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1725 :「ファンタム式クリスタルマイク」の提案

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時代を超越して本物のクリスタルマイクが国内生産されていた、そして入手が可能となったいま、クリアしておかなければならない事があります。

クリスタルマイクエレメント入手についてはこちらの記事(1728)を参照ください。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12320927405.html

 

その使い方、最大課題は「ハイインピーダンス受け」です。

あらゆるマイクで「ローインピーダンス受け」が常識となったいま、「受けインピーダンス」によってまるでイコライザーのように音質変化の激変するこの「クリスタルマイク」「セラミックマイク」は他形式のマイクロホンに比べまったく勝手が違います。

 

若葉この課題を真正面から受けて熟考した結果マイクアンプ(HA)、入力条件によって音質のブレない新しい時代のクリスタルマイクとして提案します。

 それは「クリスタルマイク」とは思えない高品位なマイクロホンシステムとなり得ます。

 

若葉2 「ファンタム式クリスタルマイク」の提案

おかげさまですっかり評価の定着したfetⅡ など「ファンタム式パナ改マイク」、その直系の「ファンタム式クリスタルマイク」もやはりイイ。

 あれほど入力条件で音が激変して使いづらかったクリスタルマイクが他のダイナミックマイク、コンデンサマイク同様に扱える。

年代も周回遅れとなるとかえって新しい、そんな発想のマイクロホンとしてこの方式を提案します。

 

この方式(クリスタルマイク)はけっして過去の遺物では有りません。

さらに発展できる要素を持ち素晴らしいパフォーマンスを持つマイクシステムとして再考の価値あるマイク形式であると思います。

 

形状はいかにも古典的な「マイクロフォン」になりました。

材料は水まわりのモノを組み合わせました。

マイクに見えますか?やっぱり排水口ですか?

 

 

回路図 ファンタム式クリスタルマイク

使用マイクエレメント:C-253 クリスタル型

 

 

まるでコンデンサマイクのようですが、入力側の条件によって普通ではまともな音の出せない「クリスタルマイク」を安定した良音質のマイクとさせるにはこれが一番だろう、と立案・実験したのが

Shinさんの「ファンタム式クリスタルマイク 」です。

 

ここまでくると欲が出るものです。

HOHNERの名機に負けられない一方、アマチュア無線用のシルバーイーグルを生み出したASTATICも意識せざるを得ません。

今回の作例は、真ん中のC-253を使いました(30~15,000HZ)。

大型(35φ)のC-35もズ太い音のするマイクです(50~8,000HZ)、無線、ブルースハープともにナローレンジのC-35は使いやすいかもしれません。

 

 

材料

水回り材料はなにかとマイク作りには役立つ

 

フロント:三栄水栓 兼用目皿 H410B-50   @779円
リアカップ:OHMIYA S913 ワン座 サイズ40H @760円

 

クリスタルエレメントはゴムブッシングの中へ。

エレメント背面鳴き防止のため「エーモン」音楽計画 ボディ・デッドニング材を貼付け。

カップ内はレゾネータとなるためこの状態+フェルトを追加。

 

若葉 次の課題 (音作り)

若葉2 本来「無指向性マイクはマイクユニット(エレメント)前からのの音も後ろからの音も均一に取り込める」という意味をもって教科書には書かれている。

 

 しかし実際はまったく異なる。

クリスタルマイクエレメントは正面音圧に感度を示す構造である。

しかし薄いアルミケースに覆われたその実体は、中低域にかけてエレメント背面音圧に「中」程度の感度を持つ。

 

 しかもその位相はクリスタルマイクの構造上、正相・逆相両方の成分で構成される。

このあやふやな中低域の位相をを整えてやるとビックリするほど端正な音に出会う。

 それはコンデンサマイクと間違うほど品位の高いものとなる。

 

若葉2  ケースにいれると大きく変わるファクター

(良い音を出すために)

1.薄いアルミのエレメント背面を質量の高い材質で覆い、エレメントと一体化する。

2.きわめて軽い(質量の小さい)エレメントを質量の高い材質と一体化して、その軽さを意識させないケース構造にする。

3.エレメント背面とマイクケースとの間の空気容量はレゾネータ(共鳴器)として動作する。

吸音材(フェルトなど)で機械的「Q」を下げて中低域の固有鳴きを調整するかキャンセルさせる。

4.マイクフロント(エレメント前面)を覆う材質で大きく音質が変わる。

・高域の制御であるがこれを裸に近くすると、3KHZ付近の高域が強調される

・音響抵抗(フェルト・スポンジ・布など)で抑えることによって3KHZ付近のピークはなだらかになり、相対的に低域が出るようになる。

 

◎音響的なチューニングは上記の併せワザで音作りする、まちがっても「ありあわせのマイクケース」にユニット、カプセル、エレメントを放り込んで完成ではない、そこから先が問題なのだ。

 

したがってサイドアドレス型を除き「市販マイクのケース」に仕込むことほど難易度の高いチューニングはない。

 

他の加工は写真をご参考ください。

 

アマチュア無線には独特の明瞭度でFBな音のマイクになりました。

 

                以上

 

 

 

 

 

 

(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや希少となったパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)  
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)

 

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします
メール  
メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp


1726 :クリスタルマイク全盛期の事情と現代的アプローチ

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クリスタルマイクは「圧電ブザー」のニセ・セラミックマイクとはまったく異なります

 

最大の課題は「ハイインピーダンス受け」です。

 

若葉 現在の一般環境では差し替え互換はまったくないということが結論。

 

タイムトラベラーのしわざではなく、時代を超えてリアルなクリスタルマイク・エレメントが入手出来るようになった今、その時代のノウハウをもう一度読み返しと実験の連続、時代を経てすっかり勝手がちがっていた。

 

若葉2 ここをクリアーせねばせっかくのクリスタルマイク・エレメントを生かすことはできない。

 

現在入手できるクリスタルマイクエレメント2種類と正式設計されたセラミックマイク1種類

 

(入手方法は1724記事 :本物のクリスタルマイクが現在でも日本で生産されていた。

https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12320927405 をよくお読みください)

 

半世紀以上前、非常に簡便にクリスタルマイクは使われていたはずだ、と当時の回路例を探してみた。

当時「5球スーパー」のラジオの裏側にはクリスタルピックアップ用の「PU」端子(クリスタルピックアップ端子)がほぼ装備されており、クリスタルマイクを接続すれば結構使えた。

 

【温故知新】

(NHKラジオ教科書より)  

1950年台の5球スーパーの検波・AF AMP部

 

ここでわかるのはアンプの入力インピーダンスを決めるグリッドリークの値です。

この例では5MΩと非常に高く、自然にクリスタルマイクにはインピーダンス・マッチングしますね。

 

現在、マイク入力のインピーダンスは2kΩ台~数kΩ、ここがちがうから

昔同様に扱えないのが当然なわけです。

 

若葉2 マイクアンプの入力インピーダンスが低いと激変するその音質

1.出力レベルが低い

2.ローカット・・・というより「金切り高音」しか出ない

 

このローカットは半端ではなく、今回のセラミックマイクエレメントC-35(30~8000HZ)でも2~5kΩ

で入力した場合、300HZ以下はほぼ出力されませんが4.7MΩで入力すればほぼ全帯域をカバーする。

 

したがってこれが他のマイク同様に扱うことのできない大きな理由になっています。

 

若葉2 ハム(アマチュア無線)の間では

「DXser」(長距離交信、限界的長距離交信)に愛好されているマイクに定番の通信用クリスタルマイク、ASTATIC社のD-104 「Silver Eagle」が長年にわたって愛好されている。(1933年~)

Shin(JA1SLX)が最近入手したASTATIC  Silver Eagle の最終ロット。

 

若葉2 真空管時代のA3E(AM無線電話)、及びJ3E(SSB無線電話)用の開発マイクでありますのでハムの方々はFET使用の数MΩ入力インピーダンスのバッファーアンプに手作り改造して運用されています。

 

これが現在の実情です。

 

 

 

一方、クリスタルマイクはブルースハープ(10穴ハーモニカ)の定番マイクとしてHohner (Astatic)jt-30 がマグネチック(バリレラ)型のShure 520やダイナミック型545と競いながら強い愛好家を持ちます。

次回はこの方向を探ります。

 

                  次回に続く

 

 

 

 

 

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1727 :Pignose (ピグノーズ)で音作りしたブルースハープ用クリスタルマイク試作

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クリスタルマイクはやっぱりアンプ直挿し型がほしい・・・

というご意見によりあくまでも「パッシブ」、音作りはブルースハープ奏者にファンの多いアンプ「Pignose」を使用しました。

 

若葉 Pignose アンプに接続したブルースハープ用クリスタルマイク

(アメリカの古き良き時代のベス単レンズで撮ってみた)

 

トランスを使うわけでなく、真空管やFET入力するわけでもなくハイ受け・MIDインピーダンス出しにはHonner(ASTATIC) JT-30に学んだ。

Pignoseのinput-Inpedanceは50KΩです。

 

Pignose アンプ回路図

 

 

デザインはあくまでレトロ、マイナスネジにまでこだわった。

しかしこのボディははとんでもない材料でできている。

 

VRツマミはスイス RITEL(ライテル)社のもの。

シャフト形状がローレット、半丸、丸シャフト、極端な短シャフト、いずれにも取り付く優れものだ。

 

 

 

(ブルースハープ用クリスタルマイク回路図)

Pignoseではこのまま直挿しでここち良いハープサウンドが得られる。

おとなし目のサウンドがお好みならダイレクトBOX「DI-1」の使用でフラット音になります。

デフォルトの多少ナローなその音は手で覆う奏法にしなやかに従い、ブルースハープ演奏によく馴染みます。

 

【マイクの製作】

前出の「ファンタム式クリスタルマイク」記事https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12321419205

と基本的に同一構造ですので併せてご参考ください。

異なるのはマイクエレメントの違い及びAMPナシであること、そしてデカイVRがあることです。

 

