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1505 :真空管(一般管)式ファンタムパナ改マイクロホン「Tube-XⅡ」

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(注) 第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。


「懐古趣味」など無縁です。


「真空管」この普遍的な「音楽するデバイス」

個性も千差万別、今では玉石混交となった世界からどう選び、これとどう付き合っていくべきなのか、それを深く考えさせられました。


そして常識をはるかにを超えた方式の開発により、真空管をより身近なデバイスとしてその魅力にひたって頂くことに成功しました。


海外製高級マイク並みの性能と音質で自作マイクの定番となりつつある「ファンタム式パナ改マイクロホン」。

 2009年10月からFETとバイポーラTRを使用してまいりましたがついに真空管式の完成に至りました。

このウォームトーンにはハマります。

真空管式ファンタムパナ改マイクロホンTube XⅡ

スロバキア、JJ Electric社製ECC-803 S 使用


史上まれにみる「真空管式ファンタムパナ改マイクロホン」の完成となりました。


構想は古く、FET‐AMP式の原型を考える際、真空管実験回路を登場させたことがあります。

電池管以外、一般管使用例はこれが初めてではないかと考えています。




【製作】

この真空管式マイクは卓やマイクプリからのファンタム電源をB+電源に流用して真空管(一般管)を動作させるというぶっ飛び発想をカタチにしました。。

前ツラはこれでいくことにした




リアはこんな感じです

(電池交換が簡単に出来るようにリア側の止めネジは手回しできる「ローレットネジ」を採用)





組み込む臓物のすべて



発熱も「ほんのり」ですからこれでいい


ヒーターには単三アルカリ電池4本を用い、6時間50分の連続動作を記録しています。



(バッテリーチェック機能)

デジタルメータはスイッチングノイズの混入がひどく、すぐあきらめた。

しかし、いまどきアナログのラジケータはアキバの古在庫か100均の電池チェッカーくらいだがこれはあまりにも安っぽい。


それなら普通価格の電池チェッカーなら、と手に入れたのがこれだ。



ラジケータいろいろ


左:1600円のハンパ品

上:丸型はShinのハンパ品

下:中央は100均のメータ

右:一般市販のバッテリーチェッカーと隣はそれをバラしたメータ部、

これを採用した。



<これは困ったちゃん≫

電圧計として校正したまでは良かったが、ON-OFFで「プチッ」ノイズ。


もう一つはボタンから指を放した瞬間、メーターの針は「バチン」とメータのストッパを勢いよく叩いて戻る、これが可逆作用で電気信号になって回り込む。


こうやってやっつけた

メーターと押しボタンSWはひとかたまり
になるようにメーター制動とEMC対策を同時に小基板中心にまとめ、ストレー容量など分布定数回路を併用して考えた。

コイルは20φのトロイダル・フェライトコアに細線10ターンをバイファイラ巻き(色分けすべきだった)。

コイルは入出力の物理的隔離が重要、セラコン0.1μFは入れ方次第で薬にも毒にもなる。


バカボンのパパ これでいいのだ


電池チェックメーター部回路図

・針がゆっくり戻るように制動をかけ、「プチッ」ノイズはEMC対策そのままに完全消去。

(上図)

・この部分の適正化に最も時間を費やしたのが予期しない出来事であった。



【特徴】

1.低電圧であくまでもリニアな球として種類が豊富、また管の選択により簡単に音質傾向を変える面白さを味わうことが可能な12AX7(ECC-83)系の中から説得力のある1本であるJJ Erectric社のECC803 S を選び出した。

2.真空管式ウォームトーン は従来の「ファンタム式パナ改マイク」の表現力に色気を加えて、より音楽に寄り添った音です。


3.真空管ECC-803S(12AX7互換)は同系の球との差し替えによって大幅に音質が変わります。

しかし「現在の12AX7系の90%以上がギターAMP用ですからね」と某有力真空管専門店ご主人、さらに続ける「だからお客さんには用途を聞くようにしているんです」 「プレートの小さい球はオーディオ用にはクセが強い」


4.同様の製作をされる場合はいかに真空管の選択が大切か、最低でも2種類の差し替え比較は必須だと思います。


5.トランスはタムラのTD-1715使用ですが製造中止品種になっていますので同等以上のトランスの使用をおすすめします。

タムラトランス: http://www.op316.com/tubes/lpcd/image/tamura-2000.pdf

(このリストの中でライン マッチング トランスで必ずCT付を使用します)


6.上記5同等以上のトランスであればタムラのほか「日本光電」「染谷電子」などの国内メーカーがあります

入手の点で容易であってもこの場合、秋葉原や通販の5~600円のトランスを用いるべきではありません、トランスは1個1万円と心得れば裏切られません。



【回路図】

「ファンタムパナ改マイク」初の真空管式は「ファンタム」からB電源を頂く方式。


1.回路的には従来のFET式と大差ないのですがトランス使用の差動型にし、センタータップを用いた直流供給によってトランスの「直流磁化」を防ぎます。


2.Direct出力とトランス出力を切替使用できるようにした、Direct出力は3m程度までにとどめるのが安全です。

この場合トランスの一時側がチョーク負荷となる。


かくして「Tube XⅡ」マイクロホン・システムとして登場することができました。



【余禄=危険注)マイクの諸元を把握しない場合、事故となります。

この真空管AMP部は「3PミニXLR」の標準的ピン・アサインです。

AT社、RODE社、JTS社、CPなど同一ピンアサインのセパレート型マイクロホンの一部でそのまま使用できるものがあります。


逆に今回のミニXLR式のファンタム式パナ改マイクをそれらのファンタムAMP

で動作させることもできます。


ただしAMCRONのPCC-160やAT871Rなどはファンタム動作のAMP回路が内臓されていますのでこの場合動作しません。


 この件は自己責任でお願いします。





(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


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★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

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   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp



1506 :Shinさんからお知らせ

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日本音響家協会恒例の技術セミナー「楽器を知ろう」


今回は「マリンバ」です。


日時:2015年3月6日(金)13:00~17:00

会場:国立音楽大学・新1号館オーケストラスタジオ

(交通)多摩都市モノレールまたは西武拝島線 玉川上水駅徒歩8分


入場無料、事前申し込み制




過去、ドラム、パイプオルガン、クラリネット、トランペット、と毎年好評実施しております。


当日はShinも会場のどこかに居ります。


1507 :真空管(一般管)式ファンタムパナ改マイクロホン「Tube X2」後編

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Tube X2 真空管式パナ改マイクは+48Vのファンタム電圧を「高圧B電源」として「一般管」を動作させることにこだわりました。


常識的にはまず動かないであろう真空管(一般管)を動かすにはやはり無謀にも近い覚悟が必要でした。


このマイク開発の過程でハードルとなったいくつかの事柄がありますのでShinさん久々に腰を据えた作品製作の話としてご参考になれば幸いです。




2台になったTube X2」 これでSTEREO録音が可能になった。

(2台目・・・写真上はバッテリー・チェックSWは小型スナップSWにし、「入れっぱなし」に出来るようにした。



(ハードルはこうして乗り切った

1.マイクロホニック・ノイズ対策

  電池菅(直熱管)を傍熱型真空管に変えることによって完全に抑えた。


2.真空管の選択

  双三極管である12AX7(ECC-83)系の低電圧特性に注目したが同じ12AX7

  であってもギターAMP用途の球とオーディオ用途の球が歴然と存在するこ

  とを知った。


  ギターAMPの球はマイクロホンには全く向かないことを実験と真空管ショッ

  プのオヤジさんの話から導きだし、ヒヤリングテストを繰り返すなか、生いた

  ちと素性の良いスロバキア製JJ-Electric社の「ECC-803s」を採用した。



JJ社ECC-803S

       

プレートサイズの違う2つの12AX7


同じ12AX7でもプレートサイズはおろか、このように形状が異なる、すると音は激変する。

ちょっと見ただけでも左側の粗雑なつくりがわかりますね、しかしギターAMPでどういう評価なのかは別次元の問題。




3.ヒーター用電池の寿命

  試作時に電池のライフテストを行い、アルカリ単三4本使用で6時間50分

  の完全動作を確認した。(100円ショップの4本100円のを使用しました)



