クリスタルマイクは「圧電ブザー」のニセ・セラミックマイクとはまったく異なります
最大の課題は「ハイインピーダンス受け」です。
現在の一般環境では差し替え互換はまったくないということが結論。
タイムトラベラーのしわざではなく、時代を超えてリアルなクリスタルマイク・エレメントが入手出来るようになった今、その時代のノウハウをもう一度読み返しと実験の連続、時代を経てすっかり勝手がちがっていた。
ここをクリアーせねばせっかくのクリスタルマイク・エレメントを生かすことはできない。
現在入手できるクリスタルマイクエレメント2種類と正式設計されたセラミックマイク1種類
(入手方法は1724記事 :本物のクリスタルマイクが現在でも日本で生産されていた。
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12320927405 をよくお読みください)
半世紀以上前、非常に簡便にクリスタルマイクは使われていたはずだ、と当時の回路例を探してみた。
当時「5球スーパー」のラジオの裏側にはクリスタルピックアップ用の「PU」端子(クリスタルピックアップ端子)がほぼ装備されており、クリスタルマイクを接続すれば結構使えた。
【温故知新】
(NHKラジオ教科書より)
1950年台の5球スーパーの検波・AF AMP部
ここでわかるのはアンプの入力インピーダンスを決めるグリッドリークの値です。
この例では5MΩと非常に高く、自然にクリスタルマイクにはインピーダンス・マッチングしますね。
現在、マイク入力のインピーダンスは2kΩ台~数kΩ、ここがちがうから
昔同様に扱えないのが当然なわけです。
マイクアンプの入力インピーダンスが低いと激変するその音質
1.出力レベルが低い
2.ローカット・・・というより「金切り高音」しか出ない
このローカットは半端ではなく、今回のセラミックマイクエレメントC-35(30~8000HZ)でも2~5kΩ
で入力した場合、300HZ以下はほぼ出力されませんが4.7MΩで入力すればほぼ全帯域をカバーする。
したがってこれが他のマイク同様に扱うことのできない大きな理由になっています。
ハム(アマチュア無線)の間では
「DXser」(長距離交信、限界的長距離交信)に愛好されているマイクに定番の通信用クリスタルマイク、ASTATIC社のD-104 「Silver Eagle」が長年にわたって愛好されている。(1933年~)
Shin(JA1SLX)が最近入手したASTATIC Silver Eagle の最終ロット。
真空管時代のA3E(AM無線電話)、及びJ3E(SSB無線電話)用の開発マイクでありますのでハムの方々はFET使用の数MΩ入力インピーダンスのバッファーアンプに手作り改造して運用されています。
これが現在の実情です。
一方、クリスタルマイクはブルースハープ(10穴ハーモニカ)の定番マイクとしてHohner (Astatic)jt-30 がマグネチック(バリレラ)型のShure 520やダイナミック型545と競いながら強い愛好家を持ちます。
次回はこの方向を探ります。
次回に続く
(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや希少となったパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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