ボディはいつもの「排水口材料」、これがレトロなマイクに見えるのは自分だけだろうか。

 

ボディ材料

多少加工は必要だがそれなりのカタチになる。

 

ブルースハープにはデカイ、という意見もあるが・・・

 

近々きっと「手のひらにスッポリなじむカッコいいものに発展させてやるとマジで考えています、あてはある、そのときは真っ先にご報告します。

 

ケーブルにはカナレの「GS-6」ギター用シールドを2m採用、線間容量は150PF/mできわめて同軸ケーブルに近い構造の良質なケーブルです。

このケーブルはとかく有りがちな「ピチパチ」ノイズ(分極電荷雑音)の全く出ないのがいいですね。

 

というわけで今回の製作は終了します。

 

 

 

 

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1728 :今年をふりかえって (2017年末)

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このブログ開設から9回目の年末を迎えました。

 

若葉2 今年もさまざまな挑戦を経験できたことに感謝。

 

なんといっても最大のトピックは「クリスタルマイク・エレメント」「MADE IN JAPAN」、国内生産されている事が判明・入手ルートが開けたことでしょう。

それを「ピエゾ」とは決して呼ばない正真正銘のクリスタル型。

 

「絶滅したはずの恐竜が生きたまま発見されたような話だ!」という人もあり、あるジャンルでは想像を超える沸き立ちぶりです。

 

 

 

正夢です

 

C-35のこの写真、Googleの画像検索で探すと海外名機の中身と同一?という噂までも。

C-253のワイドレンジ・Hifiiぶりに驚かされたりしています。

 

 

こんな1年でした。

怒涛の記事投稿をおさえ、その分中身の濃い「研究・実践記事」につとめてきました。

 

(記事名をクリックするとその記事が開きます)

 

1月 「1701 : 新春を迎えて 2017年」

    「1702 :ニュー・リボンマイクの高域改善チューニング」(機械的高域補償)

     

2月 「1703 ::「楽器を知ろう セミナー(ヴァイオリン編)」・・・ストラディバリウス使用による実習セミナー

   「1704 :あの4Ch LANマルチケーブルがイーサコンで再登場」・・・完結した安定性。

   「1705 :ファンタム式パナ改マイクはこうして歩んできました」・・・いまプレミアムの元100円ECMが鍵

 

3月  「1706 :「コンデンサ・マイクカプセル用正弦波DC-DCコンバータ #1」発振回路が最大の鍵

    「1707 :初めてのDCバイアス大口径コンデンサマイク製作記」この感激はMAXです

 

4月 「1708 :高品位新型1インチ大口径カプセル採用DIYマイクロホン」ECM・DCバイアス垣根を外す

    「1709 :34ΦラージダイアフラムKT3412C-04採用DCバイアスコンデンサマイクの試作」   

    「1710 :巨大出力レベルのコンデンサマイクがあったっていいじゃないか」パワーAMPも駆動する

 

5月 「1711 :リボンマイク MXL R-144を高級マイクに変身させる弩級トランスがある」国産の酔を見よ

       「 1712 :誤ったセッティングの見せマイクを根絶しよう」 文化破壊者を根絶させる

       「1713 :ファンタム式パナ改マイクの単純化 省電流バージョン」一般音圧ならこれで良い

 

6月  「1714 :自作マイクロホンのフロントメッシュ絞り加工」 自作マイクの完成度はこうして決まる

       「 1715 :ビンテージリボンマイク修理 RCA-77DX 2本目の挑戦」成功を信じ心穏やかが秘訣必須

 

7月 「1716 :ファンタム式パナ改マイク fetⅡ Limted」その上があった「ファンタム式パナ改」の頂点

      「1717 :006P型9V乾電池の間欠使用耐久レース」手間暇かけたデータはあきれるほど雄弁だ

 

8月 「1718 :メーカー製を凌駕!音の優れた純粋電池式ファンタムBOXの製作」ファンタム電源見直せ

   「1719 :ハムフェア2017 販売品仕込みました」

 

9月 「1720 :《再掲載》ファンタム式パナ改マイク fetⅡ Limted」

   「1721 :真空管 KORG Nutube、 磁石でマイクロフォニック・ノイズを消す」 未完成球に「活!」

      「1722 :真空管 KORG Nutube、 磁石でマイクロフォニック・ノイズを消す (第2編)

 

10月 「1723 :KORG Nutubeのマイクロフォニックノイズは磁石でなぜ消える」原理原則は正直だ
     「1724 :本物のクリスタルマイクが現在でも日本で生産されていた」このメーカーは「神」だ

 

11月 「1725 :「ファンタム式クリスタルマイク」の提案」この音、ダイナミック型だといっても通じる
     「 1726 :クリスタルマイク全盛期の事情と現代的アプローチ」温故知新が未来を開くぞ

 

12月  「1727 :Pignose (ピグノーズ)で音作りしたブルースハープ用クリスタルマイク試作」定番不滅だ

     「1728 :今年をふりかえって (2017年末)」

 

 

若葉2 写真で見るこの1年

あの「LANマルチケーブルシステム」にイーサコン採用で安定化をはかった。

 

はじめて自作したDCバイアスコンデンサマイク

 

デジタル、アナログやコンデンサ型、ダイナミック型と方式の優劣を語る前に、

マイクの音を制するのは「メカニカル構造」=「音響回路」、これはマイク設計の普遍的な理論です。

 

ShinさんのPA工作室唯一の楽音源の「さんしん」

 

手作りマイクに「手作りらしさ」など厳禁、なんとしてもそれを乗り越えるべきです。

 

RCA 77DXリボン修理   怖がる必要はない、心を研ぎ澄まし穏やかにリボンと対話します。

ココ一番では「うまくいけ!」と念ずる、それは決してオカルトとは言い切れないものがある。

 

 

 

完成度99%の製品は未完成以外のなにものでもない。

技術者はその「未完成」を許さない、決して妥協してはいけないのです。

原理原則を武器に立ち向かえば99.9%までは引き上げることができることを経験させていただいた。

 

 

 

 

 

若葉 来たる2018年はいったいどんなことをやらかすのかお楽しみに

 

 

 

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  ◎今年は終了しました。

 

 

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1801 :新年を迎えて(2018年)

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新年おめでとうございます

 

 

 

ことしの抱負

 

「周回遅れ技術は最先端を凌駕するパワーを持つ」

 

マイクロホンは未だ発展途上の音響デバイスだと思っています。

先人のやり残した仕事がそこかしこに散らばっている、発想さえ変えればさらに切り開く未来がある。

そんな可能性探しの旅はことしも続きます。

 

あれから2年、このブログ記事が震源となり、「AMAZONの中華製コンデンサマイク改造」がブレイク、爆発的に想像を絶する大量のマイクが販売され、現在も続いている事実は貴重です。

それは海外・世界を巻き込んだ激震であった事に驚いています、まったく有り難いかぎりです。

 

  YoutubeそのYoutube音源へどうぞ (ヘッドホンでおたしかめください)https://www.youtube.com/watch?v=xWYjaKBuzXI 

 

それはECMの次元を超えた可能性” を見せつけることとなり、マイクロホンメーカーとユーザーには「寝耳に水」的なショックを与えてきたと聞いている。

 

そして既存の「サイドアドレスコンデンサマイク」の中で中途半端な機種すべてを駆逐する勢いを見せ、マイクメーカーの商品企画と販売店の姿勢を正す特効薬となった。

 

若葉2 また、ここ2年、アマチュア無線集団「音創り研究会」とのコラボは会にとっても私の研究にとってもシナジーとなってきたのではないかと感じます。

 

 

ところでマイクロホン開発者がやり残した仕事とはなんだろう

 

【リボンマイク】・・・ネオジ磁石で復権を果たした、そして

「エンボスリボン」として一昨年発表したShinオリジナル方式はリボンマイクの泣き所であったダイアフラム(リボン箔)の伸び及びショックに対するひ弱さを疑似ハニカム構造のリボンで飛躍的に改善させると同時に従来型コルゲーション・リボン型と同一音を実現させました。

 

 

これは量産メーカーには真似のできないリボンマイク方式として機械成形ダイアフラム方式とは一線を画す存在、この方式はハンドメイドだけでなく既存リボンマイクの換装への応用でも「Shin方式」として良い結果を得ています、この方式の普及には力を注ぎたい。

 

 

 

【コンデンサマイク】

・・・「ECM=100円マイク」という風評被害打破・地位向上だけが課題だ

まずECMに力を与える方が先だ、DCバイアス型の見直しはさらに先でいい。

 

1. Shinオリジナルである「ファンタム式パナ改マイク」の優位性はこの8年間あらゆる場で証明されてきた、手作りコンデンサマイクとしては異例と言うしかない。

回路的にも手を加えることなく手元に残る名カプセル、秋月電子販売のパナソニック「WM-61A」は本物の手作りマイクのために最後まで有効に使いたい。

 

葉っぱ ブレないロングランマイクには何かがある。

8年間ロングランのfetⅡ

超小形マイクらしからぬ自然で重厚な音と超ローノイズにド肝を抜かされる。

 

2. DCバイアスマイク、ECMと並べた場合、その性能よりも「DCバイアス信仰」がまだまだ根深い。

ECMの「100円マイク」からの脱却と指向性・大口径化による地位向上こそが決め手であり、基本性能の優劣を語る時代は既に遠く過ぎ去った。

このネジレた問題の根源的にはECM(エレクトレットコンデンサマイク)の発明者である「SONY」自身その後、この方式を本気で育ててこなかったことが最大の歴史的な汚点である、と断言します。

 

すべてのマイクメーカーは「AMAZONショック」を目の当たりにし、真剣に受け止めている。

これからのコンデンサマイクを制するのはECM以外にはないだろう。

 

 

【クリスタルマイク】・・・よみがえれ!クリスタルマイク

「安物マイクの代表」として底辺マイクをよぎなくされてきた歴史がある。

日本国内に奇跡的に残っていたメーカー「M」のクリスタルマイク・エレメント、それを扱うなかで過去、クリスタル全盛時代にやり残した仕事のあることが除々に判明してきた。

