(本記事内容の商業的・知財的窃用は堅くお断りします 2017年10月13日)
前記事1021、1022において圧倒的な効果をご案内したネオジ磁石によりNutubeのマイクロフォニックノイズが消える理由をさらに考察しました。
なぜネオジ磁石であのマイクロフォニックノイズが消えるんだ?
フィラメントと同一素材である「タングステン」線を入手して調査開始した。
読者の皆様からのご意見をいただく中で、このプロセスはいろいろ推測できることがわかりました。
[1] 仮定プロセス1.[常磁性体の吸引説] (タングステン・・・パウリ常磁性体)
[2] 仮定プロセス2.[通電フィラメントからの磁束キャンセル説]
[3] 仮定プロセス3.[うず電流によるフィラメントの振動抑制説]
[4] 仮定プロセス4.[上記プロセスの複合による]
【検証】
仮説プロセス1.
ネオジを手に持ち「常磁性体」を挟んでネオジ磁石N/S極を近接させると吸引力(反発力)が磁石を持つ手に返ってくる。
またこのとき、地磁気(北・南)に対する大きな制動力も同時に手に感ずる。
あきらかな「クリック感的な力の段差」を感ずるが。
タングステン線の吸引力を計ってみたが
手にははっきり感ずる力だが0.01gの分解能をもつ+ーの力を測定可能な電子はかりでも測定不能、もっともタングステン線はほぼ見えないほど細く軽いから当然かもしれないが・・・
仮説プロセス2.
フィラメントにに通電させるとフレミングの左手の法則によりフィラメントから弱い磁束が発生する。
これに対抗してネオジ磁石のN極を近づけたのが図1です。
フィラメントからの磁束に比べ強大な磁束でこれをキャンセル方向に作用するためフィラメントの「運動方向」の力はネオジ磁石により強力に抑制され、フィラメントの振動は停止方向に作用する。
(これはネオジ磁石の磁極がN-S反対であっても、それはあまりにも強い為支配的となり、結果は変わらない。
👉 ただし「キーン」という鳴きはフィラメント電流の有り無しにかかわらず発生し、磁石の密着接近で消える、したがってこの仮定プロセスのみでは説明がつかない。
仮説プロセス3.
強力ネオジウム磁石を近づけることによってフィラメントに発生する渦電流により振動するフィラメント導体をダンプ・制動して「キーン」音を止める。
①ネオジ磁石を近づけて動かすと下の1円玉は反発方向に移動する。
②タングステン細線は磁石の左右の移動に対しモヤモヤとごくわずかに微動するのが確認できた。
つまり強力磁気による渦電流が発生している事が判明した。
👉 ただし、面積を持たないタングステン線のその力はあまりのも小さいということが測定でもわかる。
仮説プロセス4.
上記仮説すべてに一理あるが、「コレだ!」というものがない。
したがってこれら全部の複合、というのがいまのところ筆者の考えである。
あとがき
昨年9月、Nutubeの一般発売前、この「ネオジ磁石によるマイクロフォニック・ノイズの抑制法」を発見したが、ある理由によりネット公開できない状況にあった。
今年9月、それが解禁され皆さまにお伝えしています。
今回の記事のように、いまのところ確定的なそのプロセスは自分の力では判明できません。
いずれにしても「ネオジウム磁石」によるNutube の「キーン」音退治法の発見は事実としてこれに至ったことは間違いない。
またこの対策の副次的に「熱電子の収束」という事実に遭遇し、奇しくも「ひずみ率の低減」を同時に生み出す結果となった。
引き続き読者の皆様の力でこのプロセスの解明だけでなく、まれにみる発想と次元を超えた優れた特質を持つ真空管デバイスを育て、本当の意味でNutubeの実用化を果たそうではありませんか、それは21世紀に生きる私たちの責任であります。
最後になりますが、株式会社コルグ様には有形・無形のご協力をいただき深く感謝申し上げます。
以上
(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 、fet Vなど、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや希少となったパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
モノ作り日本もっと元気出せ!
【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。
★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。
ShinさんのPA工作室 管理人
ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします
メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp