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1931 :mems(メムス)マイク使用 超小型マイク実用化への道(v.01機)前編

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星 注意:Memsマイク使用最大の課題は手半田の熱にたいへん弱いことですが

この方法で解決させました。  https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12574034452.html

 

ヨーロッパ 某社中心に超ミニサイズ・高品位のコンデンサマイクロホンが本格登場して久しい。

 日本ではそれよりはるか前(1991年)からのロングランである業務用ECM、SANKEN COS-11(4Φ、16.1mm)は今もって通用する小ささと内容である。

最近ATから2.6Φの無指向性マイクが現れたが手作りでそこまではまだできないことがわかり、3.5Φまで頑張った。しかし長さはグッと短く10mmであります

 

 memsマイクが台頭し、スマホを中心に従来からのECMに代わって組込みマイクの世界を席巻して久しい。

しかしそれを使った単体超小型コンデンサマイクを一定の完成度をもって自作で実現するにはいくつかの障害を乗り越える必要があります。

 

 memsマイクはもはや「センサー」範疇の半導体技術の集合体、やや方向性が異なるICマイクであることに注意が必要、ベースはコンデンサマイク(DCバイアス)です。

(一部にはECMのトランスデューサーもあり)

さらに「ピエゾ」型トランスデューサー≪vespermems.com/technology≫などもあり

 

 世代を重ねて改良が進み、特性・サイズの点からハンドメイド・単独マイクとして本格的に手をのばしても良い、と感じるようになりました。

 マイクメーカーの製品でmems仕様の単体マイクがあるのか、ないのか、そんなことはどうでも良い。

 

試作品を手にとってmems型コンデンサマイクの可能性を考えてまいりましょう。

先バラ状態で完成したICS-40720使用超小型マイクの試作品(v.01)

(3.5Φ×10mm) ケーブル長はこれで1.5mあります。

 

 

(memsマイクチップについて)

 使用したmemsマイクチップは2013年、Anarog Devices社のmemsマイク部門を買収した「IInvensense社」の製品です。

このメーカーの一連のmemsマイクは実に豊富で目を離せません。

 

 

 

サイズと音質にかなり相関関係があります。

 一世代前のADMP411や同一スペックのINMP-411では幅4mmでした。

国産サンケンの「COS-11」(外径4Φ)をボーダーラインにした場合、外径でそれに及びませんでした。

 

 高域は10kHZ~20kHZに+10~15dBという極端なピークを持ちますが、高域端の往なしかたでそれは避けられそうです。

低域はダイアフラムサイズの問題により「Lo-Cut off周波数」をいかに伸ばせるか」に尽きます。

 

 最近のMemsマイクではさらに小さくLo-Cut off周波数(-3dB点)が20HZ以下のものまで見かけますが、今回の試作では「ICS-40720」(Lo-Cut off f=70HZ)を使用しました。(チップサイズ:3mmX4mm)

バランスOUTのアナログ型ですのでVddを含め3芯シールド線が必要です。そのため、アンバラOUTにして2芯シールド線を使えるようにした。

最終外形は3.5Φ×10mmの超小型マイクとなりました。

 

アメリカ 現在さらに小さく優秀なものや、ほぼDC近くから収音できるものなどを取り寄せ中です。

特性良くサイズがどこまで小さくなるかが課題ですのでお楽しみに。

 

 

 

 

(製作)

ここからは次元の異なる超精密工作の世界だ。

 

 

(外筐・・・ケースについて)

 直径わずか3mmそこそこのmemsマイク外筐といえば、まるでフィギャーが持つマイクのようなサイズだ。

 memsマイクには半田付け、ケーブルを取り付けて外に出す構造が必要、想像もつかないまま手近なものを手当り次第当ててみた。

 なんと意外なものが上がり、仮配線で音声テスト実施、これがいい感じである、常識で考えてはダメだ。

それは、いまどき流行らない「携帯ストラップ」の金具だ。

 

memsマイクの音穴は横方向にあるのに、この縦形状で「イケル」と踏んだ理由には次の検証結果があります。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12537811591.html

 

 

(memsマイクと携帯ストラップパーツ)

こんなモノがマイク外筐になろうとは・・・

何とここまで小さくなる。

 

100円玉の下にあるのはmemsマイク(ICS-40720)、上は表、下は裏面。

いかがでしょう、マイク外筐として使えそうなことがわかりますね。

 

ストラップ金具はいろいろ求める中で内径3mm未満のものを選び出す。

(必要に応じ、ミニルーターで内径を広げる)

 

 

(ケーブル)

 しかしこれだけ小さいモノのに合う2芯シールドケーブルって有るのか。

 

