このたび 初めての試みとして読者の方によるハンドメイド・マイクの力作をこのブログで紹介させていただきます。
第1回目はクラシック録音専門の友人である山口さんの力作をご紹介します。
アンサンブル自由が丘第4回定期演奏会
2013年2月2日 横浜みなとみらい小ホール
この録音はYOUTUBE にてお聴きいただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=fDRiHaMzB34
作者からのごあいさつ
アンサンブル自由が丘の定期演奏会は今年4回目を迎えます。
弦のアンサンブルチームにゲスト奏者が加わります。プロのティンパニー奏者やヴァイオリン、ハープの奏者が加わり第一部の演奏を華やかにします。
クラッシックの録音は音の濁りを嫌い吊り装置を使いペアマイクによるワンポイントステレオ録音が基本です。 第4回はハープ奏者が加わりsoloハープの演奏とオーケストラとしてのTuttiの両方の演奏でした。
ソロ楽器はTuttiもsoloも弾きますが、客席のお客様に聴こえるのは「Tuttiはオーケストラ」、「soloはハープ」になります。録音においてはTuttiと同等またはそれ以上の存在感をsolo楽器に持たせなければなりません。
指揮の先生は普段は絶対にステージにマイクを置かないで欲しいと言われるのですが、今回は先生からステージに補助マイクを置いて欲しいとの希望がありました。
吊り装置を使い無指向性ペアマイクのワンポイントステレオ音とsoloハープのステージマイクの捉えた音をミキシングしマスタリングを行いました。soloハープは圧倒的な臨場感と弦の爪弾きまで聴き取れる繊細な音に包まれる素晴らしい録音ができました。
“フォーリーフのUEB-5261カプセルをノイトリックのフォーンプラグ(NP2X)に組み込んだ単一指向性マイク”を2本、マイク間隔20cm程度マイク開き角 90度位に開いています。マスタリングでは2本をセンターに定位させてモノラルとしています。
3回の練習に参加させていただき、録音をどうしようか下から20cm程度から響板のどこに向けようかなど試行錯誤で最終スタンドの高さは70cmで落ち着きました。録音的にはハープが吊りマイクの真下に来てくれれば良かったのですが演奏者が客席から見える位置との配慮から少し左に寄ってしまったのが録音的にはやや残念でした。
演奏の妨げになるような違和感のあるマイク設置ではないことが写真でもお分かりになると思います。お客様には大変好評でした。
また指揮の先生が最後に挨拶をされますが、先生の声がいつも拾うことができず苦労しておりました。今回のステージマイクは指揮の先生の話も十分拾うことができました。
“フォーリーフのUEB-5261カプセルをノイトリックのフォーンプラグ(NP2X)に組み込んだ単一指向性マイク”をステージにさりげなく置いた録音は、チェロとピアノの演奏、ギターのセッションなどこれまで録音に苦労していました演奏会や発表会の録音に威力を発揮すると確信しました。
2月15日 山口醸二
これ以下、Shinによる記事です。(製作は山口さんによる)
UEB-5261のマイクロホンはUEB-5361と並んでフォーリーフ社の優秀なECMカプセル、特に5261は録音で良い結果を出すフラットな単一指向性が特徴です。
筒部はしっかりしたダイキャスト製、そしてUEB-5261がジャストフィットし、ECMカプセルを前面で支えるワクまで存在する。(NP3Xでも結構です)
このように青いケーブル押さえはカプセル支えに変身する実におあつらえ向きの材料だ。
NP2Xは前方にすぼんだ形状、テーパーになっているので斜めに穴が開いてしまった。
完成したマイクロホン、SONYの電池式ファンタム装置を使用しています
回路図です、拡大してご覧ください。
このマイクスタンドは2m近くまで伸びるスグレモノ、卓上スタンドを改造して長モノにしたそうです、これも今回の作者である山口さんの手作り傑作です。
マスタリングでは2本をセンターに定位させてモノラルとして素晴らしい結果を得た。
(Shinが作者にヒアリング)
今回の製作ではカプセルのフローティング構造までは届かなかった、「速度成分取り込み孔」の様子で音質がかなり変わるのを経験した。
テーパーになった材料で、1回目は失敗してしまったが治具でテーパー角度を補正したところキレイな穴あけが出来た。
UEB-5261はかなり実力のあるカプセルだとわかった。
以上
【おことわり】
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