   正直、これほどの電池寿命が確保できるとは想像していなかった。



4.バッテリーチェック時のリスクについて

  アナログメーターは誘導性、ON/OFF、特にOFF時には逆起電圧が発生し

  てそのショックノイズは当然出ます、障害は当初から予想していましたの

  で、最初からこのことは頭に入れて対策は覚悟していた(ましてや「マイクロ

  ホン」である。)


5.ON/OFFが見えにくいので何べんも失敗したのを反省して電源LEDを追加した。


6.もはや多回路のスライドSWなど市販品はない

  これには困ったまま1号機はチョーク負荷でしばらくおかれた。

  天下のアキバを隅から隅まで歩き回っても「4回路スライドSWなどない。

  あってもせいぜい大昔のジャンク品、買って使ってはみたものの接点は

  音声信号に耐えられるようなコンデションではない。

そんな部品でこの回路は動かせない、「没」



ぴかヤケだ、Direct-OUTはトランスを切り離すだけでいい、ならば・・・



スライドSWの動きをマイクロSWのアクチェータで拾って動作を連結する。

その珍アイデア採用!




Tube X2
(最終完成回路)

かくしてTube X2 は完全に完成をみた。



ミニアタッシュ・ケースに2台分楽々収納できる。

重量は電池込みで1.9kg


間もなくこのマイクはJAZZ録音でピアノにあてる予定です、

その際はまた結果をご案内する予定です。


また、タムラの小型トランス、TpAs-203(10k:600Ω)を入手、交換使用してみたがこれは使える印象を持ちました。


                              以上





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1508 :予告:(単3アルカリ電池各銘柄のガチンコ勝負)

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次回予告、

まもなく・・・・




電車をも動かし飛ぶ鳥を落とす勢い パナソニック EVOLTA

はウワサ通りなんだろうか・・・・・・



6個100円の激安品は「やっぱり・・・」なのか


単3アルカリ電池、各銘柄のガチンコ勝負。


乞うご期待。


Coming Soon Shin-2



1509 :単三アルカリ乾電池 ピンキリ勝ち抜きレース

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「乾電池」といえばアルカリ単三が相場になって久しい。


メーカー同士の競争、新技術の投入により一昔前の単一マンガンの性能すらあっさりこえてしまった秀才。


「電車」をも動かしてしまうというパナソニックのEVOLTAから100円ショップの4個・6個100円、そして通販の10個100円のものまである。


1本12.5円~154.5円まで勢ぞろい。ここまで価格差がありながら一切ハンディはナシ、同じ土俵で働くライバル同士だからです。


しかし、実際の性能・パフォーマンスはどうなのだろう。


(今回の選手たち)

これらにマンガン電池1種類が加わります。




各電池のプロフィールです。



競技は2種目

①(大電流レース)

2本の電池をシリーズ(3V)にして2オーム抵抗負荷にて終止電圧に至るまでを競う。


②(中電流レース)

2本の電池をシリーズ(3V)にして10オーム抵抗負荷にて終止電圧に至るまでを競う。

※ なお終止電圧は電池メーカーの試験と同様0.9Vとする。

さあ開始します

位置についてー・・・・・よーい ドン




がんばれ、がんばれ




この電池やけに熱いぞ・・・・

大電流時、電池の消耗につれて次第に上昇します。40℃程度までは許容して良いと思います。




終止電圧間近、1,8Vで単セルあたり0.9Vです。



(結果発表)

①大電流レースの結果

1位:東芝アルカリ乾電池

2位:パナソニックEVOLTA

3位:AEONアルカリ乾電池

4位:富士通 G PLUS

5位:上海問屋アルカリ乾電池

6位:パナソニック(金パナ)

7位:Cando Vアルカリ(オーム電機)

8位:ダイソー Pila Alcalina

9位:ダイソー ALKALIN

10位:ローソン 100 (東芝)

11位:Maxell マンガン電池



②中電流レースの結果

1位:上海問屋アルカリ乾電池
2位:パナソニックEVOLTA

3位:Cando Vアルカリ(オーム電機)

4位:東芝アルカリ乾電池

5位:ダイソー ALKALIN

6位:富士通 G PLUS

7位:ダイソー Pila Alcalina

8位:パナソニック(金パナ)

9位:AEONアルカリ乾電池

10位:ローソン 100 (東芝)

11位:Maxell マンガン電池



(結論)

今回はコメントを一切差し控えます。

ごのグラフを皆様の創意でお役立て頂ければ幸いです。

                                        

                        以上




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1510 :「ファンタム式 ピュアTUBE(一般管)ECM 」の実験

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真空管式マイク といえどもECMであるかぎり一般的には内部にFET入ってインピーダンス変換をおこなっている。


しかしFETのない単なるカプセルも存在します。


これを使い純粋な真空管マイクをめざしたので少し勝手が違います。


「ファンタム式ピュアTUBE-ECM」(仮称)という変なことになるかも知れませんがECMの自由度がますます広がりました。

 ヘッドの球は6AU6の(三結)にて今回はいろいろ試みました。


(実験回路)


1.ECMのインピーダンス変換用FETを真空管に置き換える。

2.第3グリッド(サプレッサー・グリッド)の接続先=P?・K?いえいえGND。

3.カソードフォロワー(ソースフォロワーの真空管版)出力。

4.もちろん「ファンタム駆動」でなければ意味がない。

5.ヒーター電源の低電圧化(単三電池2本)、3V点火の実用性を見る。



SILVANIA 6AU6 WC





通常のECMカプセルに入っているチップFET(2SK1109)と6AU6


ECM専用FET(2SK1109)、これにはゲート抵抗(100MΩ以上)が入っている点が一般FETと異なる。



(なんと回りくどい事を)

最初に発表した真空管マイク(Tube X2 )の開発アルカリ乾電池の勝ち抜きテスト も、実はファンタム式真空管マイク実用化の為におこなっていた実験、というのが事実です。


それらはピュア・コンデンサ・マイクカプセルの入手見通しのつかない悔しさからの精一杯の歯ぎしりかもしれません。

まだまだマイクは変わります。

FETを排した真空管式ファンタム動作ECMのバラック実験。



※アルカリ単三電池2本でヒーター点火、ファンタムをB電源にして動作。




(トランス)

一言でいえば「音を良くする魔法の箱」。今回はタムラの「TpAs203」という小型高性能なものを用いたが、半世紀前の電気音響(DOK)製:IPT-105に交換するとさらに音が磨かれているのが判る。


安物トランスの代表、サンスイ(橋本電機)ST-75ではさすがに低域落ちと独特のクセが付いて回り、音楽向きではないがトランス独特の押し出し感はある。


前作の 「TUBE X2 」マイクがクラシック録音家のところで現在活躍中であるが、あのトランスは2倍以上の大きさの同じく「タムラTD-1715」です。


TUBE X2
記事
http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=11993826699 記事最後の部分に「TpAs203」との交換使用について感想がわずか書かれています。