現在なお「ロッシェル塩」のクリスタルエレメント製品製造を継続している日本のこのメーカー「M社」には最高の敬意をはらいます。

 

半世紀前ダイナミックマイクの急激な普及、そしてそれに続くECMの登場によりクリスタル型はマトモなマイクとして扱われることはほぼなくなったが・・・・

 

その後「セラミック型」という「圧電ブザーのセラミック100円素子」とゴチャゴチャにされ、わけがわからない状態の中、マイクの歴史から放逐・消し去られたが・・・

そこはどっこい、この長所を活かした(米)ASTATIC社と(独)HOHNER社により2000年台、つい最近まで現行機種として販売され続けることができていた。

 

あらためてこのクリスタルマイク・エレメントは使い方次第で既存のダイナミック型、コンデンサ型同等のパフォーマンスをShin自身感じている、ウソではない。

 

 

 

 

【その他】

コヒーラ検波器の現代的な驚くべき可能性の検証

これはアナログ検波器などではなく「0」「1」判断する個体デジタルセンサーなのだ。

130年前の周回遅れ最先端センサーの初夢を・・・・・

 

 

本年もよろしくお願いします

   ShinさんのPA工作室  Shin

 

 

 

 

 

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1802 音響セミナー(8の字巻、楽器を知ろう他)のお知らせ

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また音響セミナーと音響技術イベントの季節がやってまいりました。

 

※すみません、関東地方限定です。

全国直近のセミナーはこちらからお願いします。

http://www.seas.or.jp/  

 

 

チューリップ赤 まずはコレ 2月22日

ご存知 「8の字巻きグランプリ2018」

優勝賞金10万円を手にするのはあなたかも

幕張メッセへ集結だ

主催:一般社団法人日本音響家協会

 

このイベントは「ライブ・エンターティメントEXPO」の中で開催されます。

http://www.eventexpo.jp/

 

 

 

 

 

 

チューリップ赤 次はコレ 3月9日

「楽器を知ろう」ハープ編

昨年はストラドバリウスを使ったバイオリン、一昨年はSAXと、日本音響家協会が一流の演奏家による講師陣とのコラボにより例年音響家、音楽家どちらの方にも好評いただいている噂のセミナーです。

 

ことしはハープです。

音楽家の目で、音響家の目で見て、知って、科学して・・・・   (参加費無料)

主催:一般社団法人日本音響家協会東日本支部

 

※「国立音楽大学」は国立(くにたち)ではなく立川市にあります、

 

Shinさんはそれぞれスタッフしています。

 

                                以上

 

 

 

 

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1803 :ノイマン TLM193修理記録

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ノイマン(Neumann) のマイクロホン TLM193の修理を行う機会がありましたのでその修理記録を書きました

 

 

双葉 症状は「はげしいハムノイズ、かすかに音声が聴こえる」。

やはりその場合「GND浮き」を疑いました。

しかしそこは名門ノイマンの大口径DCバイアスコンデンサマイク、過失は許されません、その場合は弁償を覚悟して望みました。

決して取り扱いに経験と自信のない状態でネジひとつ決して手を出してはいけません。

 

【分解】

柔らかい綿布を敷いて作業するのが適切です。

ネジが転げ落ちて紛失させてはなりません、ケースに傷つくことも防ぎます。

 

メッシュスクリーンをはずしたところです。

 

(注意した点)

1.ネジは黒塗装皿M2 +ビス・・・ネジ頭をナメることはもちろん黒塗装を破ることも許されません、ビシッと先の合った精密ドライバを使用しました。

 

2.ダイアフラムはあくまでも空中に、どこに触れてもいけません、ましてや表面のわずかな汚れや付着物があったとしてもそれに触ること、息で吹くなど絶対にいけません。

 

ケース下部にXLRコネクタの固定ネジがあります

 

これを外すとダイアフラムの付いた基板がゴッソリ外れます。

外し方にはコツがあります、くれぐれもダイアフラムに傷つけないよう

 

 

【診断】

カプセルGNDとXLR1番との間に「導通なし」

「基板だとやっかいだな」と頭によぎったが・・・・

 

XLR1番の半田不良(いも半田)であった。

 

XLRの2番、3番を含めて再半田、以上で再度導通試験にて異常なし

 

もとどおり組み立てて音声テスト実施。

 

完了

 

 

試験音が聴けます(2月中旬まで)

 http://34.gigafile.nu/0204-c21ac1dbec335f1c36b5c47a7d6238c3c

 

 

(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや希少となったパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)  
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)

  ◎今年は終了しました。

 

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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1804 :「ファンタム式パナ改マイク fetⅡ」誕生8年記念。進化した回路を発表

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2010年2月の「fetⅡ」 登場から8年経過しました。

おかげさまで個人のハンドメイドマイクとしては想像を超える高評価をいただきながら海外製をまじえた定番マイクの仲間入りを果たしています。

 

基本回路はこの8年間なにも変えずに細部の改良のみ繰り返してきましたが、さらにその先を探るなかで回路部に目が行きました。

今回、この差動AMPの見直しをしばらくの間手がけてみましたが・・・・・

 

 

二葉 まず最終回路図からどうぞ。

(図1)

茶白 げんなり 「これまでと同じじゃないか」と思いきや・・・・・ん?

 

「ファンタム式パナ改マイクロホン」は高電圧DC使用の差動平衡AMPによるローノイズ・ハイアウトプットが一つの特徴であり類を見ないクオリティの自作マイクとして認知されてきました。

今回これを更にブラッシュUPさせて取り組みました。

回路変更の末たどり着いたのは結局C・Rを1個づつ省略したモノ。

動作原理も音質もまったく変わりません。

 

ソース抵抗1.5kΩの代わりに10mAのCRD(定電流ダイオード)を使ったスプレッド・ボード実験。

0.1mAのCRDでは上下ほぼ同一波高値となったが・・・しかし

 

 

【何がなんなの?】

1.ソース接地抵抗1.5kΩをCRD(定電流素子)にしてみた。

差動回路のバージョンアップにより従来「インピーダンスバランスOUT」的要素を含んだ出力回路ですがCRDを使った定電流回路により上半分の増幅動作を下半分のFET動作に逆相で完全ミラー・コピーした(対称な)同一振幅をする動作を目指しました。

 

1.0.1mAのCRD→

差動アンプ上下のドレイン~GND間の波形はほぼ対称形。

最大SPL、100dBに近づくあたりで急激にクリップしてしまう

 

2.1mAのCRD

差動アンプ上下のドレイン~GND間の波形は無信号側(下側)が20%低い

最大SPL、100dBを超えたあたりで急激にクリップしてしまう。

 

3.10mAのCRD

差動アンプ上下のドレイン~GND間の波形は無信号側が40%低い

最大SPL、120dBまでが限界。

 

結果的にはCRDを使ったどの条件よりも抵抗のほうが優れている。

特に大振幅時のCRDの挙動はマイクロホンアンプとしては致命的な結果をもたらすことが判明。

 

【改善形】=(図1)

差動アンプの無入力側を整理しミラーリングに専念するためゲートリーク1MΩ及びカップリング・コンを省略しました。

 

 

 

「ここで」

メーカー製各機種はどうなっているんだろう? と調べてみた

 

トランス式はともかく半導体バランス、特にインピーダンスバランス(ショップスバランス)では「上下の非対称」が云々などまったく考えていない、それはマイク性能とは何の関係もないからです。

これでいいのだ、と自信を得た。

 

 

 

【番外編】

 

(省略だけならまだできる)

【さらに省略した「2nd」 形】 ※注意事項あり

 

(図2)簡易形

この回路は(図1)を基本にしてECM電源をソース電位から供給する方法。

ECMの動作電圧が低いため120dB/A以上の高音圧には向ませんがそれ未満の条件では(図1)の基本回路と遜色ないパフォーマンスを示します。

目的をあきらかにして採用すべき要注意回路である。

 

 

以上、8年ぶりに基本回路をいじり直した次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 


1805 :コンデンサマイク並みワイドレンジ・クリスタルマイクをめざす

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クリスタルマイク(セラミック型ではありません)といえば「ヒャラヒャラ」した安っぽい音を想像される方が多いことでしょう、事実普通に使えばそんな音です。

 

※(クリスタルマイクエレメントの入手については条件付きでこの昨年このブログでご案内しています)

1724 :本物のクリスタルマイクが現在でも日本で生産されていた。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12320927405.html

 

 

 

電歪型(クリスタル及びセラミックマイク)、磁歪型(マグネチック=レラクタンス)マイクは方式は違うものの共通の構造をもちます(スティフネス制御)

[例]:Shure 520(マグネチックマイク=ダイナミックマイクとして売られている)   Hohner 1490(クリスタルマイク)など

発電方式の違いは有っても同一制御方式の両者に共通した音は特定ジャンル(ブルースハープなど)で不滅の人気を持ちます。

 

国内M社の35mmクリスタルマイクの周波数特性

(昨年秋まで公表されていたもの) これはC-35とほぼ同一

 

 

     ちなみにセラミックマイクとはこんなに違います

 

Shinは構造的、原理的に納得していましたが数十年ぶりに現物を、それも多数のサンプルが自由になる環境を得てあれから半年間、過去のノウハウ海外の事例を参考にクリスタルマイクエレメントと格闘の末ある答えにたどり着きましたのでここで途中下車とします。

 

そう、地鳴りのような超低域から妙なピークもない中域、素直に高域が伸びたコンデンサマイクのような、そんな欲張りな音をクリスタルマイクに求めて取り組んでいました。

 

現在までに「ある程度」その先の音とそのノウハウを手に入れました。

無茶だ、無理だ、という声を振り切って「できるはずだ」とだけ信じて臨みました。

 

 

「これがクリスタルマイクの特性だ」といっても誰が信じるだろうか。

Flat化実験後の実測データ(ホワイトノイズ使用)

 

はここから聴けます(2018.3/10まで)

http://6.gigafile.nu/0309-c5183d6794ebe098b7a26baaf6bd18ec6

ギガファイル便(ShinさんのPA工作室クリスタルマイクFLAT化.wav)

 

まだ中域に不満はありますがクリスタル型特有のキャラクタ、広範囲に音響制御できることは確認できました、これからが楽しみです。

チューリップ赤クリスタルマイクの特性として低域はどっしりと、高域も20KHZ以上楽に伸び切った想像もできないワイドレンジさに感動です。

 

友人の若い音響家と一緒におこなったヒヤリングでは「うん普通のマイクの音ですね、高域にザラつきがあるけどギターなんかにこの音、かえっていいかも」とうれしいお言葉。

 

 

じゃ、なんでクリスタルマイクって「ヒャラヒャラ」したオモチャみたいな音なんだ?

