100人程度にしか届きません。 


しかし出音が「電気音」っぽくなる事は極端に嫌われる世界。

それは「電気音響ナシ」で100%仕上がっている音楽だから当然です。

だから最良質なPA(SR)が不可欠なのです。


したがって演奏+楽器配置とマイキングの妙味が強く求められるわけです。


ビッグバンドJAZZでは他ジャンル音楽のそれとはあきらかに異なります。


オンマイクにすればするほどPA音のまとまりが得にくく、ミキシングの難しさの反面、良い結果も出しにくくなります。


17の楽器から放つ演奏音にマイクをあて、演奏者も観客も満足できるSR(サウンド・レ・インフォースメント)を行うには余程の覚悟が必要になります。


      (今回の基本配置図)





        (転換配置図)


転換配置図は「基本配置図」に対し、ステージの転換に際し変更する部分を明確に、タイムスケジュール、演奏バンド名、機材の移動・切り替え情報、それに対応するch-Noを入れ、スムースな転換を支援する。




【ビッグバンドPA(SR)の要点】

「俯瞰」 で聴いて良ければイイPA(SR)だ。


(ホーンセクション) 

人間関係・セクションの人の和・信頼関係がそのまま音になる。

また配置にはセオリーがある。


!! TP(トランペット)の指向性を考えよう

おいしい音は60度まで広がっている、あえてマイクを減らしてややオフ気味にすることによってTP2・1及び3・4が電気音っぽくさせずに総合的に納得の音にした。


(TPは今年、所属の日本音響家協会の公開実験データあり)



TPのPA用、録音用の最良点を徹底的に探った(意外な結果が出ている)



!! TB(トロンボーン)はとかく薄くなりがちなのでレベルに注意してTP同様に楽器4本に2本のマイクで良く意識してカバーした。



!! SAX(5本が基本)ではベル至近距離(オン)で集音し、とくにSAXパート

のソリ=ソロの複数形(合奏)、そして金管とのまとまりの美しさを表現するのはミキサーの腕・耳に負う部分が大きい。


クラリネット持ち替えの場合、ベル(筒先)をマイクにあてようとする奏者は案外多いですね。

「長さ方向の真ん中あたりがイイ音しますよ」と促すことを忘れない。


(クラリネットは「閉管楽器」、昨年、TP同様に日本音響家協会の公開実験、ベストポイント探査データあり)・・・下写真

cl のPA用、録音用の最良点を徹底的に探った。(これも意外な結果が出ている)

歴然たるこの違いはすぐ演奏者本人が分かる、ソロでもこの美味しさに演奏者は確実にハマっていたようだ。

スタンドはブームよりグースネックが適する。

!! ホーンセクションのソロ

合奏側でソロ優先の演奏を心がける。

ソロの演奏位置はSAXの前、ホーンセクションから離れた「センター」では「掛け合い」もやりにくく演奏は成り立ちにくい。


(リズムセクション)


!! ピアノ(電子ピアノを例にします)

ラインどりとマイク集音がありますが、「カブリ」を防ぐ意味ではラインです。

問題は「どんな音量でフロントから出すか」。

・合奏の中では「聴こえるか聴こえないかの音量、たまにはっきり聴こえるフレーズがある程度が適切です。

フィーチャーやソロでは確実に浮き立たせ、主役に持ち上げる、それがミキサー(オペレーター)の役目です。


!! ギター

得てしてラインよりAMPにマイクをあてた音の方がイイ演奏になる場合が多い。

ラインのみだとフレット間を移動する指の「キュッ」キュッ」が気になる事がある

のでマイクとラインをミックスすると良い結果を得られる。


この楽器もピアノ同様に合奏の中に沈めることでは同じ運命にあるが、フィーチャーやソロはカッコ良く決めてあげます。


!! ベース(ウッド・ベース、エレキ・ベース、アップライト・ベース)

いずれもベースAMPを用い演奏するがベースAMPが小さい場合はマイクどりは適さない、これもギター同様に集音する。


気をつけなくてはいけないのは:過度にPAで出す必要はなく、出し過ぎると必ず演奏者からクレームが付く。


80HZ以下はストンと落とす。卓で100HZで切っても良い、ここはビッグバンドJAZZのベースでは一歩も譲れない重要ポイントであります。


!! ドラムス

バンド全体の基準音量はここで決めていることに注意をはかる。

TOP2本のマイク(野外では57などダイナミック型)でほぼまかなえる。

C451は野外では避けたい。(湿度によるトラブルが予想される為)


バスドラム(Kick)は演奏の中で軽く「トントン」と聴こえる程度、それ以上は「やり過ぎ」、ベースの場合と同じです。


セッティングは「穴に突っ込む」などは論外、ビーター・ポイントから外し、皮の鳴りをややオフ(10cm位話して)集音、卓側はPAD-ON


配置はバスドラムの打点位置がTBと横並びになるところに合わせる。


!! パーカッション

通常、さほどマイクを意識する必要はないがソロなどがあれば2台のコンガの間に57など1本あて、PADを入れる。

特に「ギロ」「クラベス」「マラカス」には絶対にマイクはあてない。

ドラムTOPのマイクでカバーできるようドラムに近づいて演奏されるから聴こえていれば良い。


(ボーカル)

!! JAZZボーカルは他のすべての「ボーカル」と決定的に扱いが異なります。

・「リバーブ」を入れることはご法度、入れたら「シロウト!」と言われるだけ。


ボーカルが入る曲ではバンドの演奏音を普通下げるが、そうなっていない場合、ミキサーがフォローしてあげる。

①ユニティレベルの範囲でマスターレベルを3dB位下げる

②ユニティレベルの範囲でVo音量を3dB位上げる

③曲の進行を追い、Voのない部分では確実にバンド側を戻す。


※ ボーカルを意識した演奏慣れしたバンドではこの操作は不要。


(風対策)

野外ライブでは昼間、リハでは問題なく、夜の本番で「吹かれまくり」というのはザラにあります、そうならないように「吹かれ防止」は最初から手を打っておきます。


風  譜面が飛ばされる・・・・」はバンドさんにお任せしてマイクのウィンドスクリーンを忘れずに。



57には全部スポンジのウィンドスクリーンが必要になります。

他のマイクも同様です。


よほど強い風でない限り58は問題なし。


                     以上



 


(おしらせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1430 :Shinさんのブログ写真、ブツ撮りの流儀

$
0
0

Shinさんブログは写真を多用していますので撮影にはいろいろ気をつかっています。

技術ブログですのであたりまえの事ですが、こんなことに注意して撮影している、というのをご紹介します。(「写真は引き算」です。)


しかし、思った時にすぐ撮るので手持ち基本で三脚を用いることはほとんどありません。

(余計なものは画面に入れないの術)

でもそれ自身が難しいんじゃないの?