この「トランス」についてはさらに実験考察を必要とするテーマであると感じます。



DOK IPT-105 使用実験




サンスイ ST-75 使用実験


【低電圧駆動のススメ】

真空管特性表とにらめっこしていると「立ち上がり」からしばがく部分は案外無視されてしまっていることに気づく。


特にゼロバイアスのプレート電圧十数V以上など素晴らしくリニアであることに感動すら覚える。

この部分を使わない手はない・・・と「Tube X2」で初めて一般管ファンタム電圧駆動を始めたが更に奥があった。



本来6.3Vであるヒーター電圧だが・・・

「単三4本で実験動作させている時、ミノムシクリップが外れた・・・・その後もかなりの時間音が残っている」


じゃ単三2本(DC3V)でもイケるんじゃないか?と電池2本をはずして3Vに。

ヒートアップに2倍位の時間がかかるが出音はまったく変わりない。ヒーター電流155mA、まったく文句ナシです。


単三 2本に限らず充電リチウム電池なども視野に入ればマイクロホンに収納する事も可能となる。


真空管もこうしてちょっと掘り起こせば決して「懐古趣味」レトロな過去の産物」などではない。


おもしろい未来志向のデバイスであることは間違いない。
未来につづく



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1511 :ありがとうWM-61A おせわになりました

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トピック

あのWM-61Aとお別れの時が訪れました。

2011年製造中止が公表されて約4年になろうとしています。

そして国内代理店である秋月電子が今年(2015年)2月、在庫分の完売に至りました。


これに関しては海外事情も同様あることがわかりました。

世界中からパーツをかきあつめる会社に見積もってもらいました


電子工作から現場の業務用に至るまでマイク作りを経験された方は一度は手にしたことがあるはずの世界的な名カプセル。


WM-60から始まったこのシリーズによってかつて「ECMの音」と嫌われてきた超高域にクセのある独特のサウンドを実際の製品で完全払拭し、ECMの地位向上を果たした功績はあまりも大きい。


 これによってパナソニックのカプセル使わないメーカーの小型マイクにおいてもECMと純粋コンデンサ型との区分けを従来ほど厳密に言わなくすることでコンデンサ系マイクロホンは飛躍的に設計の自由度が増し、良い製品が登場するようになりました。


またWM-61Aの-35dBという図抜けた感度と優れたSN比のたぐいマレなる高品位カプセルとして多くの支持を集めた事は当然といえます。


(パナ改)

Siegfried Linkwitz氏 (米)の提唱による「Linkwiz-Mod」日本呼称:「パナ改」はWM-60、61などWM-6x系の素性の良さとソースフォロワ改造によってこれらのカプセルの持つ能力を最大限引出し、 多くの録音家、マイクロホンクラフト・マンの間で支持されてきました。


しかし残念ながら「伝送」という重要なファクターの軽視、ミニ・プラグジャック及びミニ・ステレオプラグジャックの欠陥軽視による不安定さ、そして外付け回路兼電池BOXの必携という実用マイクロホンとして使い勝手の悪さによりこの形式の衰退を確実にしました。




(ファンタム式パナ改)

Shin (筆者)(日本) により2009年11月、Linkwitz氏 「パナ改」をベースに

問題点を取り除きこれを「業務用途」として再構築したシステムをファンタム駆動実現させました。

「優れたプロ用コンデンサマイクにしたい」という想いだけで出来上がったマイクロホンです。


これにより外付け回路兼電池BOX」の撤去と併せて圧倒的小型化をはかりました。


ファンタム式パナ改マイク第1号(試作)

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10382343115.html


fetⅡhttp://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10465233115.html

翌年(2010年)2月10日多くの音響技術者を集めたセミナーの会場で行われたあるメーカーの大型超高級マイクの発売前デモ時、fet1fetⅡの原型機同時参加し、ピアノのPAが行われた。

参加エンジニア驚愕!、どこの馬の骨ともつかない手作りマイクがメーカー気鋭の新進機を破るという前代未聞のパフォーマンスでプロデビューしました。



 ステレオペアとして試作したfetⅡ


このマイクロホンは前作を更に小型化し、技術的ノウハウはSiegfried Linkwitz氏以上に全公開している為、一気に広まり、Linkwitzスタイルの「パナ改」からShinの「ファンタム式パナ改」をへの移行は民生用レコーダーの積極的なXLR入力・ファンタムの装備と併せて、より確かなものになりました。


(WM-61Aを3線式改造したもの)


メーカーでは絶対にやれないのがWM-61Aのソース・フォロワー改造=パナ改です。

製造上の問題だけでなく品質管理・品質保証の立場からやりたくてもできないのです。

ココは手作りマイクの優位性、重要ポイントです。


そして、fetⅡ では伝送面では決して出力インピーダンスは低くない「平衡型」であるため、ホール3点吊など2~300mのケーブル長に楽に対応し同一デザイン、50オーム台のLZⅡをその後発表し、現業で活躍しております。


LZⅡhttp://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11361654313.html


そんな数々の技術的エポックを生み出してきた優等生ECMカプセルもいよいよ一般入手はきわめて難しく、仮に入手できても10倍以上の価格は当たり前、もはや「100円マイク」などではない高嶺の花となってしまいました。


お兄さん指秋月、Digikeyなどで代替えの用意はあり、音色類似性はあるものの高域の伸びや低域のロールオフ特性を含めて総合的に「似て非なるもの」、決してオリジナルのWM-61Aの音を求めることはできません。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11899449808.html



ありがとう WM-61A お世話になりました。




(お知らせ)・・・Shinはこれまで通りWM-61A使用。

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1512 :WM-61A後継カプセルについて

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その後も

皆様の「WM-61A」 & スモールダイヤフラム無指向性カプセル探しが続いているようですので独自調査結果を自分目線でご報告します。


WM-61A なき後、代替といわれる「XCM6035」だけでは実に心もとないでしょう。


(XCM6035 =香港 SPL社製 秋月電子で「WM-61A相当品」とされている)

香港 SPL社(秋月電子で「WM-61A相当品」とされるもの)

昨年8月、ファースト・インプレッション でWM-61Aとの比較記事を書いています、ご参考ください。



  XCM6035の三線式改造

(ソース側2箇所のスルーホールがネックとなる)

半田箇所はいずれの場合も改造後、すぐに「エポキシ固定」するのが重要ポイント。

3線式ソースフォロワ改造はWM-61Aの比ではないほど難易度が高い事も 申し添えます。



なら何でもいいわけではないが、いままで相手にしなかったメーカーの6φ無指向性を探ってみた。



①アイコー電子 CM-062(R)

アイコー電子 CM-062 (千石電商扱い)


三角どこかのOEMであろうがこのカプセルは改造・テストするまで×を付けていました。

公称感度があまりにも低いからですが、それは何かの間違いなのでしょう。


※ CM-062(R)(スペック)・・・(店頭の表示より)

指向性:無指向性(全指向性)

感度:-63dB+-3dB(1kHZ)

インピーダンス:1.6KΩ+-30%

動作電圧:3V(1.1V~10V)

消費電流:400μA以下(6V時)

最大入力音圧レベル:120dB


※現品タグより

口径:6φ

SN比:58dB

周波数特性:20~16kHZ

音圧:110dB


音的には次のホシデンよりSN比は良く、使い方次第だと思われる。

「最大音圧:110dBが本当だとすれば使い物にならないが、短時間のテストではまだイケそうな感触です。




CM-062(R )の3線式改造



②ホシデンKUF-3233


これまでにも一定の評価のあるカプセルなのでソースフォロワ改造をこころみたが・・・・・


なるほど、感度は他のECM同様の-46dB、音質面ではソースフォロワ改造することで問題ないが、SN比の低さはいかんともしがたくかなりオンマイク環境でしか実用にはならないでしょう。

  ホシデンKUF-3233



改造難易度でいえばWM-61A代替といわれるXCM6035よりも「半田付ワザ」だけで実現するこちらのほうがやりやすいかもしれない。



三角 感度で選ぶなら「XCM6035」、音質で選ぶなら「CM-062」でしょうか。


  KUF3223の三線式改造


三角このカプセルはアキバ「千石電商」で細々扱っていたがお隣の61Aとほぼ同時に消えた、ただし他店での入手は可だったりしている。


(GNDの半田をするポイントがほとんどない)

GNDの半田ポイントを探りながらなので見た目、黄(ソース)・赤(ドレイン)が反転して見えますが、これで正しいです。



ここまででWM-61A代替えとして使用できるのは結局、「XCM6035」が最も無難というつまらない結論に至りました。


今後

WM-61A互換の製作物ではこのほかDIGIKEY」でWM-61Aを検索すると代替え機種が複数紹介されますので、その中から選ぶ。


またはe-bayでオリジナルを高値覚悟で求める以外に選択肢はない模様です。


ぴかMEMSマイクがアナログ、デジタルともに面白いことになっています、恐ろしくワイド・レンジなものも登場しており目を離せません。

ただし指向性マイクロホンはまだ先にならざるを得ないでしょう。

これはまったく新しい方式のマイクロホンと考えて良いと思います。


いずれにしても大きな転換点に差し掛かっていることだけは間違いありません。

                   以上




(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)  Shin


(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です) 