 

今回はそこのところを深めてみることにしました。

 

 

昔は「安いマイクだから」「構造上」と何の疑問も持たなかったが、どうやらそうではない、ひとひねりすれば大化けするノウハウがある。

 

Flat化の最重要条件

 

ハイパスフィルターfc計算サイト http://sim.okawa-denshi.jp/CRhikeisan.htm

C-25325mm)、C-3535mm)共おおむね750PFの容量(実測)でありfo(最低応答周波数)を求めると負荷RLにより大きく変化する、まず最初にこれを認識しよう。

RL=100KΩ2.1KHZ    1MΩ212HZ    5MΩ42.4HZ    10MΩ21.2HZ

 

上記から「地鳴り」のような低音を求めるならば負荷抵抗は少なくとも4~5MΩ以上は必要なことがわかります。

現在の機器のマイク入力インピーダンスの平均値は平衡・不平衡問わず4KΩ程度(2.5~7KΩ程度)です、それでも50Ω~600Ωのマイク使用ならば「ロー出し・ハイ受け」ではあります、しかしクリスタル型では桁がちがいます。

 

チューリップ赤ここでDI-1使用 (入力Z=4.7MΩ)使用ではしっかり低域まで伸びます。

しかしクリスタルマイク独特のキャラクタ(3KHZを中心としたピーク)はそのままです。

無線用途にはこのあたり、もしくはややピークを削った音作りがベストではないかといわれています。

 

音楽用途が目標ですので更に進みます。

1.徹底したハイインピーダンス受け 

2.エレメントケースの強化(高剛性化、高質量化)で振動板の運動支点の強化=理想的メカニカルアースの確立

3,マイク筐体内(エレメント背面)の密閉、吸音、(吸音材の使用)

4.ケース鳴き(レゾネーション及び個体鳴き)の排除

5.マイクフロントに適切な音響抵抗を追加

6.振動板(ダイアフラム)アーマチャを含めた機械的Qダンプによる共振点の排除

 

 

 

 

4.に関連してFFTを見ながら音孔を9個中5個ふさいで実験した(振動板Qダンプのティッシュも見える)

 

 

 

実験でおこなった振動系のQダンプによるFLAT化の案

 

双葉 かんたんに前ぶたが開く構造になっているのはおそらくこの調整を前提にしているからだと思われる。

 

 

 

チューリップ赤やはり「ファンタム式」は万能

前作からかなりシェイプアップがみられます。使用部品は2個のFETと抵抗3個だけ、基板も省略可能。

DI使用時と音の違いはほぼ感じられないがこちらのほうが余分な機材が不要、かつ音作り自由度がおおきい。

 

                            次回(未定)につづく

 

 

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1806 :4つの顔を持つNEW「fetⅡEX」の試作

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進化を続ける「ファンタム式パナ改」マイクロホン、輝きを加えてバージョンアップ(参考試作)

 

秋月で完売となったころは絶望的な思いであったWM-61Aの入手、最近ではヤフオクで1袋1800円、2000円と、店頭価格の10倍で取引されていたり、他のルートもまだ残されているので絶対にほしい向きにはあと数年は可能でありましょう。

 

「代替品」と称する50円の機種で十分な場面もありましょうが、私にはどう妥協しても音色的にそれは無理のようです。 

やはりWM-61Aの優秀さはもともと安易な100円マイクではなく1000円の価値を持つ「別格カプセル」だったのだ、と思えば現在の市場価格のほうがリーズナブルだと言ってよいのでしょう。

偽物も現れているので秋月の袋に入った2個入り2000円を落札すればとりあえず本物を手にすることはできます。

百聞は一見、一聴にしかず、でホンモノを知っておけば偽物の音は3秒でわかる、それほどの違いを見せます。

 

若葉 「音色」という考え方

「音質」に敏感な皆様に「音色」というファクターをお考えいただきたいと思います。

マイクロホンに必要なのはj実は「音質」ではなく「音色」であることに気が付きました。

 

そこで先日、多数の音響家の中でそれを議論しました、それはベテランほど強く同意するようです。

 

マイクロホンとはどんなに物理特性が優れようが、その方向とは似て非なる領域の音響道具、Hifiオーディオともまったく別世界です。

ましてや無機質な「音センサー」や「音/電気トランスデューサー」では決してありません。

 

 

若葉 fetⅡが進化した

ところで今回、このfetⅡに「ブライト」と「PAD」スイッチを設け、ノイマン・ライクな上品なふくよかな音とAKGライクなブリリアント・トーンの切り替え、さらに約20dBのPADを備え、楽器用クリップオンとしてそのまま使えるマルチな超小型マイクが実現しました。

 

 

 

 

基板の様子

                           (表面)

 


                        (裏面)

 

 

回路図

 

双葉 ノイトリックのXLRコネクタの中に基板を仕込むため、ただでさえ気の遠くなるような小さな蛇の目基板に2個の切替スイッチを設けるという常軌を逸した魂胆は、はたしてどうなることか・・・・

 

当初、XLRコネクタの外側からのSW切り替え構造考えた、しかしちょうどSWの位置にカラーリングがあり、これを外せば実に貧素な外観になる、デザイン無視でSW穴をあけるというのは考えてしまう。

そこでこのブッシングをゆるめて内部のSWを直接手で操作する方法で行くことにした。

したがってストレスなく内部基板は簡単に引き出し可能なサイズにまとめた。

問題はSWの切り替え表示だがSWがあまりにも小さい、これはさすがに小さなもの好きのShinさんでも幅2~3mmにシールなど含めて文字を書き込むことはあきらめた。(そのうちに赤マジックで印でも付けておこう)

 

 

     以上

 

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1807 :RCA-77DXリボン交換全記録

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このたび実施したRCA-7DXのリボン張替えについての記録です。


RCA-77DXのリボン周り修理は過去2回経験してきましたがいずれもリボンのテンション調整程度で済んできました


今回の例ではいよいよ「リボン交換」以外にない」と判断。

 

リボン張りはAIWAやハンドメイドのリボンマイクでは随分練習してきましたが

 

珠玉の77DXでそれをやる時が来た。

 


若葉  まずはこのマイクと十分親しくなっておきたいのでご挨拶


凹んだり変形しているところがありますね、「お疲れ様です」

こうしてやさしく直してマイクと仲良くなっておくとマイクだって喜びます。

 


 (リボン取り外し)

1時間前にTVを消して静かにお茶を飲み深呼吸、おもむろにリボン固定ネジを上下4箇所外したとき、もう後戻りできないことに戦慄を覚えました。

 


モーター部から傷んだリボンを取り外した

 


 それは超えなくてはならない「一線」を超えたことを意味し、押しつぶされそうな恐怖感と期待とが入り混じったものでありました。


リボン材

USA LEBOW COMPANY製


 

なぜかMade in Japan、日本の金箔職人による作品かもしれない)
「Alminum Foil」と書かれていますがキッチンの「アルミホイル」とはかなり異なり、厚みは世界標準の1.8μ(1μは1/1000mm)です。このサイズで計算すると価格はキッチン用の500~600倍になりますが必須の貴重材料です。


 

(材料の切り出し)

切り出しの様子は自分では撮れないため掲載出来ませんが、切り出したあとがこれ、これが「命」です。


この切り出しには15cmの金指(シンワ製JIS1級)、一部に0.5mm目盛りのある携帯用を使いました (100均のモノとは品質・精度が違います)

 

 

①カッターやハサミでは切れません

 

②薄刃の「フェザー」または「貝印」のカミソリ刃を使います

 

③生地からのカットは2つ上の生地写真の状態で行います。

 

(材料を取り出した無垢の状態では切ったものが丸まってしまいます)

 

④金指で「1.5mmの切断を練習し、それより0.2mm(コピー用紙の厚さ)細い「幅1.3mm」が目測で平行に切れるようにする。

 

(この際ヘッドルーペなど厳禁、裸眼で、裸眼で、目測で)

 

⑤切断角度は5度をめどに手前にゆっくり一気に引きます。


(コルゲーション成形)


いろいろな方法がありますが、もっともハードルが低く成功率の高い方法です。

 

ヒダの深いほど発電量が多い(感度が高い)、その半面磁極間に収める難易度が一挙に高くなること、そして出音を左右左右する重要な点である。



(微鉄粉除去)




磁極の間におびただしい数の微鉄粉が吸い付けられているのが見えますね。

見えにくい場合は保存、拡大してみてください、「ゾッ」とします。


これは自分は精密ドライバーの一番細いのを使って磁極のスキマを行ったり来たりさせながらドライバに付着した微鉄粉を拭きおとしました。

徹底的に清掃し、最後は高倍率(5倍以上)のルーペで残りがないか確認します。


これが残っていると異物が振動の節目になるため低域が出にくくなり、なにかの余韻や高音圧でビリツキを生じます。



 

(リボン装填)




 

これが「リボン交換」最大ハイライトであります。

 

S・N磁極ギャップ1.5mmの中に左右の磁極に一切触れずにコルゲーションでグニャグニャした幅1.3mmの極薄リボンを収納するという。

 