黒バックとローキー表現で余分な物をカット



エクステンションチューブ使用




マクロレンズの使用(タングステン光下) Carl Zeiss MP T*60mm F2.8 f:4手持撮影。

(未加工につき赤み「色温度」はそのままです。)


(ツール)

・デジ1眼と標準ズームレンズ(24~105㎜)

・エクステンションチューブ(接写リング)でマクロ撮影。

・マクロレンズ使用

・露出のローキー、ハイキー表現を使い見せたくないものは「飛ばす」「沈める」

・アウトフォーカスに追いやる絞りワザ

・背景紙(GEK社のaicopieア・イ・コ・ピ・エ)使用

・背景布(黒のハギレ)使用



エクステンションチューブ、12mm厚が使い易いようだ。

20mm厚や2段重ねで倍率稼ぐ場合はMFに切り替える。

(カメラ側の設定)

・室内、夜間はISO6400程度まで普通に使い、手持ち撮影。

・105mm側を多用、通常のブツ撮りでは絞り値はではf=5.6以上、接写でのf=11は「手ぶれ補正」の力を借ります。

・黒バックでは-1~‐2の露出補正。

・白系バックでは+1~+2の補正。

・フォーカス以外「自動撮影系モード」は外す。

・ホワイトバランスは「5,500k℃」 k℃:色温度(ケルビン)固定。


(光・照明)

・自然光(ディフィューズ光)を選ぶ。(曇天は「自然のディフューザー」)

・自然光+必要によりタングステン光(ただの電球)でアクセント。

・夜間は室内光(LED)+1灯型大型ハンディLEDライト(3W)で影消し



(影消し)

晴天 ピーカン、午後のベランダ




   こんなになっちゃいます。




そこで同じベランダの日陰で(色温度修正済み)


室内よりもっとも写真にとって適切なコンデションといえば「曇天の屋外」。


曇天は「天然のディフューザー」といわれる所以です。


この場合「色温度」はやや高め(青味がかる)となるため必要に応じ「PhotoShop」などによるレタッチが必要です。



!! その「Adobe PhotoShop CS2」はADBE社のサイトで「Adobe Illustrator CS2」と同時に無償配布が行われています。

どちらも立ち上げると「登録しますか」が出ますがノー・サポートですので登録対象外です。

機能・性能は文句なしのフルスペックですのでこれを使わない手はないでしょう。


現在あらゆるレタッチソフトが存在しますが、すべてPhotoShopの類似品。

こういうモノは本家製品に限ります。


※ダウンロードは個人責任でお願いします。



(番外)

商品撮影セット(撮影キット)・・・私は使っていませんが。

オークションなど頻繁に出品される方には便利ですがブログ写真全般に便利なグッズとは言えないと思います。



                         以上


(おしらせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

PR: 賢くスマートに貯めるマイレージ


1431 :複合指向性(単一指向性+無指向性)により音を磨く。その1

$
0
0

複合型=639BなどWestern Electric のマイクロホンがまず頭に浮かびます。


このマイクはリボン型の「双指向性」とダイナミック型の「無指向性」とのコンビネーションによって単一・双指向・無指向性の切り替えをRCA社のパテントを踏まず、かつそれを上回る傑作を手にしたのです。

「その辺の猿マネとは次元の違う」Westurn Electric の偉大たるゆえんです。


1940年、米国の技術雑誌広告ですつまり74年前ですよ、実に見事でしょう。


ところでShinさんのマイクで複数カプセル同時動作の「複合型」は2つ有り、この例http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10555010394.html  と

この例http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10586403325.html は、無指向性カプセルのあなどれない一面をご紹介しています。


「単一指向性でなければマイクにあらず」という風を感ずるなか、あえて「無指向性」をヨシとする理由がちゃんとあるのです。

いくつかのカプセルで試したところ、どれも良い結果を得ました。実験ではありますが高い確率で成功しますので読者の皆様も実際にお試しいただき良い結果が得られればホンモノです。

(Shin、今回の実験、「複合型マイクロホン」は)

過去発表の単一系または「ファンタム式パナ改マイク」=WM-61Aソースフォロワの基板を使って単一指向性カプセルに無指向性カプセルをパラに加えてみました、単純にパラに。


・ UEB-1461(フォーリーフ社)使用

・ UEB-5261(   〃    )使用

・ EM-17UE(某優秀メーカー)使用



BLM-free(2年前発表のバウンダリーマイク=UEB-5261単一指向性カプセル使用)

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11365659247.html  でテスト中の写真。




EM-17UE 単一指向性(16φカプセル使用)の実験例

(小さなスイッチを設けて無指向側の入切を行った)


!! 無指向性カプセルの位置と向きによりいろいろな振る舞いを見せるのが面白いですね。


いずれのカプセルでも次の効果が確認できました。

(ポイントは二つのカプセルの振動版の位置をピッタリ合わせる事です)


1.音質にマイルドさが加わり一層ワイドレンジになり、あきらかに上質な

  マイクロホンに変身します。


2.タッチノイズがあきれる程減少する。 


3.吹かれに強くなります。


4.無指向性マイクを加えたにも関わらず指向性に決定的変化は見られませ

  ん。


この1.2の効果は「信じられないエポック」といって差し支えないでしょう。


この実験はカタチにしてはじめて価値が問えるとは思いますが読者の方どなたにでも経験していただける為、今回の発表としました。


                               以上



(おしらせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1433 :導電塗料「Noise Hell 」03 は「神」か

$
0
0

4年前 ノイトリックのXLRコネクタの中にマイクロホン(ファンタム式パナ改 マイクmeasurement fet1)を発表したことがあります。


NC3-MXXのプラスチック部を全シールドしなければならず初めて「導電塗料」のお世話になったが、いかんせんカーボン系、乾けば黒い粉が降ってくる。

Noise Hell SP-D-01



もっと確実な、安定性の高い導電塗料はないものか、と「銅系である」Noise Hell SP-D-0 3を入手して驚いた。






2~3回塗り重ねるとここまで下がった(1.4Ω)


いいじゃないか・・・・・



びっくりまーくそこで欲張りShinさんは考えた。この塗料缶はスプレーのようにいくら振っても混ざらない・・・ということを。


缶の底にネットリと導電体が沈んでいるので完全にかき混ぜて蛇の目基板に半田付けのようにリード線をつけて塗料で盛り上げた。


乾燥するまで24時間後今度はどうだ、


0.1Ω!