モノ作り日本もっと元気出せ   



【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。


★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。


★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)                             
ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのPA工作室 Shin-2


   ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

メール メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp


1513 :「ファンタム式パナ改マイク」AMP部製作のレシピ

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※ 流通在庫はなくともWM-61Aの「個人所有数」はおびただしい数に及ぶようです。


「ファンタム式パナ改マイク」を参考にされた非常に質の高い自作例が増えています。  


Shinも皆様の工夫の凝らされた作品を楽しく拝見しています。

賛否両論、ご批判は承知しています。

シンプルな超小型FET-AMPはきわめて限られた空間・大きさの制約の中「ファンタム電源」でのみ動作する業務用コンデンサマイクとしての標準要件にもとづき内容を熟考してあります。


その結果、高S/Nとナチュラルな音はあらゆる現場で受け入れられて5年間、まことに有り難いかぎりです。

皆様の作品で、特にAMP部分の製作はそれぞれのご苦労がうかがえる一方、作りづらさも垣間見てとれます。


特に感ずるのはパーツの入手の問題です、大きな金属皮膜抵抗で頑張っておられたり、いまだにWIMAのMKS-2と無関係なコンデンサをMKS-2として買わされたり、現実に混乱もみられます。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11851403892.html (ご参考ください)



New fetⅡ


それならShinさんオリジナルの工程を実際に見ていただくのが良いだろうと思い今回写真でご案内します。

 あの回路はたとえカプセルが変わっても定数を変えるだけで普遍性がありますので再登場させました。


(基板)

Shinさんのオリジナル最大の長所は回路図そのままの配置であることです。

動作上不要箇所をそぎ落として作りやすくしました。

(この配置とは違う方法で見事に作る友人のバージョンも機会があればご紹介したい好例です)


2SK330 ミニサイズである2SK330は在庫薄ですがまだ入手は可能です。

2SK184ほか2SK1182SK514 がミニサイズの小信号用FETとして互換使用できます。

これらはWeb上でもまだ手に入りますのでくれぐれも「必要数」購入し、決して買い占めることをしなければまだまだ枯渇を遅くすることができます。

また「ヤフオク」でもまだかなり手に入ります。

サイズを気にしなければVgds::50V以上の小信号用ならOK、次をご参照ください。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11851403892.html


fetⅡを例にしたXLR収納AMP部の製作レシピを初公開します


(回路図)

2010年2月発表時の回路から電流制限抵抗及び携帯電波侵入防止コンデンサを省略してあります。不要部分の削除であり音質的にはいささかの変化もありません。

【製作】

基板製作以降をご覧いただき全体を把握ください。


真上からみた

穴はケーブル通しです。(φ3.2)

基板はこのサイズで作ればノイトリックNC3MXXにジャストフィットし、ガタついたりしません。

  

使用部品がきわめて小さいことにご注目ください

抵抗:KOAの1/4Wミニサイズ(千石電商扱い)

コンデンサ(WIMA MKS-2)桜屋電機または海神無線より購入。


千石電商「MKS-2」なるコンデンサは本物だったり、別モノだったり一定しません、見てはじめてわかる、これは通販では選べません。)

※その点上記2店では別モノの誤販売はいままで全くありません

(TOP面に印刷のあるモノはたとえ「MKS-2」として売られていてもWIMA社の別なコンデンサで低域の薄いピーキーな音にガッカリします。 下の写真のものがMKS-2です 


本物には「MKS-2」と表記があります、それがないコンデンサは「MKS-2」ではありません。


ユニバーサル基板の厚みに注意

基板厚は1.2mmです、これより厚いものはXLRコネクタの②③~①のスキマを使った実装は困難になります。


横からみた

基板の長さ・厚さはこのサイズでドンピシャ

(長さは穴数でわかります)


裏からみた

裏付部品として2.2kΩ、1MΩ2個

1MΩ足には「イラックス(耐熱)チューブ」を使用しています。


カプセルからのケーブルを基板に配線

! (先にブッシングを通しておくのを忘れずに)




ひっぱり防止ストッパ

「ビニタイ」をこの位置にきつくネジリ巻く、

両端は適当に切り落とすだけ。




XLRシェルに収めて出来上がり




「名機」といわれる New fetⅡ の完成




≪場外乱闘≫

fet3の場合は同一回路をここまで小さく作りますが事故を起こしたことはありません。

(秘訣は「事故を起こさない作り込み」だけです。)




                      以上





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(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です) 



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1514 :Shinさんからおしらせ

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10万円ゲットするのは誰?。


7月9日は幕張メッセに集合だ。


日本音響家協会名物

第2回全日本マイクケーブル8の字巻きコンテスト




優勝カップ 優勝者1名:「8の字巻匠」称号、(副賞)10万円


各地から勝ち抜いた猛者たち、大乱戦必至!

エントリーするしかないよね、これは。


くわしくは コチラ↓↓↓

http://www.seas.or.jp/hachinojimaki/hach.html


主催:一般社団法人日本音響家協会


Shinさんも会場にいますよ



1515 :単一指向性+無指向性カプセル合体による新しい可能性

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昨年10月、3日間公開後筆者の都合により「非公開」にした記事(1432)を皆様の強いご要望により再公開することに致しました。ポイントは単一指向性+無指向性デュアル構造の恩恵についてです。


ぴか2015年3月ある音響セミナーで「マリンバ」演奏を内外高級マイク+この手作りマイク、全11本でマイク音比較録音テスト実施。結果、このマイクはトップクラスにランクされています。

(①Shin-Mic ②SHURE KSM141 ③SHURE BETA98 ④AKG C414B ⑤ AKG C451EB ⑥DPA 3506A  ⑦DPA 3511A ⑧AudioTechnica AT4080 ⑨AudioTechnica AT4081 ⑩ Schoeps CMC64 ⑪Bayerc M160) 

 


(ご注意)

このアイデアについて個人的な実験・試作以外第三者に対する販売等営利目的とする切の窃用を固くお断りいたします。

なお先行事例がある場合はご連絡くださるようお願い致します。    2014.10.23 Shin


マイクロホンは決して成熟分野だとは思いません。


「単一指向性」マイク 「無指向性」カプセル」 を追加したデュアルカプセル複合マイクロホンは次元の異なる可能性を発見できるでしょう、今回はそれをカタチにしました。



この新アイデアを過去の私のマイクに施してその効果を確認することにしました。


この録音、音響的には最悪である典型的な古い「体育館」が会場です。

! 茶濾し(ティー・ストレーナ)をハウジングにした以前のマイクが感動的によみがえった。


 YouTube  YOUTUBEにて試聴できます。

http://youtu.be/w9wIidqUS-Q (限定公開です)


(何の加工もしていない、このマイクによる録りっぱなしの音源です)



今回いけにえにしたのは4年前のこのマイク

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10993250923.html


「UEM-16」はこの「SU-16」とそっくり、私には音もまったく同じに感じますので、古くなっているSU-16を外し、新しいUEM-16に乗せ換えました。

よって再マウントによる改造を主に行い、デュアルカプセル化を図りました。

結果はGoodです。



当初の構造(スポンジで防振)


(タッチノイズの激減)