左右の磁極とのスキマはわずか0.05mm、職人作業といわれる由縁か。

 

裸眼でないと距離感がつかめずやりにくい。


サイズがちゃんとしていれば問題ありません。


[いかにして磁極に触れさせず、ド真ん中に貼れるか]

 

目で見ちゃいけません

 

ヘッドホンモニターで自分の声と周囲騒音だけでやります。

 

!指向性は「B」=両指向性、低域減衰SW:「0」


とりあえず音は出ますのでリボン位置の偏りと浮き沈みを竹ピンセットや妻楊枝などを使って、整えて行きます。

 

ネジはそのたびに緩めたり締めたりしながらです。

 

左右の磁極に当たっているときは一旦緩めて、楊枝の先を使います、リボンはすぐに電極に張り付きますので根気が要ります。


調整中リボンが切れてしまったらもう一度最初から。

 

さっきとは違い、難なくできるようになっているはずです。



若葉 なおこのチェッケには十分に77DXの音を知っている必要があります。

 

特にない場合は借用を含めてリファレンスとなる見本マイクが必要です

なぜならば、それほど個性の強いマイクロホンだからです。



 

(指向性チェック)



リボンマイクの基本である「B」=両指向性から始め、6通りの指向性においてそれぞれ正しい音を確認します。

 

*単一指向性は77DXでは「U」ではなく「L3」であることに注意


 

 

かくしてリボン張替えが完了しました



ここまでの間に音質調整まで済んでいますので保護メッシュや絹布、そしてメッシュスクリーンを取り付けます。


そして完成へ

 





若葉 指向性切り替えおよび低域減衰SWとその表示目盛りの位置をあわせる。


このあと十分サウンドチェックののち「完成」。




【あとがき】

 

およそ70歳になるこの名機、すでに国内でリボン交換の道はないと聞きます。

 

Shinはマイクロホンをさわりだして10年めになりますがどんなマイクより難しく、

 

それでいてそこはかとない魅力、それは独特な「ビロードの音色」だと思います。

 

高域が足りない、近接効果がすごい、そして取扱いが繊細だ、とするこのリボンマイク、その頂点にあるのがこのマイクであろう。

 

クセの強いやつだが国産モノや新製品リボンマイクにはない大御所の貫禄は誰もがうなる。


この修理記録は若いエンジニアにぜひリボンマイクの心臓部「リボンの張替え」に興味をもってほしい、そして77DX、44BX、Aベロと、この技術を絶やすことなくビロードの音色を後世に伝えたい。


そんなShinの想いを受け継いでください、私もまだまだ勉強します。





                 以上

 




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1808 :リボンマイク AIWA VM-15 心臓部の全修理記録

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このたびオールドリボンマイク AIWA VM-15 (1950~1960年代)の修理をおこないう機会がありました。

これはその全記録です





このマイクは現在でもホールやスタジオ機材として目にすることのあるリボンマイクとして有名ですが、あるホールの音響をやっておられた私の恩人からいただきました。


最近ではヤフオクなどでひんぱんに見かけます。

(同一デザインのVictor  MV-104L はAIWA OEM品です)

しかし年月もたちコンデションの良いものに出会うことはまれになりました。


ヤフオクではお決まりの「当方専門知識が無く現状でのお渡しとなります、写真にてご判断の上NC・NRで願いします。」  の常套文であらゆる責任逃れが普通に行なわれています。


オークションを利用されている方はくれぐれもだまされないようにしてください。

60年以上経過した今、まともなものはまずないはずですので。

VM-15はリボンサイズがRCA-77D(X)と同一であり、別途中身だけ保有しているモノを私は「リボン張替え練習用」に使っています。


今回のマイクは「音が出ない」というもの、さて原因はなんでしょう? 



WARNING 【重要】これは私自身、過去に苦い経験をしてきました。

リボンマイクではリボン切れを調べるためにテスターで導通をあたることは絶対禁止事項です。

(大きくリボンがふくらみ、コルゲーションを伸ばそうと動きます、最悪、磁極からの脱落が起こります)

 

また、「可逆作用」を使ってSPやヘッドホン出力を加えることも同様です。

この場合は低音の振幅でリボンが切れてしまいます。


(そういうのは「リボンTWにまかせておきましょう)




(診断と処置)

リボンマイクの修理・調整を行うときは、いつも最悪のことを考えて手をつけ始めています。


1.ヘッドホンモニターするとほんのかすかに音声が聞こえています。

これによって、主な原因はリボン以外にあることを切り分けました。


2.リボン固定ネジがモーター部上下4箇所あり、強く締めてみました、

何も変わりません。 


3.リボンの固定されている上側電極からリボンとのスキマめがけて「ナノカーボンペン」で2~3回こすり、液体をリボンとそれを支える電極板に届くようにコスリ込みました。


 

4.ネジを緩めたり締めたりをくりかえすうちに「パッツ」と音が出ました。

「やった!」と思ったがそれはぬか喜びだった。翌日になったらまたウンともスンとも・・・


5.アルコールでリボン固定電極を拭いたりしたが何も変わらない。 


6.上側の電極板の片足を外して腐食具合などを確認。

 

すると、なんと分厚い酸化皮膜がビッシリと、ネジの周りは裏側が黒ずんで接触を拒んでいる。

ここはリボンマイクの心臓部、心してていねいに取扱います。




(リボンが途中でやや右にかしいでいますがこの例では一応OKです) 

 


7.上側電極をそっと外し、極々細目のサンドペーパー(1000番以上)、私は10000番を用いた水ペーパーで黒ずみ、酸化皮膜を磨き落としました、リボンに当たる面はなるべく素手で触れないようにしましたがどうしても触れてしまいますね。

(なおこのときリボンが外れてしまった場合は自力で戻すことは訓練が必要)



電極板の酸化皮膜除去(水ペーパーに使用したのは#10000)


8.もとの位置に戻し、ネジを仮締めした。

(リボンをはさむ相手側金属にリボンが張り付いているが決して手をふれない)



9.下側電極も同様におこなった。


 

 

10.音が戻ってきたため、モニターしながら4つのネジを本締めした。

(保存の上拡大してご覧ください、磁極のスキマが見えます、スキマが凸凹に見えるのはほこりよけメッシュとコルゲーションが遠因です。)


リボンを張った状態を光に透かして磁極とリボンのきわどい関係を確認します。


リボンが左右の磁極に触れていないことを目と音を聴いて確かめる。

(中間点でやや折れ曲がりが確認できるが、磁極タッチはナシ。

これでもRCA-77DXよりはこのスキマは広いです。


(リボンが磁極にあたっていると「低域が出ない」、わずかショックをくわえると「ピキピキ・グシャグシャ」と異音が出たり楽器の余韻で「ビリツキ」を生じたりします。

11.ケースなどをもとに戻しま再度モニターテストしました。




葉っぱ 以下の点に特に気をつけました。
 

1.マイナスネジについて

ビンテージマイクはマイナスネジです、普段プラスネジ、プラスドライバーに慣れていますので、不慣れなマイナスネジの取扱は独特の注意が必要です。 

 

リボン取り付け部分のマイナスネジの扱いは強力マグネットに吸い付かれながらの作業、マイナスネジへの慣れがないとまず高い確率でリボンを突き刺し、破ります。

幸いShinの時代はマイナスねじが基本であったため問題はありません。


2.オリジナル部品について

ビンテージマイクの修理で特に意識しなければならないのは分解時に出てくる数々のオリジナル部品の保管、作業中の紛失防止についてです。




ネジひとつでも、世界でただ1つの部品です、代替品のないことを肝に銘じて周囲を整理して作業にあたりました。 


葉っぱ かくして数10年を経過したAIWAVM-15リボンマイクは元気な姿で戻ってきました。

東芝Bベロと音声比較しながら作業を進めました。

音はBベロに良く似たリボン独特のやわらかな音です。


以上で修理完成しました。       



あとがき

「接触不良」とは素人に故障原因を説明する常套句であったことがあります。

リボンマイクではそれが本当にシビアに性能に響き、マイクの生き死をも左右します。


幅1.3mm、長さ30mm足らずのリボンの直流抵抗はいくらになるでしょう?

1mΩ以下といわれています。

そのリボンをホールドする部分があるかぎりその接触抵抗は1mΩをさらに十分下回れるのか、それが問題なのです。

ちなみに今回の例ではほぼ無限大Ωでした。


インピーダンス変換は必ずトランスでおこないますが一次側インピーダンスは0.5Ω程度が一般的です。


したがって一般電子回路ではあまり問題にならなかった0.1Ω以下の接触不良(接触抵抗)でも「サー」ノイズの原因としてここでは大きな問題になる凄い世界です。


リボンマイクのノウハウのなかにそんな点を加えてご理解ください。 


                        以上





(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作) 

 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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1809 :Shin提唱。マイクの優れた評価法「マイボイス・リアルタイムモニター」とは

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 じめて向き合うマイクロホンがあるとします。

どんな音だろう?とまずはヘッドホンと自分の声で動作確認するのが普通でしょう。

 

 

その際「マイボイス・リアルタイムモニター」をおすすめします。

1623 :マイクロホンの評価は「マイボイス・リアルタイムモニター」で

1520:マイク性能瞬間判断は「マイボイスのリアルタイムモニター」で

 

 

 

 

 

実はこの方法でマイクロホンの素性・特性はほとんどつかめるのです。

聴き方しだいですが・・・・

 

「音楽・楽器を使わなければマイクのテストにならない」とお考えの方もかなりいらっしゃることと思います、そんな方にもマイクの評価は人声が万能であることをお伝えします。

 

実はマイクロホンの全体像をつかむにはやはり「自分の声」なのです、楽器を持ってきた時点でそれはマイクの一面しか見ないことになりなります。

Voiceで出た傾向はそのまま楽器音の予測さえつくはずです、さらにその先のファクターまで見えます。

逆に言えば楽器音で判断しようとするならばそのマイクの一部の特性を引っ張り出してくる為、個々のマイクの持つ大切な要素を見逃してしまい、正しい判断ができないといえます。

