Shinさんのところってこしらえたマイクでうめ尽くされているんじゃない?なんて言われても不思議ではない。
それがどういうわけか半分位しか残らないから面白い。
地球にやさしいことしているわけじゃないが、マイク部分やXLR-AMPはすぐ嫁ぎ先に行ってしまったり別な作品にも使いまわすから自然に消えていく・・・それでHAPPYなのだからこれはこれでいい。
「短小クン」の愛称を持つ単一指向性マイク「fet-u1 ~Ⅲ」4年前から少しづつ進化させている。
短小クンです
19φで全長5cm、というサイズにこだわっている。
これには理由があって、材料である水道管の「銅管ソケット」という部品、内径15.88mm、外径18mm、XLRとほぼ同じですが長さは25mmしかないのです。
これを2個ロウ付けして50mmにするわけですが相当な根気を要する。
さらにXLRコネクタとの勘合構造を金属彫刻でこしらえ、黒色焼付け塗装を行う・・・・というマイク外筐作りの教科書的マイク。
この工程を征服して初めてスタートラインにたどり着く、という「やりがい」の固まりですがリップ・スティック・タイプの単一指向性マイクロホンですので目立ちにくく大変使いやすいフォルムです。
【今回のリフォーム特徴】
今回は1年前の「fet-u1(New)」のフロントの作り変えと、管鳴き(レゾネーション)防止及びタッチノイズの防止(制振)について基本改良を行った。
1年前「黒色焼き付け塗装が完成した」
と宣言したのち、なぜかカプセルのUEB-5361が外されて寂しそうにしているのに気づいた。
しかしあれだけ失敗を繰り返して試行錯誤した黒色焼き付け塗装は抜群の食いつきで完成しているのには今更ながら驚いた。
(詳細レシピは自分の過去記事を見ないと思い出せない)
今回はケース塗装まわりは前回のまま手をつけないことにした。
オムニ単一指向性の表現力に再度期待してフォーリーフ社のOEB-1451を使用した。
このカプセルの特徴は単一指向性でありながらそれがユルイため横・後ろへの感度もあり、響き・雰囲気の再現力は一昨年のfet-uⅢ で経験した通り満足できるものになる・・・とヘッドホンで周囲音から判断しています。
OEB-1451の音質的特徴はUEB-5361のワイドレンジで芯の太いPA系、UEB-5261のワイド&フラット系に対し高域の透明感・楽器の実在感に優れ、大変品位の高い14φカプセルです。
また「吹かれ」に強いのも安心です、ただPAには向かないのが残念なところです。
【工作】
1.フロントメッシュ絞り
SUメッシュ60使用
電池のお尻で7mm程度一次絞り、そのあと周辺部に放射状に3箇所程度切れ目を入れ、17~8mmまで深絞りをする。
【音響的処理】
1.ECMカプセルの制振処理
PPメッシュ(高級防虫網)=写真左をカプセルに巻き、ゴム系ボンドで止めて一体化しておく。
材料と処理の実際
・ECM周囲を2回巻する。
(これによる効果)
①タッチノイズの低減
②筐体金属固有振動からのアイソレーション
2.毛糸(純毛)による音響処理
・毛糸(純毛に限定)を均一に基板に巻きつける。
なお基板収納時、パイプ内径部に良く当たるように意識して巻く。
※アクリル毛糸では適切な結果は得られません
①基板鳴き防止
(不適切だと生音を受けて色付けされる)
②管内共振(バックキャビティ)の制御
(不適切だと「キンキン」したり「ボーボー」とした音になる。)
③銅パイプのデッドニング
(不適切だと叩くと「キンキン」、適切なら「コツコツ」)
3.断面図
唯一の問題はハウリングマージンだけです。
(PA用にはUEB-5361が優れています)
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