この構造の場合バラック試作で感じた「タッチノイズの激減」はみられず、むしろ騒々し過ぎる程です。

bikkuri こんなはずではない・・・・とリード線を変えたりクッション材を変えてもほとんど効果は見られない。


これでどーだ と壊し去るべく防振材らしきものを全部取り払った。


   ジカ付けならどうなのよ・・・・と


単一指向性カプセルはゴム系ボンドのみで荒っぽくケースに貼り付けた。

無指向性カプセルは小判ザメのようにボンドの粘着力だけで単一カプセルに貼りつけた。


前面の様子

カプセル位置がセンターからかなり下にズレてしまったが、そんなことは二の次、これでどうだ。


なんと!なんと、これは驚いた

タッチノイズの大小は言葉で表現しにくいですが、「手持ちダイナミックマイク並み」だといえばほぼ想像がつくと思います。


もちろん単一指向性のUEM-16だけではこんなことはあり得ない。


裏面の様子

タッチノイズに関してはこれで100点満点なので次に進みます。


この16φカプセル(UEM-16)は大口径的特性を示す優秀なカプセルですが、この音をさらに磨いたのは「ファンタム式パナ改マイク=WM-61Aソースフォロワ」です。


結果、国内外マイクロホンの「最上位」といって差し支えない音質、そんな魅力的なクラフト・マイクロホンになりました、これはどなたでも実際に経験できますので、けっしてShinはオーバーな表現はしていないつもりです。



(特徴)

1.タッチノイズがあきれる程減少する。 

2.音質にマイルドさが加わり一層ワイドレンジになり、あきらかに上質なマイクロホンに変身しました。


3.吹かれに強くなりました。


4.無指向性マイクを加えた場合、指向性は「ワイド・カーディオイド」になります。



(音質傾向)

BTS直系的な良さに潤いと現代的なガッツ加えたこのマイクの音質は万能マイク的素直さを基本にオン・オフともに高いパフォーマンスを示します。


ナレーション録音を試した。口元から30cm位置で淡々と読む。

次に5cm位、息のかからないように。


これがどちらもイイ、近接表現力も魅力的なマイクだ。


<ナレーション原稿例>

遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。
         (中略)

光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム
         (後略)


(ビッグバンドJAZZ収音)

所属のビッグバンドに持ち込んでダンパ(ダンスパーティ)演奏を録音した。

・録音中のモニター音をヘッドホン(CD-900-ST)でバンドマスターに聞かせた。

「これ、スゴイねー!」と感嘆。


YOUTUBE試聴 http://youtu.be/w9wIidqUS-Q



  ホーンセクション前に試作マイク


Shinさん、次はこのマイクでクラシックの録音チャンスを楽しみにしています。

(このマイクの中身)

内部の2つのカプセル単一:UEM-16 と 無指向:WM61A(改)

・UEM-16の防振クッションは外しました。


UEM-16カプセルとECM専用(高抵抗入り)FET:2SK1109


(UEM-16はFETを内蔵しないタイプなので「直流バイアス・コンデンサ型」の取り扱いとほぼ同じなのが特徴です。
専用FETが使えない場合は汎用FETと100MΩ以上の高抵抗の使用となります。


(余禄)

このシミュレーションはミキサーに接続された2本のマイクロホンによっても確認できます。


このUEM-16のほか2つの異なる単一指向カプセルでもタッチノイズの激減と音質の向上が確認できています。

                             以上



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(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です) 



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1516 :「ファンタム式単一指向性MEMSマイク」(TWO LEAF‐1)

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(ご注意)

このアイデアについて個人的な実験・試作以外第三者に対する販売等営利目的とする切の窃用を固くお断りいたします。   なお先行事例がある場合はご連絡くださるようお願い致します。    2015.05.17 Shin


発展途上とはいえマイクロホンの世界を大きく変えつつあり、世の小型マイクロホンはすでに「MEMSマイク」=別名(シリコンマイク)に席巻されつつあります。

(MEMS・・・・メムス)


というわけでShinさんのMEMSデビュー、ちょっと美味しいおみやげを持ってまいりました。



お初です!


皆様のスマホ・携帯、モバイル端末から補聴器に至るまで信頼性重視のマイクは100%が「MEMS」と呼ばれるIC技術によってきわめて小さいものが使われています。



米粒と比較した(ANALOG DIVICES社のADMP-411)





ANALOG DEVICES ADMP-411





ADMP-411 に結線(黄=OUT、黒=GND・(-) 赤=+、



MEMSマイクは半導体の顔して忍者のように忍び込んできたかと思ったらアッという間にマイクロホンの一分野を圧していたのです。

≪MEMSマイクの特徴≫

・アナログOUT、デジタルOUTの2種類併存である。

・圧倒的な小型・高出力(アナログ

・SNRはECMより10dB近く高い

・まだ「無指向性」が主流である

・まだ低域が十分伸びてる品種はマレである

・単一指向性型の周波数レンジはきわめて狭く、スピーチをカバーする程度。


でもいまさら無指向性ファンタム式MEMSマイクをこしらえてもどうってことありません。

「MEMSマイク」最大の苦手ジャンルは「ワイドレンジな単一指向性」型です。


どうやったらそれが実現できるものか・・・・悶々と考えていました。




≪発想を変えて音のイイ単一指向性能を獲得した≫

Shinさんは無指向性の周波数レンジそのままに「単一指向性」を得る為にある音響構造を考案しました。


これがTWO LEAF MIC基本構造


・このリーフ構造のマイクアッセンブリーをほぼ同径の金属パイプ(6φ)にツラ位置で沈め、ケーブル側をふさげば「単一指向性」が得られます。

リーフの角度はせまい程指向性は強く、広いほどブロードになります。


この場合の指向性を「Omni Cardioid」とか「ワイドカーディオイド」と呼びます。

PA使用にもかなり耐えられるハウリングマージンが得られます。


まるで若葉のような構造、これによる指向性制御を「TWO LEAFTechnology」と名付けました。



「MEMSマイク」には無限の可能性を感じておりましたが、ファンタム式」でデビューさせるにはひとひねりしたい、と思いました。

何か不思議な力に引かれるようにカタチになっていくのが判りました。


今回使用した「MEMS」ANALOG DEVICE社「ADMP411」という米粒大のデバイス、すべてのスペックがアキバにある「シリコンマイク」をガッツリと超えています。



http://www.mouser.jp/ProductDetail/Analog-Devices-Inc/ADMP411ACEZ-RL/?qs=%2fha2pyFaduhXB3q5NVEpf4LxOl2tTnxa%2fXviKyNzwGA%3d

このMEMS、なんと最大SPLは160dB/A と、おそるべき大音圧を許容しSN比も62dBとWM-61Aを超える。


特は28~20,000HZと現在(2015.5月現在)発表されているMEMSでは一級品。



ファンタム式単一指向性MEMSマイク

TWO LEAF‐1 の登場です。




(TWO LEAF-1の特徴)

1.ファンタム動作のECM系のマイクロホン


2.「ワイドカーディオイド型」であり「指向周波数特性」から低域はブロード、中~高域に向かうほどシャープな特性を示す


3.単一指向性としては小さい6φ、長さ30mmというサイズ


4.トーク用ピンマイクとして優れたパフォーマンスを示す


5.吹かれ、タッチノイズにきわめて強い


(回路図)


                  以上                  



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Shinさんからお知らせ

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まだ先?  いいえ、もうすぐ。


第2回全日本マイクケーブル

8の字巻コンテスト全国大会

東日本予選は当日行われます


当ブースではプロによる音響コンサルティング(無料)もあります、ぜひお立ち寄りください。

・西日本大会(予選)の模様、ビデオがあります、ご参考ください

YAHOOニュースより

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150512-00000002-wordleafv-ent



エントリーするしかないよね、これは。

くわしくは コチラ↓↓↓

http://www.seas.or.jp/hachinojimaki/hach.html

主催:一般社団法人日本音響家協会

http://www.seas.or.jp/

Shin さんはスタッフやっています





1517 :サイドアドレスマイク、ハンドメイド外観の決定版

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サイドアドレス型構造のマイクロホンは自作でも高品位指向性マイクを実現する良い方法だと感じています。