 

↑↑それは逆だろうと思われる方は

マイボイス・リアルタイムモニターで弁別できるファクターの多さにびっくりされます

 

036 「自分の声は自分が一番知らない」という事実がありますが

 

一方、マイクを通して理想的な密閉型ヘッドホンで聴いた自分の声は自分にとって最も自分の声を反映したコピー音であることは案外知られていません。

 

なぜならば

 

密閉型ヘッドホン(SONY MDR-CD900ST)を使ったリアルタイム・モニターの場合、自分が発声した「空間音」はほどよくCUTされ、中耳のアブミ骨の振動と頭蓋に囲まれた蝸牛に伝わった自分本来の声を取り混ぜて聴くことになるため、訓練した場合、その判断能力の高さは自分の経験では実績上、測定器をはるかにしのぐと思っています。

 

音を扱う者がこれを使わずにいては万物の創造主に申し訳ないかぎりです。

 

 

 

 

内耳と聴覚の関係

「オーディオと音楽のための 音質のすべて」:1981年 誠文堂新光社より。

 

チューリップ(メリット)

1.マイクロホン個々の音質・グレードはわずかな時間(1~3秒)でほぼ判断できる。

2.正相・逆相の判断が一発でできる。

3.近接効果をしなやかに表現してくれる。

4.指向性がより良く見える。

5.SN比が良く判断できる。

6.クセ (マイクの個体鳴き、レゾネーションなど)音の違和感をそのまま聴かせてくれる。

 

残念(デメリット)

1.PA用途のマイクの「ヌケ」「力感」の表現は苦手。

2.ハウリングマージンなどPA要素の問題は判断できない

3.女声での判断には低域限界がある

 

 

また

Shinのところにはこのブログでいままでにご紹介した手作りマイクロホン各種があります。

時々、機会のある他流試合のような「マイクの鳴き合わせ」のたびに世界の高級マイクを相手に第三者評価(プロ技術者による)を2010年以降10回以上おこなってきましたが、いまのところ全戦負け知らずの記録を積み重ねています。

この中にはfetⅡ fetⅡi 、改造激安中華マイク、、デュアルカプセル単一指向性マイク、音決めに携わった「音創り研究会」のリボンマイク、DRM-02などもあります。

 

このそれぞれの手製マイクが「世界の高級マイク」と対等に戦うとき一貫して「マイボイス・リアルタイムモニター」で理想の音を徹底的に調整・確認し、自信をもって参戦するだけです。

「負けるかもしれないと」心配するくらいなら参加させません。

 

                          以上

 

 

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工事中 

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ShinさんのPA工作室

記事更新までいましばらくお待ちください  


おまちかねの記事を仕込んでいます。


(Shin)

1810 :なぜ「ファンタム式」パナ改マイクなのか

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は2009年までさかのぼります。 

当時WM-61Aを使った録音をおこなっていたころ「パナ改」を知りました。 

見よう見まねで「Linkwitz」氏の2~3種類の回路を試しました。

プラス接地という違和感は強いがECMらしからぬクセのない自然さと器(うつわ)の大きさに魅了され、外部電池を入れたBOXを作り使い始めました。

 

2009年9月、ライブハウスでのJAZZ録音、混み合ってきて機材を載せているテーブルを半分譲らねばならず、イヤな予感。

通し録音中だが録音機材と件(くだん)の外付けBOXとケーブル類をそっとわずか移動させた。

 

その瞬間モニターヘッドホンより「ガリッ」とノイズを発生したかと思ったら今度は無音。

 あわててミニプラグを少し回してやると音は戻ったがしばらくするとまた無音に・・・結果はメチャクチャの涙。

これこそがミニプラグにDCを印加した「パナ改マイク」の最大欠点であることがあとで判明した、それは考えてみれば当然のことなのです。

 

この事が「世界の・・・」といわれる「Linkwitz方式パナ改」 との決別の決定的なきっかけになりました。

Linkwits-Mod はソースフォロワ改造の基本は優れているものの「安定性」「伝送」「汎用性」 に関してはこれでは通用しない、つまり業務用マイクになり得る要素がまったくないことに大いに失望した。

 

 

   このとき心に決めました

電球2mau「もう決して音響にミニ・プラグ、ジャックは使わない!」 そして 「ここから先は自分の手でやる」の2つの決意です。

ミニプラグの欠陥性については2010年にこれをまとめた記事があります。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10733817436.html  

 

あの優れた音の「パナ改マイク=Linkwits-Mod」を電池箱と不適切なミニプラグ・ジャックいらずで安定化し、普通のマイクにするんだ!、マイナス接地で。

 

には何がなんでもXLRコネクタの中に回路部をおさめてファンタム電源で動かすんだ、他に例があろうとなかろうと関係はない。

実現できるかできないか、なんかじゃない、「絶対に実現させるんだ」 と何かにとりつかれたように実験と試作を始めた。

 

そういう時ってまず「出来る!」と思わなかったら絶対にできないでしょ、「出来る」を求めて純粋にどんどん進むから当然できる。

 

そしてはじめてカタチになったのがこれ。(2009年11月6日) 

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10382343115.html

はじめてカタチになった「ファンタム式パナ改マイク」がこれです。

ジャンク部品の寄せ集めみたいな笑いたくなるほど不細工ですがすべてがここから始まりました。

なかなかXLRコネクタにはおさまらない、2個連結で何とか・・・

しかし金属同士が連結していないと誘導ノイズが出るので往生した。

 

 

双葉 はじめての「ファンタム式パナ改マイク」

(当初の回路図)

 

バイポーラTR式です。構成・考え方は現在となにも変わりません(アリャ?逆相だったんですね ^^; )。

 

 

それでも 邪魔な外付けBOXや宿敵の「ミニプラグ・ジャック」からも開放され、これでもビックリするほど「小型」になった、そして同じ音だがとりわけレベルがデカイ、感激は言葉では表せません。 

なんと、ラインレベルで出力されるマイクになっていたのだ。

 

ここからは小型化に向けて回路変更、ミニ部品の採用などを進めたが結局すし詰めにすること位しか・・・

なすすべがなかった。

 

そして現場からは「やはりマイクレベルじゃないとビックリしちゃうヨ」、とクレームが。

じゃあ決まった、FETだ!。

10μFなど必要なく小さい容量のコンデンサで間に合うし、「ミニサイズのFETならもっと小さくできる!」

しかしFET差動AMPで平衡出力、おまけにファンタム動作回路など例がないのでECM電源まで供給できるシンプルなFET回路をでっち上げた。

 

回路電流1mA、最大音圧111dB/A スペック的にはやや不満はあるもののこの点は「従来のパナ改同等」。

ここはスタート点だ。

 

 

 

初のFET式「ファンタム式パナ改マイク」 fetⅠの試作品(2010年2月)

夢にまでみたこのスタイルが実現しました。

 

 

当初のFET式はAVX社の0.22μF使用、「中域の張りが強い」というご指摘だがこの時点で超高級国産マイクに一歩抜き出ていた。

そのうえでのの評価だ。

そしてコンデンサの選択実験では行き着くところはやはりWIMAだった。

WIMA MKS-2及びMKS-4、両者の音質差は自分にはわからないので無条件でカタチの小さい方にした。

当初のfetⅡの回路図

 

気を使った回路です、ケイタイからの不要電波の影響をカットするコンデンサや電流制限らしき抵抗など。

 

これはのちにさっぱりと省略した。

出力インピーダンスがやや高いが現実的な伝送には問題ない。

 

 

(大音圧 130dB/A THD:0.4%~1%をATTなしでクリアーした)

驚いたのは130dB/A 1KHZ THD 0.4~1% をクリアーさせたときだ、およそマンションの一室でやる作業ではないですね。

 

建物の遮音(D値)50dBだとしても「ピー」という1KHZの音が外部に80dB漏れるわけです。

ケイサツに通報されないよう5秒程度で騒音計と歪率の指示値を写真に収めたら信号を切ってシカとする。

 

これはWM-61Aのドレイン出力での測定では100dBを超えた辺りから怪しくなり、107dB程度でヘタレていたのを考えると完全にソースフォロワの勝利、圧倒的としたいいようがない。

 

あれから8年、おかげさまで回路も外観も洗練でき、そしてなによりも実績と機会をいただいて「音のいい手づくりマイク」として有名になりました。

 

 

現在の fetⅡ

 

 


回路図

 

(ここがキモ)

名カプセルWM61Aあってこその「ファンタム式パナ改」です。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12009432562.html 

 


これで、なぜ「パナ改」=「WM61のソースフォロワ」なのか、なぜファンタム式なのか、進化の仮定なども含めておわかりいただけたかと思います。

 

                                            以上

 

 

 

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1801 :新年を迎えて(2018年)

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新年おめでとうございます

 

 

 

ことしの抱負

 

「周回遅れ技術は最先端を凌駕するパワーを持つ」

 

マイクロホンは未だ発展途上の音響デバイスだと思っています。

先人のやり残した仕事がそこかしこに散らばっている、発想さえ変えればさらに切り開く未来がある。

そんな可能性探しの旅はことしも続きます。

 

あれから2年、このブログ記事が震源となり、「AMAZONの中華製コンデンサマイク改造」がブレイク、爆発的に想像を絶する大量のマイクが買い求められ、一時はマーケットプレイス業者が軒並み在庫切れを起こすなど貴重な経験でした。

それは海外・世界を巻き込んだ激震であったようで、それはYOUTUBEから飛び火したと推測。

「激安中華マイク」改造ブームの余波は2年経った現在もなお続いています。

  YoutubeそのYoutube音源へどうぞ (ヘッドホンでおたしかめください)https://www.youtube.com/watch?v=xWYjaKBuzXI 

 

それはECMの次元を超えた可能性” を見せつけることとなり、マイクロホンメーカーとユーザーには「寝耳に水」的なショックを与えてきたと聞いている。

 