何のトリックもない、ここまで下がれば場所にもよるが、たとえば「基板のパターン切れの補修なども可能です。


この導電塗料はギターのシールド構造を補強する目的なのだが、このようにかなり汎用性があるので想像を超える使い道を考える楽しみが増えた。


       

                              以上




(おしらせ)

fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) 



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1434 :「祝」 ファンタム式パナ改マイクロホン5歳の誕生日

$
0
0

すっかりおなじみとなった「ファンタム式パナ改マイクロホン」。


2009年11月4日に誕生、満5歳を迎えました。


ファンタム式パナ改マイク第1号(2009年11月)

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10382343115.html


発表から5年が過ぎ、メジャーな業界をも一部浸食しているところが当初目指した以上の実力のクラフト・マイクとして、また極限的辛口な業界にも受け入れられる珍しいクラフト・マイクロホンとして成長を続けています。


2曲目「うるまメロディ」のオケはfetⅡ一発録り

(オケ)https://www.youtube.com/watch?v=QLoDBmiiYhc



このCDでは全曲、ピアノにfetⅡが採用

ブックレット巻末にマイク名称あり

(PV) https://www.youtube.com/watch?v=WBTyfmCiic0

「ファンタム式パナ改マイク」は私の手から離れ、読者の皆様、クラフトマイクの王道を愛する皆様の夢を積み込んだ手作りによりそれぞれの形、それぞれのデザインにより全国で作られ活躍するに至っております。


厳しいご指摘や苦言、お褒めの言葉も頂きながら生みの親として重い責任を感じております。


「ファンタム式パナ改マイク」の兄弟・姉妹たち、カタチは違っても同じ音、同じ性能で「今の音」をとらえ続けており、それはいつも海外著名マイクと同席・同列のなかで評価されているのが特徴です。


姿カタチからは想像もできない高品位な音に誰でも一度は驚くはずです。




この回路、もうすっかりおなじみですね、その後外来電波除去コンデンサの省略や、ドレイン抵抗値の変更または省略が定番化して今日に至っています。


なお試聴・製作経験のない技術者からこの回路に対するご批判もありますが、自分を含めて多くのサウンドエンジニアの耳を信じ、運用実績をを加えて5歳になる「ファンタム式パナ改マイク」、これは私の完成形の一つです。


    新しいfetⅡ




  人気のfet3
(理想の流線フォルム)

「中インピーダンス・平衡」というイレギュラーなジャンルも実際の現場では完全な低インピーダンス型のLZ-2,LZ-3より支持が厚く親の心配をよそに、圧倒的にこのFETタイプの人気が高いようです。


同じ回路の機種はfetⅡとfet3(元measurement fetⅡ)及び楽器用のfetⅡi、

など今まで私のN型FET使用マイクすべてです。


また くれぐれも延長距離は数十mで抑えてくださいね、それ以上は低インピーダンスのLZ-2、LZ-3で、これは数百mの延長を前提に設計しています。


ムリしないようにお願いします。



【最大の難所】=外観ケース(ハウジング)


自作マイクロホン最大の難所は「外観ケース」にあることを早くから学びましたが、この悩みはいまも変わりません。


(既存のマイクケースを流用した場合)

もともとの音響設計があり、必然的に色付けが起こります。


(小パーツ、金属パイプ系を用いた場合)

良い結果を得られやすい、しかしEMC(耐ノイズ)設計を無視するとハムノイズに悩まされ解決は不可能。

(カプセル前面をパイプから沈めると超高域強調が起こり、ツラ位置でフラットになる)

また背面構造も「バック・キャビティとしてわずかながら影響する。


(裸のECMのまま使う)

10cm程度までなら可能、支持金具を用いるときはEMC考察が必要。

(やはり質量の高い材質のハウジングに収容した方が音は良い)


(Shinさんと同じfetⅡケースがほしい)

門外不出です、しかしfet3のケースは公開しています。


頑張ってください、成功をお祈りします。


                              以上






【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1435 :「Sound Pure」のワイヤレスマイク, 1Uラックケースに収めた物は

$
0
0

2.4GHZ帯はいまどき既に音声伝送でまともに使える電波環境ではない、各社どんなに趣向をこらしてもデジタルのQRM(混信・カブリ)はタチが悪く「ブッツリ」切れるのが特徴です。


昨年某民生用デジタル・ワイヤレスマイクが発売され早速導入、「爆発的売れ行き」だったと聞く。私の場合3回程使ったが最後はブツギレのMCで散々な目に遭った。

 2.4GHZデジタルを音声に使うのは自殺行為だと認識した次第です。


2.4GHZで使用される「スペクトラム拡散」の無線方式は単周波数の無線電波に影響を与えないはずですが、「誰も彼も、こっちでもあっちでも送信」のランダムな周波数の束になった時は、もはや単周波数の無線までをも脅かすのでしょう、きっと。


当初は「もったいないほどイイ音」の下馬評もあって、ついそそられて購入した。

マイクロホン・シミュレータも快調、屋外だが仕込みのあと、リハの間は素晴らしい結果を見せていた。





鳴り物入りで登場したデジタル・ワイヤレスマイク


しかし、本番に入り客が増えるにつれて電波の「カブリ」が恐ろしく増えていくのが表示上で見え、怖さが増しついにダイバシティも「片肺飛行」となったままVocal音を送り続けた。こうなると精神衛生上の問題になり、正常なPAオペレーションそのものに支障を与えはじめました。


本番中、いまさらヒモ付きに変えるわけにもいかず・・・・・


おそらく市街地にあふれている2.4G帯電波だけでなく聴衆の携帯、スマホのWIFIi やブルートゥースの電波がドッと増えたからに違いない・・・と推察。

ボーカル曲はそればかり気にしていてバンドの演奏から耳が逸れていった、

10mと離れていないのに案の定、曲の途中で途切れを確認。

これではどんなに音が良かろうと本末転倒。


その後屋内でもブツギレ発生にて2.4GHZ恐怖症、トラウマ?は消えずヒモ付きの使用へシフトし安全優先にしてきた。


先日オークションに出品・・・・これが未だにものすごい人気で購入価格と大して変わらない落札価格にもう一度驚かされた。



同じオークションで以前から見かけて気になっていたSound Pure というメーカーのアナログ式ワイヤレスマイク。

 当初は「A帯」も海外Chも含んでいて心配したが、現在は大幅に洗練され、、国内仕様B帯30Ch(国内技適取得中との事)。http://soundpure.p1.weblife.me/



今回購入したprofessional 8011Ⅱ。(上位機として「V-8033e」もあり)


距離も飛ぶし、切れないし音もイイ。驚くのがその値段、マイク2本付で29,800円、まったく信じられない価格だが業界仲間の評価も高いのでこれをチョイスしてみた。


拡張アンテナシステムとして、ブースタ、スプリッタ、ログペリ指向性ANTなどアクセサリーも充実している。




ところで、この2波用受信機、サイズが「1U」の横幅より数cm小さい。

取り付けパネルがなくラックケース収納を前提としていない設計のようです。



今日はこれを1Uラックケースに収納させる事にした。

有り合わせのケースだが奥行の短いD=190mmの1Uケースにちょうど収まった。(蓋の奥行は5cm×2)

アンテナコネクタ部を十分露出させないと現場で運用できない、したがってワイヤレス受信機の収納においてこの「D」のサイズは他の機器では考えられないほどクリチカルで、決して「大は小」を兼ねません。


本体右側面のネジ穴で固定。



横幅の足りない状態で左内側の木枠に金具固定した。


こういう機器でイヤなのが「ACアダプタ」

1Uケースにスキマがあるのをイイ事にして、ここにACアダプタに入れ、AC延長コードに変換したら使い勝手よし。

クランパのゴムで一体化した変換部を前・後から固定した。




まだあるんです。

(外部アンテナ)ワイヤレスの電波をうまく受信する切り札。



1Uパネルでこしらえたお助け外部アンテナ


カナレのBNC同軸ケーブル3m、これだけの「外部アンテナ」が天と地を分けることだってある。(アンテナエレメントは本体付属のモノ)