今回はその外観作りの一例をご紹介します。



「軸方向単一指向性」と比べ指向性マイクを失敗なく、ハードル低く。

バックキャビティの難しさや管鳴きに手こずることもなく中~大口径カプセルの良さをスカッと出してくれる気持ち良さがあります。


クラフト・マイクの外観構造はいくつかありますが軸方向単一指向性では「速度穴」と「背面構造」の問題は次元の異なる難しさを経験させます。

このハードルを楽しんで克服しないかぎり「やっぱり音が変!」で終わってしまい、実にもったいないと思います。

 このため既存のダイナミックマイクなどの中身を換装する方法が「実現への早道」と思われて、これに走ると足抜けが困難になるだけでなく「設計意図の異なる家の間借り」というボトルネックにより、カプセル本来の能力に無関係な別マイクになって終わることでしょう。


サイドアドレス型はこの点、「軸方向単一指向性」の設計上の難しさには触れずに良い結果が得られるためShinさんは好んでこの形式を使ってメーカー製高級マイクと張り合っても互角または勝てる結果を得ています。


ピース 何度かご紹介している某社のUEM-16、EM-17UEは高級マイクとして高い実力をもつカプセル、ユニットである事が最近、Shin同席で、ある音響プロ集団のおこなった内外11種類のマイク比較試聴実験の中で確認されました。



今回のアイデアは類似例が昨年の記事「1438」 にてすでに採用していますが、さらに簡略化したこの外観作りのレシピをあらためてご紹介します。


【材料】

・排水ゴミ受け(三栄水栓 アミゴミキャッチ PH620F-2-L) 単価  380円(ホームセンターなど)

・スマホ用クリップホルダ ラージ(55~85)           単価  250円(アキバあたり)

・スタンドネジ変換アダプタ、カメラ側1/4・スタンド側3/8   単価  500円(トモカ)


A :「オイオイ!Shinさん、またもやこの路線?・・・変な人だなー」

Shin:「エッ?」




【製作】


SANEIの「ゴミキャッチ」は直径83mmと申し分ない大きさ、しかし中に支柱が立っている、これを取り除いて自由空間を作り、メッシュ中央の支柱止め金具を撤去する。




センターのカシメをドリルでさらう、メッシュをちぎらないように注意。

カシメをはずせば裸のメッシュがあらわれる、でもセンターには穴が・・・




ピンセットを使ってていねいにメッシュの変形をなおしていく。





スマホ用ホルダではさむ、ホルダトップのゴムははずし、その部分から2.6程度のタッピングビスでメッシュに固定する。

変換ネジはスタンド側AKG:上側カメラピッチ(TOMOCA)を使用。



あとはこのメッシュ容器の合わさる部分2~3箇所にあなをあけ2mmネジで止めれば完成。




さらに具体的組み込み事例は昨年の「1438」 をご参照ください。


Shinさんはこれをケースにして、手づくり「リボンマイク」に挑戦中です、完成はまだまだ先だろうな・・・・・



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1518 :fetⅡPremium:BELDEN仕様(ブログ開設6周年記念)

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6月11日、ブログ開設から6年目を迎え、この間の閲覧数は2015年6月18日現在、累計で420万アクセスを超えました。

訪問いただいたすべての皆様に心からお礼申し上げます。  Shin


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


fetⅡ はShinのマイクのなかで、なぜかもっとも多くの方が製作を楽しんでおられるベストヒット機種になっています。


「インピーダンスのやや高めの平衡型」なのでホールの3点吊衛星部に乗る事はないはずですがケーブル100m未満の現場では好まれているようです。

(それ以上の距離ならLZⅡ で300m、500mまでカバーします)


今回はブログ開設6年記念としてこのfetⅡ の特別モデルとして、あの

「BELDEN」ケーブル使用の「fetⅡPremiumを発表します。



BELDEN 1804を使用したfetⅡ Premium


「WM-61A」・・・まだまだ「買い置き」レベルで個人で10個20個と、かなり所有されてることでしょう、まだイケますね。


BELDENの細ケーブルを試してみたく、値段を聞いてびっくり、

(BELDEN 1804A):トモカ扱い1m820円)


外径寸法は3.0φでモガミ3031の2.7φよりやや太い4芯磁気シールドタイプ。

しなやかさにはやや欠けるが俄然ガッチリタイプです。

日本製のような「緻密さ」はまったくありませんが「分極電荷雑音」も皆無。



BELDEN 1804A の印刷が見える




編組密度はモガミ3031の半分位で粗い




細ケーブルなのに、なんと4芯磁気シールドです



(ただし使用するのはこの通りです)

・カプセルのソースフォロワ出力

・ECM電源(+)

・GND(-)


※このような不平衡ラインですので同一色を短絡使用しても磁気シールド作用はありません。



本機基板、ケーブル引出し部




【回路図】



標準型とはケーブルが異なるのみです。



【音質】

これが一番問題です。

普通モデルのfetⅡ との音質相違

不平衡部分に使用したからなのか私にはまったく判別できません。

モガミ3031と比較してBELDENであることに価値を見出すことのできる方には良いと思います。

利点をあえて言えば「巻きやすい」「ガッチリ感」がある。

欠点はしなやかさにやや欠けることです。


                                以上





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1519 :リボンマイクの自作に挑戦(前篇)

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  エッ、Shinさんがリボンマイクとは意外な・・・

リボンマイクはマイクロホンの中で最もシンプルな構造をした見た通りの動作をします。



(Shinさんリボンマイク第1号)


YUTUBEで試聴できます。

https://www.youtube.com/watch?v=msQVsJ9AjOA



リボンマイクは向い合せた磁極の間を飛ぶ磁束を切るように導体を動かすとフレミングの右手の法則の通り電流が流れる小さな発電機。

マイクロホンに似合わずこの部分を「モーター」と呼びます。


切る磁束の多いほど、運動量の多いほど、導体質量の小さいほど・・・・効率の良い発電機(マイクロホン)になる実に単純明快なトランスデューサです。


磁石材料も現在最強の磁石、「ネオジウム・磁石」の登場で「ヨーク」無しで磁極間十分な磁束を飛ばすことが出来るようになり、かつて磁気回路の塊のような大きく重いリボンマイクが劇的に軽く、シンプルなモーター部(磁気回路・振動リボンによる発電部)が成り立ちました。


この「モーター」部(リボンマイクユニット)をいかにまとめ上げるかを材料(ネオジウム棒磁石、銀箔など)を前に考え込んでいた矢先、アマチュア無線分野の賢人たちが僅かながら「材料キット」として領布されてることが判明。

しかしアマチュア無線関係者のみ、数量も少ないため


ex.JA1SLXとして事情をお話しして入手したものが下写真の一式です。

≪厳選された材料キット≫

(マニュアル一式をおさめたCD-ROMにはノウハウが満載、エンジニアリング・プラスチック(POM=ジュラコン)を特別加工されたモーター枠とRCAのコピーとされるEDCOR社のトランスだけでもかなり高価です。


完成した「モーター」部

リボンモーターアッセンブリー(上)と リボンマイクトランス(EDCOR社のRMX-1)・・・RCA採用品を模して設計された高品質のトランス。

 EDCORのトランスは世界中に愛好者がいます。


 世界一強力なネオジウム磁石を使うもリボン両端に発生する電圧は「nV」(ナノボルト)、したがってトランスは1:37という高巻き数比のものになっています。


上記のリボンはキットに採用されている4ミクロン厚の銀箔にひだ加工したものです。


やはり高域不足、感度不足は否めず、何とかしようと極薄アルミ箔探しを行いました、しかし調べるほどに国内調達は不可能と判断。

そんなときこのユニットを開発された方に相談したところ快く1.8ミクロンのアルミ箔を譲ってくださった。これこそRCAの時代からのリボン厚です。

(私のわがままにご対応くださったHさん、重ねてお礼申し上げます)



USA製の「MADE IN JAPAN」、きっと京都か金沢で金箔製造工程で製造されたものに違いない、だろうと思っています。

厚さはリボンマイク一般に用いられる1.8ミクロン


双葉 ミクロン:1ミクロン(1μ)は1000分の1mm。

キッチン用アルミホイルは10~11μ(100分の1mm位)です、これでもマイクにはぶ厚い!。


ここまで質量が小さいと触っても手に残る感触はない、それでも何でも工作するんです。


双葉リボンは銀とアルミとでは単純に5~6dBアルミのほうが感度が高い。

(単位質量あたりの導電率がもっとも高い為、たとえば超高電圧送電線もアルミ製の導体を採用しているほどです)


