【目的】あの名機に充実した低域の獲得と更なる本質的チューニング。
話題となって久しくすでに定番化が見られるAMAZONの超激安コンデンサマイク高級化改造。
皆様、無事に改造され、価格からは考えられないパフォーマンスに満足されている方、もっとやりたい方それぞれでしょう。
1609:総集編 http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12138466195.html でご案内の通り、改造パターン1~3までそれぞれ特徴・キャラクターがありますのでご自分にあった改造で良いと思います。
この改造には次の3種類があります。
タイプ :良質なコンデンサマイク
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12115618790.html
タイプ :海外高級コンデンサマイク
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12123022225.html
タイプ :世界の名機と勝負できる最高クオリティのコンデンサマイク
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12125583894.html
■ 多くの方のご意見は「素晴らしくいい音だ、低域不足を除けば・・・」に尽きるようです。
「ならば! 」・・・・と
1.普通にドレイン接地・ソースフォロワで
①カプセル受けFET ドレインから次段へ・・・ソース接地
②カプセル受けFETソースから次段へ・・・ソースフォロワ
この両者切替比較を簡単にできるようにドレイン負荷抵抗2.2kΩを残していました。
単純ですがソースフォロワでこのマイクを生かす限りドレイン側の2.2kΩは不要につき短絡します。
これによって約3dB程度ゲインがUPすると同時に低域も増強されます。
この方法をお薦めします。
2.カプセルと結合デバイスの本質を探ってみた。
コアな研究がお好きな方以外にはお薦め出来ませんが・・・
重箱のスミを突き始めたところ、「ハッと」気がついたことがあります。
「直流バイアス・コンデンサ型」、「FET外付けエレクトレット・コンデンサ型」ともにインピーダンス変換デバイスとの接続法が2通りあることについてです。
カップリングコンデンサを使うものと直接接続するものが適時使用されていますが、この意味やいかに。
FETまたは真空管との直結は好ましくないだろう、という発想(成極電圧またはエレクトレットチャージ電圧によるゲート電圧の振られ?を心配)から強引にコンデンサによって「隔離」したが。
それが原因なのか違うのか、どちらにしても結果だけはハッキリ出ている。
BM800搭載カプセルのコンデンサとしての容量は、大きさ・形状のよく似たECM(UEM-16)にならって17PFと仮定し、結合容量はこの形式のマイクの平均値(470PF)をメドにした。
問題はこのコンデンサの種類による音質の適正な変化とその良し悪しです。
◎その結果やいかに
豊かな低域とさらに「ファット」な音質を獲得です。
今回のサンプルは「タイプの改造品」に手を加えました。
①ツェナーダイオード撤去、 ②ソースフォロワ出力、 ③同軸ケーブル使用の防振。
上記の改造をおこなったBM800を使いました。
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12125583894.html
WIMA FKP-2 100V 470PFを追加した様子です。
各種コンデンサを変えてテストしまくった果てなので汚くなっていますが・・・
(ECM~FET間にカップリングコンデンサ挿入)
波形:«測定法が不適切なため波形は削除しました》
コンデンサはWIMA FKP-2 100V 470PF使用
ローがすっきり伸びました。
波形:«測定法が不適切なため波形は削除しました》
200HZ以下が典型的にロールオフされています。
(コンデンサの選択)
(コンデンサ種類で激変するのだが・・・・・) 容量=470PF
① ニッセイフィルムコン @60円
子音が汚れ、高域にささくれ立つようなひずみ感あり
② 双信電機シルバードマイカ @300円(伝説の名コンデンサ)
中高域は透明感あり、硬めの音質、低域伸延はない。
③ 無名メーカー円板型セラコン@15円
出力レベルが下がり、やせた音、ホワイトノイズが激増。
④ WIMA FKP-2 (メタライズド・ポリプロピレン)@60円
低域が伸び一瞬「ハッ」とするファットな高音質。
他:ムラタ積層セラミック、Linkman MFコン、ポリエステルフィルム、FRAD-Erectronics フィルムコン、マルツのマイカコン、マイラコンなどについても音質評価を行いましたが好ましいものは皆無でした。
◎ここでもWIMAのコンデンサは絶対的に不動であった。
(コンデンサ追加で確実に音質変化は確認できるが、好ましい例はほとんどないようです)
どうしてこんな現象が起こるのでしょう?
ECMカプセルOUT~FET-G間にカップリングコンデンサを入れた回路
この解説らしきものはまず見当たらないが、Shinの察するところ下記のことが思い当たるが疑問も多い。
1.バックプレートにかかっている成極電圧がFETのゲートに加わり、ゲートリーク電流の不適切な変化によるFETの不適切動作を避けることが目的のDCカットに効果があった為か?
しかしECMではチャージ電荷は「分極電荷」なので外部回路には関係ないはずだが。
2.バックプレートからの出力信号がダンプされても超高抵抗(100MΩ~1GΩ以上)なので直結でも大きく特性を落とすことはないはずだが、この程度の「抵抗負荷」でもダイアフラムの振幅が抑制されるか・・・
★Shinの考察では後者で何かが発生しているとしか考えにくいのですが、この実態をご存知の方、ぜひ教えてくださるようお願いします。
(結論)
単に低域を延ばすためには上記1.のドレイン抵抗2.2kΩ短絡が適切です。
カプセルと次段デバイスとの関係を探りながらの音づくり実験の向きには上記2.の方法を。
この場合繰り返しますが、10種類のコンデンサをテストしています、別なコンデンサで同じ結論を得るのは非常に難しい、ここが「音響チューニング」の妙味です。
以上
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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