昨年10月、3日間公開後筆者の都合により「非公開」にした記事(1432)を皆様の強いご要望により再公開することに致しました。ポイントは単一指向性+無指向性デュアル構造の恩恵についてです。
2015年3月ある音響セミナーで「マリンバ」演奏を内外高級マイク+この手作りマイク、全11本でマイク音比較録音テスト実施。結果、このマイクはトップクラスにランクされています。
(①Shin-Mic ②SHURE KSM141 ③SHURE BETA98 ④AKG C414B ⑤ AKG C451EB ⑥DPA 3506A ⑦DPA 3511A ⑧AudioTechnica AT4080 ⑨AudioTechnica AT4081 ⑩ Schoeps CMC64 ⑪Bayerc M160)
(ご注意)
このアイデアについて個人的な実験・試作以外第三者に対する販売等営利目的とする一切の窃用を固くお断りいたします。
★なお先行事例がある場合はご連絡くださるようお願い致します。 2014.10.23 Shin
マイクロホンは決して成熟分野だとは思いません。
「単一指向性」マイク に「無指向性」カプセル」 を追加したデュアルカプセル複合マイクロホンは次元の異なる可能性を発見できるでしょう、今回はそれをカタチにしました。
この新アイデアを過去の私のマイクに施してその効果を確認することにしました。
この録音、音響的には最悪である典型的な古い「体育館」が会場です。
! 茶濾し(ティー・ストレーナ)をハウジングにした以前のマイクが感動的によみがえった。
http://youtu.be/w9wIidqUS-Q (限定公開です)
(何の加工もしていない、このマイクによる録りっぱなしの音源です)
今回いけにえにしたのは4年前のこのマイク
「http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10993250923.html
「UEM-16」はこの「SU-16」とそっくり、私には音もまったく同じに感じますので、古くなっているSU-16を外し、新しいUEM-16に乗せ換えました。
よって再マウントによる改造を主に行い、デュアルカプセル化を図りました。
結果はGoodです。
当初の構造(スポンジで防振)
(タッチノイズの激減)
この構造の場合バラック試作で感じた「タッチノイズの激減」はみられず、むしろ騒々し過ぎる程です。
こんなはずではない・・・・とリード線を変えたりクッション材を変えてもほとんど効果は見られない。
これでどーだ と壊し去るべく防振材らしきものを全部取り払った。
ジカ付けならどうなのよ・・・・と
単一指向性カプセルはゴム系ボンドのみで荒っぽくケースに貼り付けた。
無指向性カプセルは小判ザメのようにボンドの粘着力だけで単一カプセルに貼りつけた。
カプセル位置がセンターからかなり下にズレてしまったが、そんなことは二の次、これでどうだ。
なんと!なんと、これは驚いた。
タッチノイズの大小は言葉で表現しにくいですが、「手持ちダイナミックマイク並み」だといえばほぼ想像がつくと思います。
もちろん単一指向性のUEM-16だけではこんなことはあり得ない。
タッチノイズに関してはこれで100点満点なので次に進みます。
この16φカプセル(UEM-16)は大口径的特性を示す優秀なカプセルですが、この音をさらに磨いたのは「ファンタム式パナ改マイク=WM-61Aソースフォロワ」です。
結果、国内外マイクロホンの「最上位」といって差し支えない音質、そんな魅力的なクラフト・マイクロホンになりました、これはどなたでも実際に経験できますので、けっしてShinはオーバーな表現はしていないつもりです。
(特徴)
1.タッチノイズがあきれる程減少する。
2.音質にマイルドさが加わり一層ワイドレンジになり、あきらかに上質なマイクロホンに変身しました。
3.吹かれに強くなりました。
4.無指向性マイクを加えた場合、指向性は「ワイド・カーディオイド」になります。
(音質傾向)
BTS直系的な良さに潤いと現代的なガッツ加えたこのマイクの音質は万能マイク的素直さを基本にオン・オフともに高いパフォーマンスを示します。
ナレーション録音を試した。口元から30cm位置で淡々と読む。
次に5cm位、息のかからないように。
これがどちらもイイ、近接表現力も魅力的なマイクだ。
<ナレーション原稿例>
遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。
(中略)
光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム
(後略)
(ビッグバンドJAZZ収音)
所属のビッグバンドに持ち込んでダンパ(ダンスパーティ)演奏を録音した。
・録音中のモニター音をヘッドホン(CD-900-ST)でバンドマスターに聞かせた。
「これ、スゴイねー!」と感嘆。
YOUTUBE試聴 :http://youtu.be/w9wIidqUS-Q
Shinさん、次はこのマイクでクラシックの録音チャンスを楽しみにしています。
(このマイクの中身)
内部の2つのカプセル(単一:UEM-16 と 無指向:WM61A(改)
・UEM-16の防振クッションは外しました。
UEM-16カプセルとECM専用(高抵抗入り)FET:2SK1109
(UEM-16はFETを内蔵しないタイプなので「直流バイアス・コンデンサ型」の取り扱いとほぼ同じなのが特徴です。
専用FETが使えない場合は汎用FETと100MΩ以上の高抵抗の使用となります。
(余禄)
★このシミュレーションはミキサーに接続された2本のマイクロホンによっても確認できます。
★このUEM-16のほか2つの異なる単一指向カプセルでもタッチノイズの激減と音質の向上が確認できています。
以上
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) Shin
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
モノ作り日本もっと元気出せ!
【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
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