発電効率のUPと音質改善を果たす「コルゲーション」加工をおこないます。



これはリボンの長さ方向に直角なほど、またヒダ(コルゲーション)は深いほど発電効率は高い(感度が高い)


かくしてここまで来た。

ヒダ(コルゲーション)加工した1.8ミクロン(556分の1ミリ)厚、長さ40mm、幅6mmという微妙なこのアルミ箔に適度なテンションを加えながら適正位置で折り曲げて半固定。

張りのゆるい場合高域がなまり、適度に張るとフラットに。しかし僅かなテンション過多でリボンはあっけなくちぎれます。




モーター部組みあがり、次にリボン・テンションとギャップ調整をおこないます。


磁極とリボンとのギャップは0.1mmになるよう4箇所のネジで調整。

 対向する磁極がS-Nの関係であるため強烈に引き合います。

したがってリボンと磁極の平行度さえ正確ならヘッドホンでモニターしながら進めれば0.1mmのギャップ調整は簡単に済みます。


ネオジウム磁石のその力たるや平行に張りついた場合、そのままでは手で剥がすことは不可能なほど強力、それが3,000ガウスのマグネットの実力。


かくして完成 させました。



スタンド・シャフトは切れギレに見えるかな、

スマホホルダーが良く見えています。


「音」

 私の場合、リファレンスマイクとして「東芝Bベロ」を使用し、音質はこれに合わせて必要な構造物もこれにならった。


 また、高域にエネルギーのない好ましくない音の「安価リボンマイク」も参考にした。


 結果Bベロで採用されている4つの高域制御板を設けたことでワイドレンジ化し、Bベロに非常に似通った音色と遠近感を引きだしてくれました。

 安価なリボンマイクにある「ドロン」としたコモリはまったく感じません。


☆いずれもリボンのコンデションは確認済みです。




【今回の影の功労者】


・スマホ自撮り用ホルダー(左)  

・Roland OP-MAS1 :機器側カメラネジ、スタンド側W3/8メス

(カメラ用自由雲台のため首は360度回り、角度自在)




今回の経験をもとにぜひこの路線を発展させたいと思います。

①ヨーク構造など磁気回路の再考

②リボン長、コルゲーション構造の見直し

③アクティブ・リボンマイク

④軸方向単一指向性マイク

⑤他形式マイクロホンと複合させた可変指向性マイク



           後編に続く




(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)  Shin

(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です) 



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1520 :マイク性能瞬間判断は「マイボイスのリアルタイムモニター」で

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「自分のVoiceに勝る音源ナシ」 とまず申し上げておきます。


これはShinがマイク作りの中で
経験した結論ですが、異論のあることは承知しています。


このテストに用いる音声は「I 'ts fine today Test」だけです。


(腹式呼吸+胸骨共鳴+歯の裏に息をあてる)という「ボイス・トレーニング」で用いられる発声を行います。


人間の声は男性数10HZ~10KHZ以上、女性ではそのオクターブ上」となります。この辺は教科書に書かれているよりはるかに広範なスペクトルを持つすぐれた音源であることを再認識する必要があります。


双葉良く見られるのは、「新しいマイクを手にした、次の使用チャンスで試してみよう」 というぶっつけ本番型、バクチじゃあるまいし、マイクロホンは入手したその瞬間に「海のものやら、山のものやら」検討をつけ、「Voice リアルタイムモニター」で完全把握すべし。


マイクマイクロホンの性能は音楽(楽音)で判断するまでもなく・クセも特徴も「自分の発するVOICE(男性)」のリアルタイムモニターだけでほぼ全容が判断できます。



(試験発声)

「ヘイ ・ヘイ  ハ ・ ヒ ・ フ」 「ウワン 」 「チッチッ・チェーック」などこれ見よがしのうっとうしいマイクテストは一切行いません。



(近接)

ナメるような近接から50cm程度まであります。

(接話型)Vocal、Speech用途

SM58のような単一指向性の近接効果で音作りされた「接話マイク」こそ特殊なマイクだと思った方が良いがそれはソレ、「接話マイク」はPA音の返りでこそ唯一判断すべきマイクロホン、決してヘッドホンでは判断できません。


 たっぷりとしたエネルギーを感ずる「母音」の感じとプレゼンスピークを伴った「子音」の美しさが決め手、100HZからプレゼンスピークの間に不自然なピーク、ディップのないこと。


この中で300HZ、500HZあたりからロールオフされているようなマイクはヘッドセットマイクか「ローカットスピーチ」にしか使い道はないでしょう。

  これはヘッドホンモニターでVOICEテストしても安っぽい音しかしないのが特徴です。



(楽器用クリップオンマイク)

フラット、+プレゼンスピークのはっきりしたマイク、 ヘッドホンモニターでは低域から高域までしっかり伸びているのが特徴。

マイクをさわった時の「ガサゴソ」音の固有鳴きはそのままマイク音の色づけとして現れます。

これらの異音の少ないものが自然な演奏音を聴かせます。


(スモールダイアフラム無指向性マイク)

姿カタチからは想像もできない良質かつワイドレンジなものが多いが、中にはSN比の低いもの、思ったほどの周波数レンジを持たないもの、高音圧でひずみ易いものがある。


無指向性マイクには「近接効果」はないがそれなりに距離/周波数レスポンスの変化はある、近距離(50cm)で低域減衰のないマイクは良質。

この位置でのテスト発声はマイク音の魅力も欠点も見えてくる。




≪生活騒音・暗騒音は大いに利用すべし≫

ボイステストを行うまでもなくこれだけでもマイク特性の50%は判断できるほどです。


※「あらゆるVoiceの中で自分の声はもっとも向かない」というご意見もありますが、それは「録音」⇒「プレイバック」の過程で云えても、「リアルタイム・モニターには当てはまりません。


ご自分の声を信じて録音・PA含めて「このマイク、何者?」を即座に判断しましょう。


                        以上




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(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です) 



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1521 :ファンタム式「アクティブ・ケーブル」 AC-fetⅡ

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ファンタム式アクティブ・ケーブル 

AC-fetⅡ


ケーブルに挿入するATTマイナス・・・dBならいくらでもある。しかしその逆プラス・・・dBはまず見かけない。

ならば作ればいいよね。


自作リボンマイクで感度の低さに悩んでいるなかで「そうだ!アレがあるじゃないか」と思い出したのがこの路線。

「ファンタム式アクティブケーブル」AC-fetⅡGain:12dB )

マイクロホンレベル専用です。


赤のカラー・リング程度では分かりにくい50cmの単なる「短いケーブル」。

よほどはっきり表示しないといかんね、これは。


というわけでケーブル間にはさむだけで信号が12dB UPする魔法のマイクケーブルとして5年ぶりに改良、再登場です。ランプ4


記憶 5年前、「インラインAMP」として木の実大のものを発表したことがあるが細ケーブルの使用やシールド構造の特殊性から、また長距離伝送に向かないなどのデメリットがありました。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10459121634.html  :第1号

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10536946908.htmlファンタムスルー版


双葉今回は手間を省き作りやすさと使いやすさを両立させる為、短ケーブル形状にしました。

機能:12dB固定利得、あとは何もない。

ファンタム動作FET平衡AMP入り。


≪この形状だからイイ≫ マイク本体には一切手を加えない。

 一部のリボンマイクやダイナミックマイクなど「アクティブ形式」を売り物にした製品が散見されるがオリジナル、元々のまま使いたいことも多い。

 音響デザインのありかたからもそんな自由度がうれしい。


このとき、アクティブ・ケーブルならマイク~ケーブル間にはさむだけで「アクティブ 57」「アクティブ・リボン」に変身、邪魔にもならない。


アイデア次第でさらに使い道は広がるでしょう。


今後:コンデンサマイク用としてファンタムスルー回路」を5年前のアイデアをもとにバージョンアップさせてまた発表したい。




《2つの出力インピーダンスで》

1.出力インピーダンス約3kΩ平衡、ケーブル長100m以下(AC-fetⅡ)