むやみに距離を伸ばそうとせず、この実験では100m範囲で一瞬の「プツリ」も見逃さないことに徹し、このシステム(Sound Pure professional 8011Ⅱと、この外部アンテナ)の実用性を確認した。



トドメ(これだけ収納できた)

結局、前蓋にマイク2本、後ろ蓋にアンテナ関係を収納し、このラックケースに次のものが全部収まった。


① 8011受信機本体

② ACアダプタ・変換ACコード

③ マイクロホン 2本

④ 専用アンテナ 2本

⑤ 外部アンテナ用1U BNCパネル

⑥ カナレBNCケーブル3m 2本




後記(電波法について)

ネット上には激安の違法ワイヤレスマイクがかなり存在し大変危険です。

それらがアマゾン楽天ヤフオクなどを使って、平静を装って普通に販売されています。


!! 気を付けねばならないのは次の点です。

「そんなこと知らなかった」ではすまされない犯罪をおかす恐れがあります。


「並行輸入品」とだけ書いてある得体のしれない品は海外向け周波数のモノ、国内での使用はもれなく違法です。


「VHFワイヤレスマイク」は微弱法のFM放送帯か322MHZの「C帯」を除き、残るすべてが国内での使用は違法です。


国内B帯周波数は806~810MHZの30チャンネルです。

そしてA帯の770~806MHZを加え、それ以外の周波数は海外向け周波数であり、国内では違法となります。

知らん 「関係ないや」では済まされません、捕まりますぞ。


警官 手錠

電波法ではこのような違法無線機で電波を発射した場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金。また、「重要通信」に妨害を与えた場合はさらに厳しく、5年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金に処するという規定があります。


刑罰は想像以上に重く、甘く見てはいけません。


これらの送信機(マイクロホン)を所持しているだけで刑罰の対象になる事があります、電池が入っていたら現行犯同様となります、くれぐれもご注意を。




ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1436:ファンタム式パナ改マイク(Shinさんマイク)の進化

$
0
0

「Shinさん」といえば 「ファンタム式 パナ改マイク」。


一方、「パナ=パナソニック」で種分け出来ないマイクロホンも生み出してまいりました。


一歩もゆずれないのはソースフォロワ(エミッタフォロワ)へのこだわり。

これはコンデンサ型マイクロホンとしての必要最低条件だと心得ているからです。


ファンタム駆動へのこだわり。

XLR出力と一体のカテゴリーであると同時に高電圧ドライブ差動AMPの良さをきわめてシンプルな回路で引きだすことができるからです。


結果的に手作り(クラフト)でありながら、海外製マイクを相手にする音が確保できる幸運のマイクシステムだと今更ながら思います。


【Shinさんマイクも進化している】


2010年2月発表の「fetⅡ」以降続けているこの回路も時々変わっているのをお気づきか。


fetⅡ回路図



2011年11月11日、「 1147:ファンタム式パナ改マイク」どこまで簡略化できるか

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11063918254.html

では進化なのか手抜きなのか良くわからないが「エッセンス」だけにして実を取ってみた。

しかし案外これが受けて主流になりつつある。



上図①②の省略であれば音質的に変化はなく現在では裏のリファレンスになっているようです。


記事ではさらに抵抗4本の省略まで試みているがそこまでは自己責任の世界でしょう。


(ここまでで・・・)

1.ツェナーダイオードがない:百害あって一利ナシのノイズ発生器は断じて使用しません。


2.ブリーダ抵抗とパラにデ・カップリングコンデンサがない:必要ありません、ここにコンデンサを入れるとあくまでも「コンデンサの音」になりますので厳選が必要、ならば不要。


3.カップリング・コンデンサShinはWima社の「MKS-2」の使用をおすすめしています、このことは記事中くりかえしご注意申し上げていますが、販売店によってはまったく違う部品を「MKS-2」と明記して売っていますのでご注意ください。

目印:部品TOP面に略号で容量などを印刷したものは「MKS-2」ではありません。


4.優秀なオペアンプICがいくらでもあるのになぜディスクリート回路?

全電流3mA以下をターゲットにして「不平衡~平衡変換出力回路」「ファンタム電源動作、DIRECT出力」「XLRコネクタ内収容」を考えた場合、これを実現できるオペアンプICは私が調べる限り皆無でした。

それよりも「高電圧動作のFETorバイポーラTR差動アンプ」に一長の理あり。


5.WM-61A以外のECMを用いる場合:規定最大電圧を超えない範囲で高めにブリーダ抵抗を4.7kΩ~10kΩ程度で調整します(測定は必ずデジタルテスターで)


6.別ECMの場合:古い設計の「幕エレクトレット」型と新しい「バックエレクトレット」型とでは出力相が逆になります、回路上、ゲートへの信号入力と接地側を入れ替えるか、出力の②③の反転が必要です。





(外観の進化)

fetⅡfetⅡiLZ-2LZ-3


音孔を隠し、ダイヤフラムをガードする音響抵抗ゼロの黒い不織布(ヒメロンなど)の黒い前面のマイクからステンレスメッシュの前面構造にしてデザイン的にグレードアップさせました。

(メッシュ60~メッシュ200まで聴感上の変化は見られません)



写真下:従来型、 写真上:フロントメッシュ追加の新型





さんしん用として開発したfetⅡi +AT8418


AT8418と組み合わせてさんしん用途から始まった楽器用コンタクトマイクにふさわしいマイクロホンとして海外を含めたアーチストに大変好評です、マジで。



fet3  (旧measuerment fetⅡ)

又の名を「スカイツリー」と呼ばれています。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10841051382.html



fet3 新タイプ




fet3bk




fet3 用「Phone~XLR変換アダプタ」

上:旧(クラシックプロ AXP-221)・・・432円

下:新(アキバ 小沼電気)・・・850円


ご覧の通りのルックスと値段の違いだけでなくAXP-221の先端部地厚0.5mmに対し小沼電気のものは1.5mmと頑丈、仕上げの良さが光る。流線形状はほぼ同じ、しかし工作のしやすさではAX-221が勝る。


Shinは小沼電気のものを採用中です。


fetⅡのようなセパレート形状とfet3 のような一体構造型を有していますが音質に差はないので目的に応じて製作されればGoodです。


誕生から5年、少しづつ進化はしているんです、でも変えてはならない所は死守して変えない。


それが「Shinさんマイク」なんです。


                                  以上



ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1437 :金属面の砂打ち吸音と白化しない強力接着剤製造レシピ

$
0
0

ツルツルの金属面は音響的に好ましくない事が多い。


マイク作りの中でそれをなんとか対策したい場面に遭遇した。




そこで思いついたのが「砂打ち加工」だ、しかし名案が浮かばない。

「砂に何を使おう」、「どうやって材料に強力にまんべんなく貼り付けようか・・・」。


まず「砂」を決めねば、とホームセンターと100円ショップをひとまわり、「砂絵」の砂などが思い浮かんだが、「そうだ!使い捨てカイロの砂だ」とひらめいた。



(砂について)