 こういうときはきっと神が降臨するはず・・・・と、モガミに3011という2芯シールドケーブルを購入してみたがこれはイイ、正解でした。

(165円/m OYAIDE電気

外径は普段FetⅡなどに使っている「モガミ3031」より数段細く、1.3Φ。

つまり爪楊枝の2/3という細さの2芯シールドだ、そして特筆すべきはそのしなやかさにもある。

! なんと、ストラップの糸を通す穴にすんなりと通る細さ。

「細いにも程がある!」みたいなケーブルケーブルハンダ付けには余程の覚悟が必要です。

 

 

ICS-40720 ピンアサイン(TOP VIEW)

 

 

 

かなり半田付けに自信の有る方でも相当な覚悟が必要です。

ICS-40310でのハンダ付けの例です。

 

 

 

 

そしてここまで出来た。

先バラ状態で完成したICS-40720使用超小型マイクの試作品(v01機)

 

 

 

 

(memsマイクの泣き所は2つ)

memsマイクを手掛けるあらゆるメーカー共通の課題。

1.低域

振動系の構造上の問題で限界がある(口径・質量・張力)。

低域を伸ばすことと大きさは比例する。

 

(ICS-40720のデータより)

 

2.高域

構造上、10kHZ前後~以上に10dBを超えるピークが避けられない。

電気的、機械的にこのピークを鎮めることは比較的容易である。

 

ICS-40720 周波数特性

超高域の鋭いピークは補正する必要があります。

これはマイク内蔵AMP部で簡単に補正できます。

 

使用したファンタム動作AMPはTwo Leaf3 」をアレンジして使いました。

 

※後編ではXLRファンタム動作AMPをご紹介し「v01」機のまとめ、とします。

 

後編に続く

 

 

 

(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3、
fetⅡ‐bright など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作) 

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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2008 :Memsマイク用ローインピーダンス出力XLR-AMPの試作

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前記事のFET型に続き

 

今回は待望のLoインピーダンス出力(80Ω)で長距離伝送に対応させました。(出力インピーダンスは実測値です)

 

これによって3点(1点)吊りクラスの長距離伝送に対応させました。

(なお、ノウハウはECMにも流用できます)

 

(マイク直出し極細ケーブル側、XLRケーブル側ともに長距離平衡伝送OK)

 

 

(決め手)

それは2つありました。

1つ目は「ミニサイズTR」2SA933sとの出会いにあります。

LZⅡなど従来より2SA970のコレクタ接地・差動AMPで低インピーダンス出力の対応をしていましたが、バイポーラTRのサイズが大きいため、XLRコネクタ収納には取り扱いにくく敬遠しがちでした。

結果、ミニサイズの2SK330や2880のFET回路に頼りきりでした。

 

 さりとて、チップTRは避けたく、先月からの実験でミニサイズのバイポーラTR2SA933s及び2SA608sを候補に実験をおこなっていました。Vcboはやや気になっていたが2SA933sが問題なく使えることが確認でき、これを採用することにしました。(Vcbo:-50V)

http://www.datasheet.jp/pdf/696333/2SA933S.html

 また、2SA1740sのコンプリ用として現在でも安価かつ入手しやすいミニサイズTRでもあります。

いわばFETの「2SK330/2880」同様の位置付けとしてよさそうです。

 

チューリップ赤 コンデンサマイクの送り出し回路は、数百mに及ぶ「微弱信号伝送」という重要な役割をファンタム電源を含めた大きな回路で安定・安全に担います。

 とかく陥りやすいオーディオAMP設計のベテラン視点とは別なところにキモがあり、オーディオAMP技術の延長では凝れば凝るほどモノにならないことはこれまでもご紹介してきた通りです。

 これはマイクロホンであること、その事から目を離さない思考、オーディオAMPではない。

このことは、放送用マイクメーカー某社、元設計技術者より指南を受けた重要なポイントでもあります。

 

 

2つ目は収納ケースにあります。

ローインピーダンス出力のバイポーラTR回路はFET回路より部品点数も増え、基板はどうしても大きくなります。

したがってFET回路用の「ギリギリケース」を採用することはできず少しひねった。

 

Shinさん流「合体ワザ」の「2コいちケース」に収納、かくして出力インピーダンス80Ω(300m超型): 実測値 として試作完成しました。

(Memsマイク~XLR-AMP間は不平衡時250Ω、平衡時430Ω):於 ICS-40730

 

 

(回路)

Memsマイク出力のsingle-ended=不平衡(アンバランス)Lead out・・・フィルムコン使用:OK

 

 

 

Memsマイク出力のdifferential=平衡(バランス)Lead out・・・・・・フィルムコン使用:OK

 

 

 

XLR-AMPのカップリング・コンにケミコンを使用した例・・・NG

 