2.出力インピーダンス100Ω以下平衡、ケーブル長200~500mまで(計画中)


このアクティブ・ケーブルは信号源に近いところに挿入するのがコツです。


(AC-fetⅡ諸元)

内容     : ファンタム電源式中継マイクプリAMP

大きさ    : 0.5mXLRケーブル (ノイトリックコネクタ、オス・メス付

重量     : 85g(ケーブル・コネクタ含む)

GAIN      : 12dB

f特       : 10~20KHZ(+-3dB)

ひずみ特性 : SM-58使用時130dB/Aにて (0.4%THD)

ケーブル   : カナレL4E6S 0.5m

消費電流  : 1mA(48V時) 1mA(27V時)



(回路図)

内容は脅威の高S/N、「ファンタム式パナ改」マイクAMPの変形



(基板)

シンプルかつ製作も簡単


双葉ファンタム式パナ改マイクのAMP部をちょっとひねったものですが特徴は次の点です。

①ECM駆動回路がないが、マイクAMPとして優れたダイナミックレンジと高い直線性を示す。

②高SN比である。

②完全平衡入力、完全平衡出力。

12dBのゲインは決して大きいとは言えないが実績と定評のあるファンタム式マイクAMP。

元の音質そのままに高S/Nで出力を得られるのは実にありがたい。


双葉数年前まで類似コンセプトでRODEより「D-Power」という製品が国内販売されていましたが現在、国内ルートはない模様。


(6年前の「D-Power」現物)


こうしてチョコと並べるとまるで駅売りの菓子ですね、のど飴か眠気防止ガム。

これはダイナミックマイクのXLRコネクタ部をこの「D-Power」と換装してゲインを稼ぐというコンセプトで当時6~7千円でした。


ところがです、クダンの自作リボンマイクに接続してみたが、あまりにもSN比が低く、その点でリボンマイクにはまったく使えない事がわかった。

現在でも海外から購入することは可能ですが、このようなモノですので使い道は限られると思います。


双葉AC-fetⅡまずは自作リボンマイクに使って効果を上げたい。


              以上






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1522 :後編「自作リボンマイク」と「ファンタムパナ改」の合体で単一指向性

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(前編から続く)

リボンマイク(両指向性)と「ファンタムパナ改マイク」(無指向性)、夢のコンビネーション。

朝顔 両指向性+無指向性=単一指向性


前回は自作リボンマイクについて東芝Bベロを手本に手さぐりながら高品位リボンマイクの足元にたどりつきました。


なにげない会話など、あまりのリアルさに「ゾクッ」とするほどだ。

チェロのディテール・表現力も絶品、おそらくクラリネットなどもしっかり歌わせるリボン・マイクロホンに仕上がった。


新しい流れのリボンマイクは

1983年、日本とアメリカでほぼ同時に発明された超強力小型磁石「ネオジウム磁石」 の登場がリボンマイク・ブームの陰の功労者であろう。

http://www.neomag.jp/magnet_history/history_top.html


ヨークのない磁気回路は従来と変わらない磁束密度が確保できるため大幅に軽量化・単純化され、マイクの超軽量化、スリム化も実現させ、デザインの自由度の確保によってレガシーなリボンマイクは大きく変わりました。


更にShinは単一指向性化をめざした。

その方式は「無指向性コンデンサマイクとの合体です。

これは75年前、Westurn Electricの639A(B)がRCAのパテントを回避する秘策であった。


今回はこれによって現代的なワイドな音色と併せて感度の上昇も同時に狙った。


(回路図)


(指向性)

VRはDCをカットしないとすぐガリになるが今回は実験につきお許しを。


 無指向側(ファンタムパナ改マイク)の感度を上げていくと裏側からの感度が「スッツ」と落ちる点がある。

 この点が正面感度も高く良いのですが、よりリボンマイクの音にこだわりたい場合はこのVRを適度に絞ってやると感度は落ちるが「ワイドカーディオイド」型として独特の雰囲気を捉えてくれます。



(マイク内部)


モーター部頂上にWM-61A(改)

=無指向性カプセルが乗っている。


(アクティブ・リボンマイク?)
いいえ、パッシブリボンです、リボンマイクはリボンマイクとして、「ファンタムパナ改マイク」は無指向性コンデンサマイクとして動作します。


おもしろいのはケーブルにカナレのL-4E6Sを「4芯ケーブル」としてリボン側、WM-61A(改)側とを分離してXLRコネクタ部の基板まで引出します。

で・・・ファンタム電源をOFFにすると純然たるリボンマイクに戻る、という世にもまれなマイクとなりました。




【リボンマイク部の難所】


(リボン成形の秘技)

1.8ミクロン厚=0.0018mmのアルミ箔リボンにコルゲーション加工。

(ダボを転がしてヒダを形成する)


ヒダは元に戻ろうとするため安定するのに丸一日程度かかる。

それにしても1.8ミクロン厚の箔は手ざわり感覚がほとんどない、この経験は貴重。



※心と体調が安定した時しかこの作業はムリです。

   リボン材の切り出し

(プラスチックの定規など箔が貼りついて取れなくなってしまうので脱脂処理した金属スケール使用)


切断も「フェザーカミソリの刃」を低角度にあて、静かに手前に引く。

(普通のカッターでは材料側までゴチャゴチャにちぎれ、まったく刃が立たない)




   張っては直し、また張る

エアコンの気流だけでも「フワフワ」と舞うので暑い室内で、磁極と水平に張るだけでもかなりの根気と慣れを要します。


磁石があまりにも強いためピンセットなど使えずひたすら「素手」と「爪楊枝」を工具にする。


気に入った音質、感度、SN比を求めて張っては直し、張り替えては、また張り直し。

20cm四方の箔材から幅6x長60mmのリボン材切り出しから始まるこの作業、おかげで既存のリボンマイクのメンテナンスも怖さは消えました。


     

                                   以上



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1523 :リボンマイクの構造は画期的に変わる

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”テクノロジーはモノのカタチも構造も変え得る”


「ネオジム・磁石」(ネオジウム磁石)は1982年、日本の佐川 眞人博士によって発明されました。


従来のマグネットのような「ヨーク」による磁気回路を設けても磁力線のあまりの強さにチャチなヨークなど磁束が突き抜けて磁路の形成に至らない。


ヨーク構造とする場合はSS400鉄などを使用して特別に設計しないかぎり効果の薄いものになるといわれています。



写真1.(砂鉄による磁界の可視化実験)


中心のネオジム磁石は長さ2cm、幅4mm、厚さ2mm、の3,600ガウス、

右側:(N)、左側:(S)極


「台風の目」から発した磁力線によって大きな磁界を形成していることが見える。(使い捨てカイロの砂鉄使用)

計算上は1gのネオジム磁石は1Kgの鉄を持ち上げる、といわれる。


このためヨークなしで十分な磁束密度をもつネオジム磁石は単磁石のまま使うのが普通になった。




リボンマイク といえばS極とN極の間で磁束の集中する部分に金属リボンを張ったものが従来からの形状である。

名機は多いがとにかく重く大きい。


【軽薄短小リボンマイクについて】

100円ショップの4個100円のネオジ(2,400ガウス)でさえRCA77D並みの磁力を持たせるのは容易です。


軽薄短小という世の流れにリボンマイクのニューウェイブとして、現在のネオジ・マグネットにより次元の異なるデザインのリボンマイクが実現できるはずです。(下図にもとづく実験は成功しています)



従来ならアルニコ磁石とヨーク構造で対極するN-S間にできるだけ多くの磁束を飛ばし、その磁束をリボンの動きが切る構造だったため大きく重かった。


それがリボンマイクのステイタスだったりしたが・・・・・・




今後、驚くほど細く、小型で軽いリボンマイクが登場することでしょう。



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