「使い捨てカイロ」この中身の「砂」を利用


100円ショップの安物がイイ。内容物である「砂」はカイロが十分冷えてから使用。


乱反射を促す為に、この砂はカタチの不揃いな安物使い捨てカイロの中身が適しているようです。



ちなみに正統派の「ホカロン」では砂が細かすぎ、粒も揃いすぎなので残念ながら使用を断念せざるを得なかった。




(貼り付け剤)

砂の接着材・・・「シンナー・ボンド」(Shin考案の仮称)の作り方


材料・道具:

1.ラッカーうすめ液=「ラッカー・シンナー」

2.ボンドG-17(ゴム系ボンド)

3.ガラスビンまたは陶器皿

4.絵筆



左からラッカー・シンナー、ボンドG17,出来上がったシンナー・ボンド、絵筆


ボンド1に対しシンナー3の割合で良くかき混ぜて溶かす。

これがオリジナルの「ボンドG17」では手の届かない「筆塗り」などで強力な接着力を見せます。

(手指に付くとかなり始末の悪い、つまり「強力液体接着剤」の完成)


記事末の(特記)「シンナー・ボンド」についてをご覧ください。


(作業)

この材料(流しスノコ)両面を「砂打ち」加工する。

2つの大きな穴にはマイクを仕込む為「砂打ち」によってマウント周囲の反射を防ぎ・鳴きを静めます。


※材料は製作中のマイクロホンのマウンタとなる部分。

風呂場の排水口ゴミ受け皿を加工中のモノです。

材料はサンドペーパーで金属面にまんべんなくキズを無数に入れ、そのあとアルコールで脱脂する。


片面づつ「シンナー・ボンド」を筆でまんべんなく塗る。




カイロの砂を高い位置(30cm位)から少量ずつまんべんなく材料にふりかける。(乾燥が早いので作業はすばやく)




「ビッシリと砂の付着した材料」、片面を終えたら10分以上乾燥させ、裏面も同様に繰り返す。




両面とも作業が終わったら良く乾燥させる。

(側面についた砂はココ「で落としておきます)

余分な砂をはらうと「シンナーボンド」で貼り付けた砂は良く貼りついているのがお分かり頂けますがまだ不完全です、部分補修の「砂打ち」と筆補修をしておきます。

良く乾燥してから「シンナーボンド」を重ね塗りして砂を定着させます。


乾燥後、砂は無理に剥がさないかぎりしっかり定着(接着)し、「パラパラ」と剥がれおちる事もありません。 

      「完成」



(特記)「シンナー・ボンド」について

今回製造した「シンナー・ボンド」乾けば元の接着剤と変わらない接着力を見せるが、ほぼ完全な液体であることから用途は無現に広がります。


液体接着剤としては「アロンアルファ」=(シアノアクリレート系接着剤)が簡便ですが、「モノマー」=(発生気体)による白化現象を避けることが出来ません。そのため使用箇所は限定されます。


一方、「シンナー・ボンド」は筆やハケで塗れ、適度な弾力性を伴って強力接着が可能で白化現象がないため、アロンアルファでは手の届かなかった「外観に近い部分」で使用出来たり、複雑な形状部分への「流し込み」も容易、建築用途にも有効、価格が安いのも特徴です。

                             以上





ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1438 :デュアルカプセル、大型サイドアドレス型単一指向性マイクロホン

$
0
0

EM-17UE(単一指向性17φ)の素性のよさゆえ、これを高品位の「サイドアドレス型」単一指向性マイクロホンとして完成させました。



特徴は2つのカプセルを使い指向性切替のできることです。


(音色)

モデルにしたのは国産の名機:C-38Bです。

メカニカル的に、エレキ的にA/B比較しながら同一音を求めていきました。


ここはShinさん十八番の「マイクロホン・チューニング術」、結果やいかに。


意外なる決定づけは高密度のポリ・スポンジによるソフト・レゾネータ」

この調整で手に取るように音の表情・特徴を変えることが可能です。

(ゆるいながらのピーク・ポイントは5KHZ~10KHZ付近で調整すると音の印象は激変する。


(周波数特性)

今回使用のカプセル2個(メーカーの個別測定データまであるのは凄い)


  (読み取りスケールは一番右です)



このグラフでは低域の測定が省略されているのが惜しいが素直な音のカプセルです。

特筆したいのは前後(180度)比特性の優秀さ、それも一般にみられるVの字カーブではなく、このようにほぼ全帯域にわたるこのような優秀な180度比を持つ例はなかなか見かけない。


500HZ付近では優に30dBの180度比、つまり極めて安定したハウリングマージンのとれたなカプセルであることが読み取れます。


この優秀なカプセルをダブルで使った、というのが今回のサイドアドレスマイクです。




(カプセル切替について)・・・ハウジング後ろ下にSWを設けた。


デュアルシングルカプセル切替え方式のメリット


①ハイパー・カーディオイドとカーディオイドの切替式になる。

②ハイパー・カーディオイドはフロント方向にシャープ、背面にゆるい

③この場合の単一指向性は背面感度が20~30dB低くハウリングマージンUPにきわめて有効です。

④いずれの場合も90度でしっかりと切れる特性なのがこのカプセルの特徴。

⑤双方の音質変化はほとんどなく、Dualモードで指向性がシャープになる。



【製作】

マイクハウジングは今回も「水回り用品」をおおいに使用。


オヨヨ「またこの路線ですか・・・はっきり言ってShinさん”変”」。


そういうのは全然聞こえないShinさん、使えるものは何でもつかう。


それよりも、サイドアドレス・マイク用のハウジングとしてやや大き目だが頑丈さもあり、ティーストレーナ(茶こし)より優れた材料だと思います。


1.外観メッシュボディ:流しのゴミ受け

2.マイクカプセルマウンター:風呂場排水口受け皿

3.ベース部:(秋葉原 小沼電気のPhone~XLR変換アダプタ)=「fet 3用ハウジング」を加工するか、Shureのマイクホルダーを改造するか・・・・・




①メッシュ中心の金属はメッシュを傷めないようにキレイに取り外した


②カプセルマウント板にマイク取り付け穴をあけた


③金属表面は塗布剤を乗りやすくするためサンド・ペーパーで無数のキズをいれた



(メッシュボディ)

1.ハウジング部

今回、従来にないほど大型(84φ、厚み60mm)という堂々たる外観。0.6φステンレス線によるメッシュ構造は「ゴミ受け」とはいえサイドアドレス・マイクロホンとして重厚さを出し、かつ音響的にも適した構造が完成できました。




2.マイクカプセル取り付けマウンター部

こちらも水まわり用品・・・風呂場排水受け皿。

こちらの詳細は前記事 (1437 :金属面の砂打ち吸音と白化しない強力接着剤製造レシピ)

