2.4GHZ帯はいまどき既に音声伝送でまともに使える電波環境ではない、各社どんなに趣向をこらしてもデジタルのQRM(混信・カブリ)はタチが悪く「ブッツリ」切れるのが特徴です。
昨年某民生用デジタル・ワイヤレスマイクが発売され早速導入、「爆発的売れ行き」だったと聞く。私の場合3回程使ったが最後はブツギレのMCで散々な目に遭った。
2.4GHZデジタルを音声に使うのは自殺行為だと認識した次第です。
2.4GHZで使用される「スペクトラム拡散」の無線方式は単周波数の無線電波に影響を与えないはずですが、「誰も彼も、こっちでもあっちでも送信」のランダムな周波数の束になった時は、もはや単周波数の無線までをも脅かすのでしょう、きっと。
当初は「もったいないほどイイ音」の下馬評もあって、ついそそられて購入した。
マイクロホン・シミュレータも快調、屋外だが仕込みのあと、リハの間は素晴らしい結果を見せていた。
鳴り物入りで登場したデジタル・ワイヤレスマイク
しかし、本番に入り客が増えるにつれて電波の「カブリ」が恐ろしく増えていくのが表示上で見え、怖さが増しついにダイバシティも「片肺飛行」となったままVocal音を送り続けた。こうなると精神衛生上の問題になり、正常なPAオペレーションそのものに支障を与えはじめました。
本番中、いまさらヒモ付きに変えるわけにもいかず・・・・・
おそらく市街地にあふれている2.4G帯電波だけでなく聴衆の携帯、スマホのWIFIi やブルートゥースの電波がドッと増えたからに違いない・・・と推察。
ボーカル曲はそればかり気にしていてバンドの演奏から耳が逸れていった、
10mと離れていないのに案の定、曲の途中で途切れを確認。
これではどんなに音が良かろうと本末転倒。
その後屋内でもブツギレ発生にて2.4GHZ恐怖症、トラウマ?は消えずヒモ付きの使用へシフトし安全優先にしてきた。
先日オークションに出品・・・・これが未だにものすごい人気で購入価格と大して変わらない落札価格にもう一度驚かされた。
同じオークションで以前から見かけて気になっていた「Sound Pure 」というメーカーのアナログ式ワイヤレスマイク。
当初は「A帯」も海外Chも含んでいて心配したが、現在は大幅に洗練され、、国内仕様B帯30Ch(国内技適取得中との事)。http://soundpure.p1.weblife.me/
今回購入したprofessional 8011Ⅱ。(上位機として「V-8033e」もあり)
距離も飛ぶし、切れないし音もイイ。驚くのがその値段、マイク2本付で29,800円、まったく信じられない価格だが業界仲間の評価も高いのでこれをチョイスしてみた。
拡張アンテナシステムとして、ブースタ、スプリッタ、ログペリ指向性ANTなどアクセサリーも充実している。
ところで、この2波用受信機、サイズが「1U」の横幅より数cm小さい。
取り付けパネルがなくラックケース収納を前提としていない設計のようです。
今日はこれを1Uラックケースに収納させる事にした。
有り合わせのケースだが奥行の短いD=190mmの1Uケースにちょうど収まった。(蓋の奥行は5cm×2)
アンテナコネクタ部を十分露出させないと現場で運用できない、したがってワイヤレス受信機の収納においてこの「D」のサイズは他の機器では考えられないほどクリチカルで、決して「大は小」を兼ねません。
本体右側面のネジ穴で固定。
こういう機器でイヤなのが「ACアダプタ」
1Uケースにスキマがあるのをイイ事にして、ここにACアダプタに入れ、AC延長コードに変換したら使い勝手よし。
クランパのゴムで一体化した変換部を前・後から固定した。
まだあるんです。
(外部アンテナ)ワイヤレスの電波をうまく受信する切り札。
1Uパネルでこしらえたお助け外部アンテナ
カナレのBNC同軸ケーブル3m、これだけの「外部アンテナ」が天と地を分けることだってある。(アンテナエレメントは本体付属のモノ)
むやみに距離を伸ばそうとせず、この実験では100m範囲で一瞬の「プツリ」も見逃さないことに徹し、このシステム(Sound Pure professional 8011Ⅱと、この外部アンテナ)の実用性を確認した。
トドメ(これだけ収納できた)
結局、前蓋にマイク2本、後ろ蓋にアンテナ関係を収納し、このラックケースに次のものが全部収まった。
① 8011受信機本体
② ACアダプタ・変換ACコード
③ マイクロホン 2本
④ 専用アンテナ 2本
⑤ 外部アンテナ用1U BNCパネル
⑥ カナレBNCケーブル3m 2本
後記(電波法について)
ネット上には激安の違法ワイヤレスマイクがかなり存在し大変危険です。
それらがアマゾンや楽天、ヤフオクなどを使って、平静を装って普通に販売されています。
気を付けねばならないのは次の点です。
「そんなこと知らなかった」ではすまされない犯罪をおかす恐れがあります。
① 「並行輸入品」とだけ書いてある得体のしれない品は海外向け周波数のモノ、国内での使用はもれなく違法です。
② 「VHFワイヤレスマイク」は微弱法のFM放送帯か322MHZの「C帯」を除き、残るすべてが国内での使用は違法です。
③ 国内B帯周波数は806~810MHZの30チャンネルです。
そしてA帯の770~806MHZを加え、それ以外の周波数は海外向け周波数であり、国内では違法となります。
「関係ないや」では済まされません、捕まりますぞ。
電波法ではこのような違法無線機で電波を発射した場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金。また、「重要通信」に妨害を与えた場合はさらに厳しく、5年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金に処するという規定があります。
刑罰は想像以上に重く、甘く見てはいけません。
◎これらの送信機(マイクロホン)を所持しているだけで刑罰の対象になる事があります、電池が入っていたら現行犯同様となります、くれぐれもご注意を。
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