血まなこになって探してももう手に入らないあの幻のFET、 2SK330に 突然の朗報を受けた。
このGWの真っ只中、読者のNさんからコメントの書き込みがあり、ビックリしました。
それによれば「2SK330と同サイズのFETが有力部品店にある」という情報です。
これまでファンタム式マイクロホンクラフトを支えてきたFETだが生産終了品ゆえ2~3年前を最後に残在庫ですら姿を消した。
私は2SK30を使った代替提案をおこなったり小型サイズ(TO-92s」で代替の効くFETのご紹介もおこなってきましたが先細りははげしく、もはやこれまで、とあきらめ始めていた矢先の出来事。
なんと現行品だ!、長崎は諫早市の半導体メーカー
「イサハヤ電子」の製品。
昨年発表された「2SK2880」がそれだ。
https://www.idc-com.co.jp/search/search/Pdf/ja/4/2SK2880
「周回遅れの孤高のランナーが先頭に 長崎のイサハヤ電子 」と新聞記事にもなっている。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD170B0_Y3A710C1000000/
三菱系の半導体を手がけてきた数年前、国内半導体メーカーが「ルネサスエレクトロニクス」に合流する中、それには加わらずアナログ半導体に特化する独自の道を選んだことが時流に乗った注目の中堅半導体メーカーです。
Nさんのコメント書き込みに返信するや、「マルツ電波」に即注文、翌日10個の2SK2880が届いた。
マルツ電波から届いた2SK2880
TO-92s型のマイクロサイズである点が大きな決め手。
耐圧表記法がやや異なりVgdo-50Vと、K330がVgds-50Vに対してほぼ同様と判断すれば問題ないだろう。
IdssランクもABCDE表示で購入したのは「D」ランク、これは2SK330の「GR」ランクに相当。
特に「低雑音」という表記もないがそれは2SK330も同じこと、これを使ったファンタム式パナ改マイクは圧倒的に高いSN比のマイクとして好評価をいただいています。
まずは使ってみよう
テーピングされて、足はややガニまたにフォーミングされている。
ピンアサインも2SK330と同一、ガニまたであろうと気にする必要ナシ
「音」・・・2SK330との違いはまったく感じられず、いつものWM-61A改「ファンタム式パナ改マイク」の音。
初めて2SK2880使用のfetⅡ用試験回路
(I0 =全電流)
2SK2880(D)使用のマイク:2.02mA
2SK330(GR)使用のマイク :2.16mA
2SK30(GR) 使用のマイク:2.35mA
いずれのFETでも音質変化は感じられません。
新しいFET、2SK2880は従来のFETと完全互換できることが確定しました。
これから「ファンタム式パナ改マイク」を自作されるかたは無条件で現行品である2SK2880を使用されることをお勧めします。
このたびの貴重な情報をくださったNさんに心よりお礼申し上げます。
Shin
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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