にて詳細をご案内しています。http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11958011676.html





砂打ち加工した風呂場排水受け皿をベース(10KHZ付近にポイントを置いたソフト・レゾネータで高域の表情を整えています。



・ マイクカプセル取り付けマウンター部は前記事で「反射防止」「デッドニング」処理について説明があります、このとき17.5φの取り付け穴2個をすでに空けています。


・ EM-17UEのケース(アルミ製)は浮いている為GND処理をおこなったあと、マウンターに導電塗料(Noize Hell-2)で電気的に一体化した。


・ 反射防止加工前前でもかなり高いクオリティを見せますがこの加工を加えることによって、そしてチューニングを行うことによってECMの音とは思えないほど確実にランクアップしました。


(基台部)

1.外観・材料

これは2通りの試作をおこない1案を採用した。








1案:AMP部とセパレートにして基板もゆったりと、取り回しもこの方が良い。



2案:細機台の中にAMPを仕込み、ベースはXLR接続。

(結構きわどい金属加工を要した、fet3より部品点数が増加し収納が心配)



(回路)




(音決め)
①この場合、カプセルは左右ではなく上下に配置すべきだった。

①最終音決めはスチロールコンデンサ、レゾネータをホワイト・ノイズの波形を監視しながら、モニターヘッドホン(MDR-CD900ST)でC-38BとA/B比較で行った。


10cm径のパワードSP使用の為低域200HZ未満の表情はヘッドホン音を優先させた。


③途中途中、Voiceテスト(オンマイク、オフマイク)を繰り返しリファレンスであるC-38Bとの比較を行いながらの実験を進めた。



*ここまでで2週間ほど費やしたが手を打つことにした。バックキャビティが追加できればオフ時の低域をさらに類似させられると感じた。


以上





ものづくりニッポンもっと元気出せ

 

【おことわり】

こで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


    ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp


1439 :ことしをふりかえって(2014年末)

$
0
0

2009年に第1号機を発表した「ファンタム式パナ改マイク」以来自作マイク専門ブログのようになっていますが、2014年も結構いろんな事してきたなーと振り返ってみました。


年初の予定からは50%の仕上がりの1年でした。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11726475286.html



(そしてこの1年こんなことをやっていました。)


1月

1401 :2014年新年号 超小電流OP-AMPの入手

1402 :C・Rだけの平衡出力回路で20φ口径単一指向性マイク

1403:クラシックの録音報告と「防振」( 読者の方の力作マイク続編)

1404 :100円材料でトランペットSPを作った・・・だと?


2月

1405 :C・Rだけの平衡出力・・・DIRECT-3の試作

1406 :「ファンタム式パナ改マイクロホン」fet v (フェット・ブイ)シリーズ

最小サイズのファンタム式パナ改マイクです


3月

1407 クラフト(自作)マイクロホン・フロントメッシュ考
1408 :「短小クン」fet-u1(Ⅲ)のSuメッシュによるリフォーム


1409 :レシピ 短小・軸方向単一指向性マイク筐体製作

1410 :Primo EM-154T(4φ)で極超小型ファンタム駆動マイク試作



4月

1411 :誰でもできる「電子レンジ・オーブン焼付け塗装法」の完成
1412 :マイクロホンにバッフルってアリか?

1413 :AKG C-451EBのトランスでフォーリーフUEB-5361を動作させてみた



5月

1414 :ECM、2線式・3線式の相違、そしてMEMSマイクへ

1415 ファンタム式パナ改マイク、部品調達で苦労していませんか 

1416 :一本締めが「イヨーッ  ポン」でいいの?

(写真は記事とは関係ありません)


6月

1417 :薬品不使用、熱処理による「ステンレス・銅の黒染め」

赤熱中のステンレスメッシュ


1418 :Amphenol 製XLRコネクタはなぜシェルGND付に変更された?
1419 :ハーフサイズ・マイクロホンに新型「u-16fet」登場
イベント告知(6月13日開催)

u-16fet


7月


1420 :ホールで威力を発揮する短寸・単一指向性マイク「u-16LZ」
1421 :Amphenolの新XLRコネクタ使用でfetⅡを製作
1422 :意外!マイクロホンの「ハムノイズ」防止プロセス(前篇)



8月

1423 :WM-61A相当(XCM6035)ファースト・インプレッション
1424 :単一指向性ステレオマイクのタッチノイズ軽減に挑戦

マイクに機械的ショックを与えた波形(上:対策前、下:対策後)


1425 :「電池式ファンタム小箱」、単四2本で実現しました。(実験)
1426 :「電池式ファンタム小箱Ⅲ」4年ぶりのリニューアル



9月

1427 :Shinからのお知らせ

1428 :お役立ち記事へのショートカット集(第2号)
1429 :「ビッグバンド」大規模野外PA(SR)を終えて

1430 :Shinさんのブログ写真、ブツ撮りの流儀



1433 :導電塗料「Noise Hell 」03 は「神」か


11

1434 :「祝」 ファンタム式パナ改マイクロホン5歳の誕生日

1435 :「Sound Pure」のワイヤレスマイク, 1Uラックケースに収めた物は
1436:ファンタム式パナ改マイク(Shinさんマイク)の進化



1437 :金属面の砂打ち吸音と白化しない強力接着剤製造レシピ

1438 :デュアルカプセル、大型サイドアドレス型単一指向性マイクロホン



結論としてマイクロホンは「発展途上」の音響機器であることにあらためて気づかされた1年でした。


(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp





1501 :新年号 2015

$
0
0


角松 あけましておめでとうございます  角松


今年もテンション高くスタートしました




いままでに達した結論、

「マイクロホンは発展途上の音響機器」 。


引き続き研究活動を進めてまいります。



マイクロホンはまだまだ進化しますよ



そしてもういちど

人間の声に注目してみよう、それが「送話器」=「マイクロホン」音源の始まりであり、すべてだと云って良い。


その自然な、良質な表現はどんな楽器音にもかなわない難易度を持つ対象だということを忘れてはならない。

それは好ましい楽器音表現にも通じるファクターであると考えます。


マイク音は「Voiceに始まりVoiceに終わる」と考えます。




(ことしやりたいこと)

数字1  
・ファンタム式パナ改マイクの回路的バージョンアップ、更なる改良点の追求。


・ダイナミック型にも課題山積、接話マイクだけがダイナミックマイクではない。




数字2 

・コンデンサマイクカプセル(非ECM)の入手ルート開発


・ECMの次元を超えたグレードアップアイデアを


・XCM6035がWM-61Aの代替にならない事が判明した跡処理が必要になった。


・ふたたびマイクロホンのチューニング、(可能性は無現にあるはず)


・タッチノイズ、ショックノイズ緩和法の未来形


・楽器種別なくも使えるピックアップを実用化したい


・ミニプラグ・ジャックを用いない民生機器入出力方式の提案


・マイクロホンに弁別能力(ハース効果)を与えるには。


・Memsの指向性マイクロホン




数字3 
・オリジナル金属加工ノウハウ


・表面処理のグレードアップ


・塗料・接着材と新たなコーティングの研究


・軸方向単一指向性マイクロホンハウジングの材料探し


・ステンレス・フロント・メッシュ構造の改善





数字4 

・アース、シールドの「こんにゃく談義」にEMC理論で終止符を。


・ワイヤレス(無線マイク)の現状に警鐘を送る。



数字5 

・多チャンネルPA卓のアナログ回帰を素直に歓迎し、次元を変えた成長を期待する。




(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1502 :いま、音響技術セミナーが熱い!

