ファンタム式パナ改マイクに単一指向性の新顔が登場です。
ファンタム式パナ改マイク誕生からまる6年、はじめて「単一指向性型」(ワイド・カーディオイド)の完成です。
(単一指向性 fet Ⅱuw)
このマイクには無指向性のWM-61A(改)が2個使用されています。
fetⅡより2mm太い10φ、フレキシブルホルダ、AT8418に収納できます。

(単一指向性 fet Ⅱuw)
以前からfetⅡの優れた音そのままで単一指向性のモデルが切望されていた。
しかしおなじ6φでパナの単一指向性カプセルであるWM-65a103 ではとても音楽を相手にできるような音質ではなく、9.7φのWM-55a103にしても遠く及ばず当然選択肢の中にはありません。
あくまでも61Aカプセル(改)のまま、干渉管方式、二次音圧傾度方式、バッフル板方式と、実音声と取り組みながら理想の音を求めていきました。


「試行錯誤」 何が何でも良質な単一指向性を・・・
実験中気がついたのは妙に位相をいじると指向性は確かであっても肝心な音の実感が薄れるという不思議な体験をしました。
また極端な狭角度でこれまた正面から外れた音がすべて逆相っぽい妙な音になる場面もあり、無指向性カプセルを使って指向性マイクを作ることのむずかしさをたっぷり味わいました。
このため最終的に指向性のゆるい「ワイド・カーディオイド」型、人間の耳に近い指向特性のマイクロホンを二次音圧傾度型でまとめ、fetⅡの高品位な音を継承させました。
二次音圧傾度型応用ミニチュア化基本実験
タッチノイズを小さくし、楽器装着時の不要振動雑音を極限まで防ぐことを音作りの重要ポイントにしたのも特徴的なこだわりです。
前後のカプセル距離15mm=0.0044ms(4.4μS)の時間差が決め手となった。
サイドメッシュは上の写真のひとつ上のマイクアッセンブリーをそのまま使用して装着、フロントメッシュは「ステンレスメッシュ60」を最近手慣れてきた「絞り加工」で手作り感を排除しました。
ミニXLRコネクタを加工してマイクケースにした
ケーブルは「BELDEN 1804」、ちょっと贅沢ですが使用理由は4芯の細シールド・マイクケーブルであることです。
ケースフロント部はミニXLRコネクタを流用しました。。
ていねいにに3.5φの穴を4つ開けます、ここからの速度成分(遅延成分)を使って「単一指向性」を得ます。
穴数について(後日追記)
のちにこの場合の穴は2.5φ 1個でさらに良い指向性(前後比)が得られています。
穴径も3.5φ→2.5φに変更(2015.11.15)
ケース背面にできる小容量空間〔コの字空間= Vの字空間〕は「バックキャビティ」にはさせず、音響抵抗であるフェルトにより打ち消し処理を行った。
(回路図)
(サイズなど)
重量:70g(2mケーブル含) マイク部:15g
サイズ:10φX50mm
適合ホルダ:AT8418フレキシブルアームやATM15用ギター取付ステーなど10φで使えるものなら何でも。
ウインドスクリーン:10φ用なら何でも合います。
※fetⅡuwは今後さらに改良が加えられることでしょう。
以上
(お知らせ)
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(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonicWM-61A使用です)
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