完成度99% の製品は「未完成」以外の何ものでもない。
残りの1%を成し遂げるには、そこまで費やした数倍のエネルギーを要することを経験していますが・・・
あの「キーン」というマイクロフォニックノイズ、「直熱管」だからあたりまえですか?
一度耳につくと延々とまとわりついている、それが「止まる」ということになったらどうでしょうか。
したがってここではフェルトやスポンジ、ゴムで浮かせたり、フタをすることはありません、それは本質部分を解決したあとで十分だからです。
発生プロセスを絶つ!
マイクロフォニックノイズの本質はまったく別なところにあります。
こういう物理現象は「消臭剤」的対症療法ではなく、まっすぐ原理原則で考えるのが筋道だとShinは考えます。
問題は「いかに発生プロセスを絶つか」、ここに集中しました。
どんなに常識外であろうと型破りであろうと、そんなことは構わない。
以下のレポートは1年前(2016年9月~10月)に実験したものですがある理由により1年間公表をひかえていたものです。
このたびそれが解禁されたため、いちはやく要点部分を公表します。
おやっ? このNutube、光りかたが変ですね。
そうです、これが今回のマイクロフォニックノイズ対策をおこなったアノードの光り方です。
(マイクロフォニック・ノイズ対策実験)
《目的》 マイクロフォニックノイズの抑制、減衰・消滅時間の短縮
(結果)
Nutubeの外部から磁気的な手段により回路に触れることなく上記目的を大きく改善した。
(概要)
現状:5.3kHZ付近にみられるマイクロフォニックノイズは1分近く余韻を伴って顕在化している。
本対策実験ではこれが2.5~10秒に縮まることを確認した。
また対策の余録としてひずみ率の低減まで得ている。
さらに「余韻の低減」にとどまらず最初の「打撃ノイズの打ち」消しまで進行中です。
(実験)
条件1:現状(未対策) マイクロフォニックノイズの60dB減衰時間は57秒であった。
条件2:大型ネオジウム角型磁石(50×10×5 = 3,030Gs)を使用し磁石金属メッキを基板マイナス電極に接地した。
条件3 : DAISO小粒ネオジウム丸磁石(6φ、3mm厚 2,800Gs)を50X9X6の鉄材(GP)に18mm間隔で張付け,GPを基板マイナス電極に接地した
※条件2のとき、マイクロフォニックノイズの60dB減衰時間は2.5秒 条件3のとき10秒であった。
※磁石位置決めは表示が細い「日」の形となり、かつTHDの最も低下する点が最適場所であった。
ネオジウム磁石を用いたマイクロフォニック・ノイズ対策の写真
ネオジウム磁石(50×10×5、 3,030Gs)をNutubeの真裏から場所を選んで当てます。
キーン・ノイズの短く、表示が細い1本線になる位置を見つけてください。
ネオジウム磁石は金属メッキされていますので、この位置では「ハイインピーダンス素子」になるため必ず接地してください。
★注意
ネオジウム磁石は超強力なため、想像以上に周囲、鉄製のあらゆるものに勢い良く吸い付きます、これによる事故の起こらないよう、実験まわりの整理に努めてください。
また、ネオジウム磁石がノートPCなどの下にもぐりこまないよう十分ご注意ください、最悪HDDデータの消去に至ることが予想されます。
上記十分ご注意ください。
(Shinからのコメント)
マイクロフォニックに悩むすべてのNutubeファンの諸兄、今回はここまでの情報ですが一人でも多くの方がこの対策を検証してください。
この「奇跡」ともいえる真空管デバイスを生き生きと発展させる使命を私達は負っているのだと感じます。
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次回記事に続きます
(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi、fet3 、fet Vなど、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや希少となったパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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