$
0
0

ニッパチといわれるが音屋の世界では「8」は稼ぎ時。

そんなこんなで、手が空いてくるこの時期は勉強のできるチャンスでもある。

こんな努力をするエンジニアは生き残り、やらなければ「自己流」、自然淘汰されるだけなんです。


この時期をねらって音響技術セミナーが目白押しです。

その一部をご紹介します。(詳細はそれぞれにお問い合わせください)




1月23日 開催地:東京

■音のゼミナール2015 新春スペシャル

 Voice/Vocal大研究

ボーカル、声楽、台詞、アナウンス、スピーチなど、音声の伝達と表現についての研究会です。

日 時:2015年1月23日 14時~17時

会 場:国立能楽堂2F大講義室(JR総武線・千駄ケ谷駅下車5分)

受講料:2,000円

受講申込http://seashonbu.jimdo.com/

主催:一般社団法人日本音響家協会



22日 開催地:名古屋

■プロ音響機器フェアIN NAGOYA 2015 開催案内

毎年1月、恒例になった中部支部が主催する、プロ音響機器フェアIN NAGOYA 2015 は、名古屋地区で各社(11社)の製品を、手に取って一挙に体験できる唯一の展示・試聴会で、今回は「少人数で仕込むSR(PA)システム」をコンセプトに、スピーカ試聴が9社10ブランド、機器展示が11社です。
中部地区のプロ音響の関係者ならびに興味をお持ちの皆様のご来場をお待ちしております。

日 時:2015年1月22日 11時開場(13時試聴会開始)~19時終了
会 場:日本特殊陶業市民会館・ビレッジホール 
    展示会場:ロビー  SP試聴会場:ホール
入場料:無料。どなたでも入場していただけます

主催 :一般社団法人日本音響家協会中部支部

問い合わせ:E-mail chubu@seas.or.jp まで


   




27・28日 開催地:山形市

FBSR 音響技術研修会


ことしは「定番マイク」「軽薄短」システムがテーマです(Shin)



FBSR会公式サイト:https://sites.google.com/site/fbsrofficial/

主催 :FBSR会(非営利団体)

(問い合わせ)https://www.facebook.com/pages/FBSR%E4%BC%9A/519690911478802?fref=ts




2月6日 開催地:東京


■音響新技術ワークショップ
~インテリジェントマイクの実機デモ~

NTT社が開発した「高騒音下でも狙った音を集音できる性能マイク」の新技術を披露し、実際に"見て・触れて・試して・聴いて・実感して"いただき、さまざまな利用方法を編み出していただくワークショップです。

日時:2015年2月6日(金曜日) 16:00~17:30
場所:NTTアドバンステクノロジ株式会社
   ミューザ川崎セントラルタワー7階
   JR・京急線 川崎駅西口徒歩1分
   http://www.ntt-at.co.jp

対象:放送・舞台等の音響業務従事者、マイクロホン等の開発・製造技術者
参加費:無料
定員:30名 定員に達した時点で締めきります。
主催:NTTアドバンステクノロジ株式会社
共催:一般社団法人日本音響家協会
協力:NTTメディアインテリジェンス研究所

参加申込/お問合せ先:
(NTT-AT yasuyuki.kiyosue@ntt-at.co.jp 清末)









27日 開催地:名古屋

主催 :一般社団法人日本音響家協会中部支部 

参加申し込み/お問い合わせ先:

メール:chubu@seas.or.jp   FAX:052-409-4580
◎問合せは、TEL 090-1410-4094 E-mail
chubu@seas.or.jp まで





【音響技術者資格取得】

音響家技能認定講座・ビギナーズコース受講者募集 2015年2月3日 (開催地:兵庫)

※定員に達したため締めきりました


音響家技能認定講座・オペレータコース/1級検定 2015年2月17日 (開催地:東京)


申込み/お問い合わせ(一般社団法人日本音響家協会)

http://www.seas.or.jp/






3月6日   開催地:東京

技術セミナー「楽器を知ろう」 


主催 :一般社団法人日本音響家協会東日本支部

申込み/お問い合わせ:Mail east@seas.or.jp





音響家協会名物

第2回全日本マイクケーブル8の字巻きコンテストについて

20mマイクケーブルの8の字巻き 7月9日幕張メッセで決勝戦

優勝者は「8の字巻匠」の称号と副賞100,000円がもらえる

「早く! キレイに」 だけを競います。 


主催:一般社団法人日本音響家協会本部、各支部

(詳細)http://www.seas.or.jp/office/hachinojimaki/hachinojimzkicon.html#anchor8888888






(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp



1503 :ファンタム電源で真空管回路を動かす・・・だと! (1)

$
0
0

「ファンタム式パナ改マイクロホン」のFET差動出力AMP部を真空管に置き換え、動作させる実験を行った。

結果は目的通りの動作を確認した。

(注)本記事の個人的な利用は大いに歓迎します。但し商業的窃用は一切お断りします。)



 試験回路図


直結平衡型とトランス結合平衡型2種類の実験


このミッション最大の課題は「ファンタム電源」を真空管回路のB電源として動作させることにあり、性能のよしあしは次の課題にした。


ファンタム電源で動作中の真空管ファンタム式パナ改


FET(2SK330)使用の回路をそっくりそのままの定数で真空管を動作させた。

手持ち部品の関係により電池管(3A5=双三極管)を使用した。

バラック実験に付きシャーシはありません、わずかにハムを感じながら動作の大筋をつかむことに注力した。


3A5 は電池管・直熱管特有のマイクロホニック・ノイズが大きく、低μである為、本来この目的には適しません、

あくまでも可能性を探るための実験として行いましたが本来、5670や12AX7(ECC83)、などを使用したいところです。

  (3A5データーシート)

しかし、この球が「懐かしい」という方はかなりお歳のはず。

そう、1950~60年代前半にかけて、この単球で超再生検波受信機と自励式送信機を兼ね、AM変調と音声出力を兼ねた50MHZ(当時はMc=メガサイクル)のトランシーバの製作が流行りました。

http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/circuits/TRX/3A5-50-2.html


この形式は自励式発振回路即送信部、AM変調ではあるもののFM成分も盛大に含む為受信機側もどちらのモードでもいい・・・などあいまいな電波、正式免許は下りないが有資格者が作って使うかぎり暗黙の了解か、何のおとがめもなかった。(50MHZなどまだ使用する人がきわめて少なかった時代)

飛距離は市街地数100mから郊外3~4km、海上10km以上、しかし山と平地間なら100km以上の記録もある。


Shinのこの球もその頃のセットから外したものです。






実験1.