そして既存の「サイドアドレスコンデンサマイク」の中で中途半端な機種すべてを駆逐する勢いを見せ、マイクメーカーの商品企画と販売店の姿勢を正す特効薬となった。

 

若葉2 また、ここ2年、アマチュア無線集団「音創り研究会」とのコラボは会にとっても私の研究にとってもシナジーとなってきたのではないかと感じます。

 

 

ところでマイクロホン開発者がやり残した仕事とはなんだろう

 

【リボンマイク】・・・ネオジ磁石で復権を果たした、そして

「エンボスリボン」として一昨年発表したShinオリジナル方式はリボンマイクの泣き所であったダイアフラム(リボン箔)の伸び及びショックに対するひ弱さ、厚さがたった1.8ミクロンアルミリボンであるが疑似ハニカム構造に特殊成型することによってリボン強度を飛躍的に改善させた。

そして従来型コルゲーション・リボン型との同一音実現、完全互換に成功しました。

 

 

これは量産メーカーには真似のできないリボンマイク方式であり、その機械成形ダイアフラム方式とは一線を画す存在、この方式はハンドメイドだけでなく既存リボンマイクの換装への応用でも「Shin方式」として良い結果を得ています、この方式の普及には力を注ぎたい。

 

 

 

【コンデンサマイク】

・・・「ECM=100円マイク」という風評被害打破・地位向上だけが課題だ

まずECMに力を与える方が先だ、DCバイアス型の見直しはさらに先でいい。

 

1. Shinオリジナルである「ファンタム式パナ改マイク」の優位性はこの8年間あらゆる場で証明されてきた。

手作りコンデンサマイクとしては異例と言うしかない。

回路的にも手を加えることなく手元に残る名カプセル、秋月電子販売のパナソニック「WM-61A」は本物の手作りマイクのために最後まで有効に使いたい。

 

葉っぱ ブレないロングランマイクには何かがある。

8年間ロングランのfetⅡ

超小形マイクらしからぬ自然で重厚な音と超ローノイズにド肝を抜かされる。

 

2. DCバイアスコンデンサマイク、ECMと並べた場合、その諸性能の優位性よりも「DCバイアス型信仰」「ECM安物論」がまだまだ根深い。

ECMの「100円マイク」からの脱却と指向性・大口径化による地位向上こそが決め手であり、基本性能の優劣を語る時代は既に遠く過ぎ去った。

このネジレた問題の根源的にはECM(エレクトレットコンデンサマイク)の発明者である「SONY」自身その後、この方式を本気で育ててこなかったことが最大の歴史的な汚点である、と断言します。

 

すべてのマイクメーカーは「AMAZONショック」を目の当たりにし、真剣に受け止めている。

これからのコンデンサマイクを制するのはECM以外にはないだろう。

 

 

【クリスタルマイク】・・・よみがえれ!クリスタルマイク

「安物マイクの代表」として底辺マイクをよぎなくされてきた歴史がある。

日本国内に奇跡的に残っていたメーカー「M」のクリスタルマイク・エレメント、それを扱うなかで過去、クリスタル全盛時代にやり残した仕事のあることが除々に判明してきた。

現在なお「ロッシェル塩」のクリスタルエレメント製品製造を継続している日本のこのメーカー「M社」には最高の敬意をはらいます。

 

半世紀前ダイナミックマイクの急激な普及、そしてそれに続くECMの登場によりクリスタル型はマトモなマイクとして扱われることはほぼなくなったが・・・・

 

その後「セラミック型」という「圧電ブザーのセラミック100円素子」とゴチャゴチャにされ、わけがわからない状態の中、マイクの歴史から放逐・消し去られたが・・・

そこはどっこい、この長所を活かした(米)ASTATIC社と(独)HOHNER社により2000年台、つい最近まで現行機種として販売され続けることができていた。

 

あらためてこのクリスタルマイク・エレメントは使い方次第で既存のダイナミック型、コンデンサ型同等のパフォーマンスをShin自身感じている、ウソではない。

 

 

 

 

【その他】

コヒーラ検波器の現代的な驚くべき可能性の検証

これはアナログ検波器などではなく「0」「1」判断する個体デジタルセンサーなのだ。

130年前の周回遅れ最先端センサーの初夢を・・・・・

 

 

本年もよろしくお願いします

   ShinさんのPA工作室  Shin

 

 

 

 

 

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1811 :ビンテージ・リボンマイクのメンテナンスについて

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 リボンマイクはふたたび市民権を得て久しい。

聴く者にやさしい音色と構造のシンプルさが特徴だが実は個々のつくりも音色も千差万別。

たとえ「ビンテージ」であってもピンキリであることがポイントです。

特に数10年経過したものは好ましいコンデションであることの方が珍しい。

 

※リボン交換についてはこちらの記事をご参考ください

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12361131493.html

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12364305867.html 

特にこれまでに「ケーブル交換・コネクタ交換」跡のあるものはそのときの「メンテナンス」によりさらにコンデションが変わっている場合があります。

コンデション変化と無関係部分のメンテならいいのですが。

 

オリジナルのまま古くなったのか、手を加えているのかは現物を見れば一発でわかるいくつかのポイントがあります、そこで何がおこなわれたかが問題なのです。

 
              
              RCA-77DX

 



          東芝Bベロ

 

 

 

     AIWA VM-15
 

葉っぱ こんなにある適切でないメンテ(この逆なら良い)

 

1.「適切でないメンテナンス」にはどんなものがあるでしょう。

a. コネクタ及びケーブル交換時、出力極性の不適正)

   NHK払い下げ品、海外品などの多くが(3番HOT)とされており現在の標準と極性(相)が逆である場合がかなりあるはずです。

   必要に応じ、自分で確認・修正が必要です。

 

    (「マイクの正相・逆相ってべつに関係ないでしょう」とおっしゃる方は対象にしていません)

 

b. メンテナンス時、小部品紛失による代替部品の使用または取り外しによる。

 

c. ケーブル交換時の誤接続(トランスタップの誤接続、グラウンド浮きなど)

 

d. 指向性切り替えノブがスムースに動かない。(劣化・組立不良)

 

e. 低域減衰スイッチがスムースに動かない(劣化・組立不良)

 

 

リボン、モーターまわり 

a. リボン伸び・磁極当たり・微鉄粉付着(感度低下・低域不足・マイクをそっと上下・左右に振ると「パキパキ」異音がする)→軽症状ならそっとしておく。

 

b. リボンおさえ金具~リボン間の接触抵抗増加(感度低下)

 

c. テスターを当てて導通チェックしてしまった(リボンの伸び・ダメージ)

 

d. リボンおさえ金具破損または紛失により樹脂材で代替えされたとき (高域落 

  ち、感度低下、無音)
 

e. リボンおさえ金具ネジが「バカネジ」になっていてリボンを強く押さえられない(感度低下or無音)

 

f.  磁極に吸着した微鉄粉のリボン接触(ひずみ、ビビリが発生)

 

g.キッチンのアルミホイルで代替えされた不正修理(きわめて感度が低く、低・中域しか出ない)

 

h. 吸音材がはがされている 

 

 


(リボン固定電極の問題)

 

ここは大幅に簡略記載してあります。

 

 

なお、リボン固定まわりは本来マイナスネジであったものをプラスネジに替えることも好ましくない。

ネジの締め付け力の違いは感度差に現れる。マイナスネジの締め付け力は強大です。

 

つまり0.1Ω未満の接触抵抗の違いが決定的にマイクロホンの感度差として 現れる。

 

 

外観

a. メッシュスクリーン凹み・変形は修正しておきたい。

 

b. ブッシングの入れ忘れ。

 

c. ケーブル固定金具・ゴムブッシングの風化・破損・紛失。

 

d. オリジナルネジ紛失のため取り変わっている。

 

e. マイクハンガー軸上金具(特殊ワッシャーやスペーサー金具ほか)の紛失。 

 

f. 表示プレートの位置ズレ。

 

g. 「両指向性」基本のためかマイクロホンベースの前・うしろ逆付けだった。 

 

 

適正なメンテナンスでオールド・リボンマイクが現役で活躍できるよう応援していきたいと思います。

 

第1回目はここまでとします。

 

第2回目はリボンまわりに触れた内容の予定です。

 

                                                                           以上

 

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1812 :(秋月)プリモ EM158 ECMカプセル ファーストインプレッション

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WM-61A(代替品)に悶々としていたクラフトマイク・ファンに大きな朗報が届きました。

 

プリモの WM-61A代替する「EM258」と同一スペックの「EM158」が秋月電子から5月12日に発売、という情報が読者のK氏から届いた。

 

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13215/

 

EM158 :   http://akizukidenshi.com/download/ds/primo/em158.pdf

 

こちらは「EM258」の方です、ご参考用。

http://www.primocorp.co.jp/product/PDF/EM258.pdf

 

 

ずは秋葉原に走った。 

開店前の人だかりに混じって秋月電子に。

ECMのコーナーにはそれらしきものがないので店員さんに尋ねた。しかし店員さんもウロウロと倉庫に探しに行ったり売り場をかき分けたり・・・

「あった」入口のワゴンの中にそれらしき文字を発見。

”1個250円” たかっ!!  とりあえず4個買って帰った。

スペックをみると感度:-32dB、SN比:-74dBとこのタイプのECMカプセルとしては抜きん出ているようだ。

 

 

プリモの小口径ECM特有のスタイルで、黒い不織布のないスッキリしたデザインのカプセル。

WM-61Aよりやや小さい口径5.8mm。

問題は音質とソースフォロワー改造可否の2点だ。

 

 

 

 

その音

「無改造の音」このブログでは2線式で云々しても意味がない為何もやっておりません、このままで良い方かたはこのままでもよいでしょう。


問題は3線式改造(ソースフォロワー)とその音に尽きます。

 

改造後一聴してみると低域が61Aよりやや薄いのが気になるところだが高域は伸びている。「61A代替品」とするXCM6035のヘタった高域が補正された印象。WM-61Aと同レベルだと考えてよいでしょう。