チューリップ赤 コレも重要ポイントですが、コレクタ接地、ドレイン接地回路はエミッタ接地、ソース接地の回路とは出力位相関係が逆になる事。

平衡回路ですので②③を逆にするだけで、あたりまえですが意識して扱いたいマイク回路のイロハです。

 

 

(状況)

カップリング・コンにケミコンを使用すると最初は普通に動作します。

「WIMA MKS-2 0.22μFとの音比較でも決して良い結果にならない」と感じました。

 

そしてうっかりファンタムONのまま抜き差ししたところと急に黙った。再度挿してもノイズしか聴こえない、これが「Mems ICの過電圧破壊」です。

ファンタムONーOFFでコンデンサ入力側対GND間に30数V現れ、Mems ICの破壊が起こっている。

コンデンサの「漏洩電流」のせいなのか、「充放電のプロセス」での発生なのかは不明ですが、これはNGです。前記事の事例とそっくりな症状です。

 

ハイパスフィルターとしてのfcは0.22μF・150kΩで4.8HZですのであえて容量の大きなケミコンを使う必要はナシ、聴感上もWIMA MKS-2の方が好ましいです。

 

 

 

 

さいごに

ミニTR、2SA933sの存在とこの合体ケースがカギとなった。

ここまで来られたのは「絶対できる」と信じる事くらいしかありません。

 

以上

 

 

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2009 :Memsマイクを使った超小型マイクによるバイオリン収音の実際

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Memsマイクの音楽用途としての可能性開発を昨年よりおこなってまいりました。

 

試作は最終に近づいてきました。

このたび名古屋にお住まいのバイオリニスト 松本一策氏にお願いして2種類のマイクロホン(Memsマイク ICS-40720、730使用)の試用をおこなっていただきました。

 

テストしたマイクロホン

外形3.5mmと6mm(ICS-40720およびICS-40730使用マイク)

 

クローバー 今回はバイオリンによるクリップオン及び至近距離のオフマイク条件でのご報告となります。

(Memsマイク2種類の録音にはPAD = -18dBが入っています)

これにてファンタム式パナ改 FetⅡに対するFetⅡi に相当します。

 

 

 

クローバー バイオリンの宅録及びPAを意識したこの2つのマイクの姿を見ましょう

(※本記事内容は松本氏のご厚意により御了解いただいております)

 

ISSAKUWelcomeDTM  「ブログ」

https://s-violine.com/index.php?QBlog-20200321-1

 

 

 

「MEMS 3.5」はICS-40720使用 外形3.5Φマイクロホンです

「MEMS 6.0」はICS-40730使用外形6Φマイクロホンです

 

「ON」は楽器クリップオンが条件

「OFF」は楽器上空 約70cmが収録条件となっています

(DPA 4099ではオフ収音ではなく、ややオフったクリップオン条件であるとのこと)

 

比較対象マイク音源とはできる限り同一レベルにてご試聴ください。

 

 

音符【下記音源部は松本一策さんのブログにリンクしています】

 

 

ブルッフ

ヴァイオリン協奏曲第1番の冒頭

モンティ
チャルダッシュより
 
スケール
ト長調4オクターブアルペジオ
 
 
バイオリンへの装着例 (写真撮影:松本一策さん)
 
3.5Φ超小型マイク(ICS-40720使用)を装着 ①
 
 
3.5mm超小型マイク(ICS-40720使用)を装着②
COUNTRYMAN Tie Clip使用
 
 
6mm小型マイク(ICS-40730使用)を装着①、
FetⅡ時 も同一
 
 
6mm小型マイク(ICS-40730使用)を装着②
 
 
6mm小型マイク(ICS-40730使用)とFetⅡ、ATホルダー
 
 
3mm超小型マイク(ICS-40720使用)とカントリーマン Tie Clip
撮影:Shin
 
 
DPA 4099をクリップオン装着(ON)
 
 
感想(Shin)
極小3.5Φ(ICS-40720)使用の実力が見どころであろう。
十分いける。
オンマイク(クリップオン)ではICS-40720も40730も十分な実力を見せる。特に3.5Φ(ICS-40720)使用マイクのパフォーマンスは形状的にも極力演奏上の邪魔になりにくく実質的と言える。
 ケーブルの細さ(1.35mm径)は「コワイ」、とその長さとともに再考の必要をご指摘いただいている。
 
 70cmのオフマイクではオン同一条件ではレベルの低さが目立ちますが、40720、40730両MemsマイクともにSN比の高さゆえレベルを揃えれば品位の高い収音を見せているのがわかります。
DPA 4099ではオフ収音ではなく、ややセッティングを変えたクリップオン条件であるとのこと。
 