「ファンタム電源をパクって図々しくも真空管がまともに動作するのか?」。


これはFET回路そのまま置き換えて再現性を見ることにした。

当然ダイレクト出力であります。


(結果)

立派に動作します、真空管さえソッとしておけば「使える」というレベルです。

それにしても「キンキン・コンコン」とマイクロホニックノイズの盛大な事・・・。




実験2.

動作することが確認できたので次だ。

「インピーダンスマッチング」及び低インピーダンス出力させる為、トランス結合を試す。

ここではタムラのTD-1715(2kΩ:600Ω)使用。

マイクロホニック・ノイズ以外は問題ナシ、この一次側インピーダンスはもっと高いハズ、あらためてGL‐5670や12AX7(ECC83)などできっちり決めたい。


トランス結合回路の電流測定中


(測定結果)

B電圧:+44.9V

B電流 :+0.98mA(Direct出力時)

      +1.67mA(トランス結合時)

A電圧:DC約3V

A電流:DC89.2mA    

Ek(f)= (ECM供給電圧):+2.0V

(考察)

他でファンタム電源を使った真空管回路例は見たことがない。

その事だけでも一つ前進したのではないか。


次のステップは「FETなしのECMカプセル」で、低雑音の真空管に置き換えること。


それらの処置によって音質的メリットを見出すことが出来るか、「ゴミ」になるか、それはこれからの課題です。


低電圧特性のリニアな「傍熱管」で同一実験を行いたい。


今の単三アルカリ乾電池は昔の単一マンガン乾電池並みの容量があります。特に大電流の持ち出しに強く、したがってA電池(フィラメント電源)の寿命は昔の感覚では想像できない。



(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

1504 :ファンタムで動作の「真空管式ファンタムパナ改マイク」実験(2)

$
0
0

史上初 ! ファンタムを「B電源」に荒ワザ炸裂。

「真空管式ファンタムパナ改マイクロホン」は新しい可能性を開いた

さあここからが楽しみです。

たまたま手持ちの双三極電池管(3A5)で前回は基本動作の確認はできた、しかしひどいマイクロホニックノイズの嵐に音質の詳細など判断できるはずもない、しかし・・・・

そうだ! 前回は「できる」のか「できない」のかが目的、こまかい事はあまり気にしなかった。



電圧でリニアな「傍熱型双三極管」探し・・・GL-5670を調べているうち定番の12AX7(ECC-83)良い感触のデータを持ち、キャラクターが豊富なので使えそうなものを数種類入手した。(下写真)


集めた12AX7ファミリーの数々


ウン10年ぶりに真空管なるものを買いに出た。「高い! 高い!」

東芝、NEC、RCAなら1本4,500円だとか・・・適価なのは中国製、ロシア製のようです。

さあこの中で適切なものは?


(各真空管をファンタムパナ改マイクとして使用した音の特徴)

・・・・拡大してご覧ください・・・・


イクロホン用途の真空管は楽器AMPやピュア・オーディオとはまったく別のファクターが求められることに気付かされた。

今回はこの中でShinがマイク用途として惚れ込んだのがこの球。母音言語である日本語にマッチし、ワイドレンジかつまろやかな倍音表現はしっかりと「イイ」東欧、スロバキアJJ ElectricECC-803 S」がそれだ。


TESLA社はTELEFUNKENがECC83の低雑音化・高信頼化をはかったECC803SのOEM供給を行ってきた名門、といわれるメーカー。

JJ Electricは国の分離後、元TESLAの幹部がスロバキアで立ち上げた新進メーカー、という三角関係にある。






スロバキア、JJ Electric製 ECC803 S

http://www.thetubestore.com/lib/thetubestore/JJ-ECC803-S.pdf


歩き疲れたが実に良い買い物がリーズナブルにできたと思っています。


【実験回路】



(実験)

池菅3A5のときと変わらない方法で行った。カソードがあるので電極の役割がきっちりとして助かる。


1.トランス結合(タムラ TD-1715使用)

出てきた音の第一印象、「これはイイ」、こういうのは最初の一瞬でわかります。

Shinさん・・・といえば「ファンタム式パナ改。

この代表的マイクである」、fetⅡとの比較をこころみました。


・周波数レンジの違いは感じられない。

・音が図太く前に出る。

・リボンマイクのようなつややかさを感じる

・レベルメーターの振りを同一にして比較すると耳で感ずるエネルギーは完全に大きい。

・トランスをさらに選べばちょっと凄いマイクになりそうな気配。

・しばらく聴いたあとfetⅡ に切り替えると、何か物足りなさを感ずるほど豊かな音に包まれています。

トランス結合の実験中写真

電流測定はこのあと1Ωをシリーズにした電圧降下で電圧変換読み取りに変えた。


2.直結回路

fetⅡとの音色の一瞬でわかるが。早計な結論は避けるべき。

しばらく聴きながらA/B比較すると、球のマイクに慣れてきて正確な判断ができるようになります。


基本的にはトランス結合と変わらないがクリアな直結回路の音が味わえるようにケーブル長は3m未満で使いたい。

正式版では「トランス、直結切替式」にしたいところです。



3.「なにっ!ヒーター電池が7時間近く保っただと?」


   電池の寿命試験


ルカリ単三乾電池の容量がいかなるものなのか、これはメーカーでも発表していない。周囲環境、保存状態ほかで大きく変化するからである。

但し、大昔の単一マンガン電池より容量の上では大きいようだ。

このローソン100で購入した電池

(4本100円)を使用した。


回路図の通りの「トランス結合回路」で新品電池を開封し、このマイクを動作させ、音声が止まるまでの時間は何と6時間52分というとんでもない記録を叩きだした。

6時間50分の時点、ヒーター電圧は3.78V、IPは0.3mA、音声正常)


一点の曇りもない音を出し続けている、そこから約2分、急に音量が落ちてプレート電流が0(ゼロ)に、6時間52分、ご臨終。


まるで我が終焉の願望を見せつけられたような光景であった。


この時電池の両極電圧とプレート電流を監視しながら電池の寿命テストをおこなった、IP電流値は0.3mA終始一定であった。


ここまで電池がもてば大抵のシチュエーションで本番中の電池交換は必要ないが、「4時間」程度を安全圏と見ておく必要があるだろう。


電池(青)電池(赤)電池(モノクロ)近いうちに「アルカリ単三電池」のライフテストを特集する予定です。



(考察)

「ファンタム式パナ改マイク」をこんな形のモデファイ実験するなど思いもよらなかった。

「パナ改」の創始者:Linkwits氏も真っ青になる出来事だと想像しています。


このブログTOPにある「ないものネダリこそ開発の原点だ」をかみしめ、馬鹿げたことをクソまじめにやってみたらうまくいった。


(次回)

仕様的には今回の実験機をはるかに超え、常識にはとらわれない夢を積み込んで本チャン機を2か月かけて完成させます。





(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室


   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp

Viewing all 484 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>