 

 

3線式改造した3機種の改造ECM

基板についているのがEM-158(改)

真ん中がXCM6035(改)

上がWM-61A(改)

使用基板(回路)はfetⅡの中身を使用しました。

EM-158はハイインピーダンス部分がむきだしになるのか、きわめてハムり易いため適切な防止処理がいっそう必要です。

 

またきわめて吹かれやすく、簡単に「音切れ」起こすので注意が必要です。

 

 

 

低域はXCM6035同様でWM-61Aより100HZ以下でやや薄く感ずる。

 

総じてWM-61Aのような「甘さ」は薄くややカタイ音という印象です。

 

感度:-32dBは「凄い」。

SN比:74dB もこのサイズのECMとしては驚異的・ブッチギリである。

 

このあたりが「WM-61Aを超えている」と豪語する所以であろう。

これで伸び切った低域と「甘さ」があればその通りだと思いますが皆様はどうお感じになるかは想像できません。

 

(3線式改造)・・・ソースフォロワー改造=(パナ改スタイル)

注 改造は危険を伴います、あくまで自己責任です。

自信のない方、適切な工具の準備のない方は絶対にこの改造を行わないでください。


問題は3線改造の難易度ですが、WM-61Aのようにカッターで「チョコチョコ」というわけにはいきません。
ミニルーター(リューター)を使い、先端1Φのボールチップを使ったGNDパターンの切削(彫刻)が必要です。

テスターで切り離れを確認しながらソース電極の切り離し、最後は工作カッターなどで仕上げを行います。(ここまで5~6分です)

ECMは小さく、パターンは厚く、カッターのみではきわめて危険です。

また1Φ以上のボールチップでは無関係な部分まで削ってしまいますので1Φをお勧めします。

 

 

ケガをされないよう十分ご注意ください。

 

ミニルーターによるパターン切削は超精密難作業になります。

ルーター彫刻作業は「慣れ・熟練」が必要です。

くれぐれもカッターで何とかしようと思わないでください。確実にケガします。

 

 

改造部分を整える

GNDパターン(ケース側)との「切り離れ」をテスターで確認しながら「工作カッター」で整えていきます。

刃物の扱いにはケガのないよう十分ご注意ください。

 

3線式カプセル完成。(ケースは半田が付きます)

配線用リード線は極細線、この場合、黒:AWG-32  赤・黄:AWG-28を使いましたがメーカー指示ではさらに細く、AWG-36クラスが推奨されています。あり合わせの線では完成しません。

使用リード線径はもちろん半田付けの熱の問題もかなり厳しく指定されています。

 

 

3線改造したカプセルは

WM-61A(改)の置き換えとして「ファンタム式パナ改マイク」の各種回路を使ってそのまま動作します。

 

 

考察

同一スペックのEM258は「Linkwitz‐Mod」=(ソースフォロワ改造=3線式改造)には対応していない)とありますが、158も同じと考えてよい。

それはおそらくこの改造の困難さによる事故防止が理由であろうと勝手に推測しています。

当然ながら改造を薦めるメーカーはありません、これはパナソニックであっても同様、これがあるので録音機メーカーであっても「パナ改」は実施できず、手作り外部マイクの方が圧倒的高音質を実現できたポイントです。

 

いずれにしても優れたカプセルの選択肢の増えたことは有難く、今回のファーストインプレッションはこれで終わります。

 

最後にいち早く情報を連絡くださった読者のKさんにあらためてお礼申し上げます。

 

 

       以上

1813 :ファンタム式P改マイクロホン 「FetⅡ Bright 」の紹介

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WM-61Aなき後

 

秋月電子から突如凄いECMが現れた。

 

プリモ「EM158」の衝撃的アキバデビューです。

   

ファースト・インプレッション  試作を経て全貌が見えてきました。
 

 

さっそく「ファンタム式・パナ改」・・・いやパナではないんですよね、「プリ改?」、「ファンタム式P改マイク」としておきますね)
 

 

そんなマイクを製作してみました。

 

FetⅡbright (フェット・トゥー・ブライト) です。


 レンズ:バブルぼけの代表選手 Meyer Optik Golritz  Trioplan 100mm f2.8使用


 

位置づけとしてはキャラクター的にFetⅡ のハイに輝きを加えた同一シリーズ としました。

ファットで我が道をゆく優等生 FetⅡ そしてその直系、育ちの良い現代っ娘 FetⅡbright 。 お好きなのはどちら?

 

いま一度「ファースト・インプレッション」記事をご参照ください。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12377368591.html

 

 

サーチ フロントメッシュのため、中身がWM-61Aのバージョンと見分けがつきにくいです。

 

光にかざすとフロントの13個の孔が見えます


 

 


(FetⅡ‐bright 回路図)

 

テッパン的な実績・信頼で、ついこの回路つい使っちゃいます。

 

コンデンサ1個使用の省略形でもなんら問題ありませんよ。

 

「Operating電圧:3.0V」なのにどうして8Vもかける?

 

これはWM-61Aでも同様ですが、この電圧は許容範囲でできるかぎり高くすることで高音圧時のひずみ特性を改善し、よりHigh-SPLに耐えられるようするのが目的です。

 

(基板の様子)

 


従来からのFetⅡとなんら変わるところはありません。

 

 

 

(マイクケース)

1.ShinさんのFetⅡはどうなってるの?という疑問をお持ちだとおもいますが、

すみません、この箇所だけは公表できません。

 

しかし写真から判断されて完全に同一物を作った方が遂に今年1人いらっしゃってビックリしました。

 

しかしこれは秘密にしていただく事とそれを販売することを厳禁、ご遠慮願っています。

 

2.最重要要素はECMカプセルの静電シールドにあります。

 

ケースは総金属製、フロント部は「ステンレスメッシュ100」の絞り加工で仕上げてあります。

これはEM158カプセル(裏面以外)を包んでそのケース部(GND)を高周波的に低インピーダンス接地し、ハムの完全防止。

さらに微細メッシュによる風防効果を加えて「吹かれ」防止をはかっています。

 

 

(おちいりやすい自作マイクの残念構造について)

 

 

1.マイクに手を近づけるとハムがでる。

2.マイクをさわるとハムが消える。

 

これはどちらもEMC設計が不適切または何も考えられていないためです。

 

 

(EMC=電磁環境両立性)アナログ・デジタル問わず電子機器設計の基本ルール。

 

 

(おちいりやすい例)

 


 

上図のいずれもがEMC構造不良ですので誘導ノイズ(ハム)に悩まされます。

 

答えは書きません、マイクロホンクラフトには「等価回路」に描きなおした「見えない回路を頭に描く必要があります。

または失敗をくりかえすうちに起こるNGパターンから読み取る手もあります。

 

「マイクにさわっていないとハムが出る」なんておかしいはず、なぜなのか考える・・・そういうこと抜きにマイク・クラフトはできません。

 

 

 

 

fetⅡ‐bright  はご注文により製作しますのでお問い合わせください。

 

 

 

 

 

          以上

 

 

 

 

(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作) 

 

 

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

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1814 :Coming soon 高品質のクリスタルマイクが時空を超えて登場します

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現在でもクリスタルマイクは根強いファンを持ちます。

 

所属のアマチュア無線団体である「音創り研究会」が今年もハムフェアの限定販売向けに始動開始しました。

今年の目玉商品は「クリスタルマイクキット」になる予定です。

時空を超えたクラシックデザインで21世紀によみがえるクリスタルマイク、Shinが加わって進めはじまりました。

 

 計画中のアマチュア無線用マイクロホン、

1950年代の普遍的デザインを完全再現したオリジナルです。

形状と方式違いをもう1機種予定しています。

 

クリスタルマイクは「過去のマイク」と思われ、専門書でもセラミックマイク(圧電ブザー同等)と一緒くたにされてしまって存在そのものを知らない層がほとんどとなって久しい状況です。

 

(米)アスタティック社、(独)ホーナー社の製品が有名です(でした)。国内AIWAは半世紀前に終了しています。

ASTATICは2001年を以て「Silver Eagle」(下写真)の最終生産を終え、HOHNERはASTATICから供給を受けたJT-30をもとにその後継機「1490」の販売を継続していますが品薄になりつつあります。

また、ロッシェル塩のクリスタルマイクエレメントの入手については世界中探し求めてもほとんど不可能同然なことがそんな理由なのでしょう。

 

最終ロットのASTATIC Silver Eagle (2001年製)です。

 

主な利用:アマチュア無線のDX(遠距離)交信用、そして音楽用途ではブルースハープ(ハーモニカ)用として根強いファンを持ちます。

周波数特性のナローさ、ディストーションの力強さがそれを支えているのかもしれません。

 

ここまでは良くも悪くも「クリスタルマイク独特の音」でしたが今年の「音創り研究会」の企画は「音の良いクリスタルマイク」です。

おそらく現存するクリスタルマイクの中ではもっともワイドレンジなクリスタルマイクになるはずです。

 

クリスタルマイクは「金切り音的」で音が悪いという印象が昔から強く適正な技術アプローチが開発されないまま安易にダイナミックマイクやECMのパフォーマンスの良さに消滅をよぎなくされた残念な歴史がここにありますがそれを克服しました。

  「昔ながらのクリスタルの音」も電気的なわずかな条件違いにより可能ですので、ここを自由に選択できるようにするのがいいかな、と思っています。

 

さらに予定製品では簡単な切替で3kHZ付近にピークを持ち、パイルアップ(世界多数の局からの呼び出し電波の重なる中で高音質かつ音声明瞭度の高さでブッチ切り勝ち抜ける)に強い海外DX交信用途にする予定です。

 

 

目標はASTATICを超えることです。

 

もう一つニュースがあります。

愛機 ASTATIC silver Eagle向けに「音創り研究会厳選」換装用クリスタルマイク・エレメントの限定販売を計画中です。

 

ハムフェア(8月25・26日)をお楽しみに。

 

 

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