製作難易度 ★★★★★+α (ただ作ってもダメ、しっかり覚悟して臨んでください)
フロント・メッシュの絞り加工とボディの黒色焼付け塗装は完成した。
次は中身だ。
このfet-u1 (単一指向性)は「短小クン」 の愛称を持つ可愛いやつだ、たった5cmのチビでC-451コンパチ・チューニングってのがイイネ、ホルダも共通だ。
現実にこれが実現できるのもMADE IN東北の世界的に優秀なカプセルを提供しているフォーリーフ社 あっての事です、同社には深く感謝致します。
◎単一指向性マイク自作には肝心カナメの「勘所」(かんどころ)がある。
構造・調整次第でお宝にもゴミにもなる、無指向性のような誰にでもできる寛容さは一切ない。
「ハイッ出来た!」ではマトモな音にならない事はいうまでもない。
楽器作りのような作りこみ。幸いお手本(C451)がある場合はジックリ時間をかけて音決めを進めてほしい、オンの音・オフの音、繰り返し音源を変えて。
背面方向もヌカリなく抑圧比を耳で、プレゼンスピークも同一に。
最近聞かれない「カット・アンド・トライ」の繰り返しで必ずこの名機は完成する。
・速度成分取り込み孔設計はこのShinさんの例をそっくり使うのが吉。
・中に入れる毛糸クズ(ウールに限る)=吸音材の入れ方・量でも音質は大きく変わる。
・カプセル位置の前後移動でプレゼンスピークが変わる。
【fet-u1 (2010年9月4日発表)
の今】
前回・前々回のグレードアップポイントを加え・・・・というか、fet-u1 のリメークが目的でフロント部の改善と黒色焼付け塗装の改善に挑んだわけだ。
したがって、今回をもって「完結編」としたいが・・・
LZ化 させている中、あえてN-ch FETで望んだのは、過去の人気マイクを改良してみたかったのです。
マイクが出来上がった時点ではやはり別モノでもどんどん追い込んでいけば音質の区別がつかないところまでたどり着く。
(このあたりは定番となっている「各種マイクロホンのチューニング改造」のノウハウ経験が実に役立つ)
・筒の中にカプセルを引っ込ますと高域強調、筒先位置またはそれ以上で緩和される。
・カプセル背面の管構造をレゾネータとして使う場合、全くキャンセルする場合とがあり、本機の場合は可能なかぎりキャンセルした。
・速度成分取り込み孔は音創りの上でも重要、穴の面積は広めにした。
(φ3.0×8個)
この開口面積は広くするとバックキャビティの効果が薄くなり、狭くするとバックキャビティの効果が支配的になる、すなわちこの形状による音質変化を前提とし、つまりサジ加減(チューニング)が決定的。
読者の作品の中にはこの穴を設けていないものが見受けられます。
その場合は「チューニングされていない無指向性マイク」となってしまい、音は φ6の定番カプセルとは比較にならないほど聴き劣りするクセの強いものになる。
★カプリングコンデンサは「0.02μF」です、0.22μFでは極端に吹かれに弱くなり、「音切れ」さえ起こります。
前作との違いは出力部の小容量コンデンサを取り去っただけで他に変化はない。
(2年半の間に進化したポイント)
・黒色焼付け塗装の完成を見た。
・銅メッシュ採用により旧モデルフロントのパンチングメタルにアルミ半田を行った不安定さも、速度穴からサイドスクリーン部のストッキング糸ハミ出もない。
・初期モデルと比較し、タッチノイズを「激減」させた。
・コネクタ・ロック爪受け側部の改善であらゆるメーカー、あらゆる種類のXLRコネクタと勘合OKになった(カチンと決まる小気味よさは快感でもある)
(更に進化させたい点)
・LZタイプにしてまず長距離対応にする
・プレゼンスピーク切替機構を装備したい(カプセルを2mm前後させる)
・PAD及びLo Cut-SWを付けたい
・先端のカプセル交換機構を装備したい
・先端メッシュは銅・真鍮ではなくシルバー系の金属を採用したい
・「赤」を手始めにカラーバージョンはどうか、ピンクや紫もアリ
・フラットで録音用途として優秀なUEB-5261 にプレゼンスピークを与えればPA用途の兄弟機になる、「プレゼンスピーク切替機構」を設ければ従来にない魅力的なマイク「短小クン・弟」になるだろう。(命名はちゃんとします Shin)
・さらに銅管1本(25mm)追加して全長75mmにすればいろいろできるがこのパイプに代わる適正サイズの胴・真鍮パイプを探す。
・その他「無限」なり
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