前編では
このマイク特有の「固体共振」(固有鳴き)からの解放に成功させました。
※1530 :激安リボン、MXL R144を高級マイクに変身させるチューニング(前編)
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12097139179.html
MXR R144は安価にもかかわらず優れたリボンマイクの音を聴かせます。
唯一、品質の不安定さだけが残りますがネオジウム・マグネット使用で感度も高く本質的に価格以上に優れたマイクロホンです。
前回は違和感を覚えたこのマイクの欠点である「固有鳴き」(固体共振)について手を加えてグレードアップさせましたが、オリジナルとの差、この時点でも雲泥。
後編では一歩進めて名機をめざしました。
https://www.youtube.com/watch?v=5AxyFdWnOIw
決定的なのはトランスでしょう、質量のきわめて小さなアルミリボンは振動版(ダイヤフラム)であり「発電電極」でもあるシンプルな構造なため、素直な特性を持ちます。
しかしリボンのインピーダンスはほぼ「短絡」に等しい0.1Ω未満、発電電圧も「ナノボルト」ですのでトランスの出番、これを1:37~40程度でステップアップする高品質のトランスはごく一部のメーカーで扱われており、国産は皆無です。
足を棒にして秋葉原や日本橋など電気街を歩き回ってもありませんのでくれぐれも無駄足は避けてください。
EDCOR : RMX1 6,500円位
(1953年当時の RCAリボンマイクトランスを解析して現代の素材で生産した逸品です)という販売店の説明があります。
LUNDHA L :6種類のリボンマイク用トランスがあります。
いずれも1万円台前半。
(LL1927A LL2911 LL2912 LL2913 LL2914 LL2915)があります。
今回はRCAの再現である「EDCOR」社のRMX1を使用することにします。
届いたEDCOR RMX1は2個づつパッキングされています。
さあつぎは本体を分解します。
下部のキャップはネジになっていますのでここから分解します。
しっかりとシールドケースの中にトランスが入っています、この作りは好感を持てます。
トランス、コネクタの配線の中継は基板上でおこなっています。
上:取り出した「990型」と書かれたトランス、下:EDCOR RMX1、大きさはほぼ同じ、ごくわずか元のトランスの方が大きい程度。
左:RMX1 右:R144搭載トランス
元通り組み立てて終了。1時間もあればこの換装は簡単にできます。
♪ さてその音やいかに
https://www.youtube.com/watch?v=5AxyFdWnOIw
1.まず信号レベルが上がった。
2.ロー側、ハイ側ともにレンジが広がった。
3.圧倒的にダイナミックレンジがデカい
4.自分のスピーチ音が怖くなるほどの情報量で迫ってくる。
5.両指向性の裏側、つまり逆相側の音色の違和感が薄れた。
ひとことで言えばオブラートに包まれ、コンプされたような音から美しい輪郭と暖かいメリハリを備えた10万円クラスのリボンの音に変わった。
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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