無指向性マイクは特にケースの振動衝撃には鈍感であるためクリップオン時には単一指向性比でスッキリした音が得られます。
このオン表現の違いは好みの分かれるところではあります。
Memsマイク特有の高域ピークと外筒のレゾネーションはやはり課題、それらをおさめれば完成です。
筒レゾネーション対策  撮影:Shin
 
これらは比較録音でぜひお確かめください。
またPA耐力は4099同等である旨報告いただいています。
 
Memsマイクの音楽使用に大きな可能性を見出すことができました。
これらのデータをもとに最終完成にむけてまいります。
 
本実験に全面的にご強力いただいたバイオリニスト 松本一策さんには重ねてお礼申し上げます。
 
 
とき同じくして
2020年4月現在、全世界的なコロナウィールスのパンデミック、先の見えない危機的状況に至り、皆様方の健康をお祈りするばかりです。
 
 
以上
 
 
 
 
おしらせ

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2010 :Lo-Z ファンタム式パナ改マイクロホンのmini TR版  LZⅡb

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WM-61A はその後、高値ながら必要に応じて入手は可能です。

ニセモノも出回っていますので適切な判断が必要です。

筆者自身は販売終了前に秋月より一定量を確保して、防湿保管していますのでこの代替品の評価は行いましたが、普段使いはやはりWM-61A、これには普遍的な良さを感じます。

もちろん、物理特性の優れたEM-158の選択肢もあります。

 

そこでめずらしく 「LZ-Ⅱ」 の改良版製作となりました。

 

新機種 「LZⅡb 」  

WM-61A(改) 「ファンタム式パナ改マイク」しばらくぶりの新機種です。

 

 

 

(回路について)

8年前、1年をかけて遠距離伝送の高品位保証実験を行ないながら「低インピーダンス・バランスOUT」としてXLRコネクタに入る納得できる出力インピーダンスの回路を調整して完成に至った経緯があります。

 

結果200m超え程度では、劣化は微塵もみられず無延長との聴き分けは困難な高品位音質を確保したのがこの回路です。

 シミュレーションでは1kmでも問題のないことで定評のLZ-Ⅱがそれです。https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11361654313.html

 

このファンタム動作差動回路は「茶こしマイク」と呼ばれて音響家間で有名になった「ピアノ用XYステレオマイク」にも採用され、某ホール常設されたものが演奏家にも好評で噂が広がりました。そんなマイクロホン回路です。

 

マイクロホン回路を見るとき忘れてはならないのは「その先」まで、ケーブルとファンタム回路を含めたマイクAMP「HA」までを「マイクロホン回路」といって良いでしょう。

XLRコネクタ出力部まではカプセルのインピーダンス変換を主とした「途中回路」です、このことは絶対お忘れなく。

 

(回路図)

 

(ファンタム式パナ改マイク LZⅡb

今回、ミニサイズTRへの置き換えマイナーチェンジを行ないました。

FetⅡ の2SK330・2SK2880と比較して2SA970は二回り大きく、いざとなると基板上ではつらい存在、躊躇しがちでした。

 最近2SK933sの可能性をを見つけたことにより、LZⅡ はミニサイズTRの使用により、LZ-Ⅱb として楽な製作と低電流化を実現しました。

 

基板部でハミ出すように苦しそうだったTRがだいぶ楽になりました。

基板全体ではケミコンが大きいのでサイズはLZⅡと変わりません。

基板左側、50V22μFのケミコンは銘柄で結構音が変わります。

数種類交換しながら「マイボイス・リアルタイムモニター」にギターの録音を加えたテストの結果、結局元々の「東信Jovial」に戻りました。

 

このコンデンサ比較テストにおいて、判断のつきにくい、微妙なニュアンスの判断には、やはり楽音以上に正確な結果を出すこともハッキリと認識できました。

 

逆に言えば、自分の声をリアルタイムにヘッドホンモニターする「マイボイス・リアルタイムモニター」の弁別能力の物凄さに脱帽です。

この結果が好ましければ楽音でも必ず良い結果になる、という逆説。

「マイクロホンの能力は自分の声で一瞬にわかる」ということです。

10年間、これでマイクロホンの微細なチューニングすべておこなっていますが評価結果は測定による物理特性とは比較になりません。

未知のマイクの能力は手にした瞬間にある程度知ることこそ大切です。

 

 一番不適切なのは「次の録音(使用)チャンス」を待ってテストする」という、それまでは「海のものとも山のものとも分からない」という多くのかたがおちいりやすいパターンです。

 

このサイトでのマイク音質は記事にする時点で上記の評価をおこなったものしか扱いません。

 

チューリップ赤マイボイス・リアルタイムモニターについて

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12193806281.html

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12389007576.html

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12368523863.html

(他人の声や録音音声では不可能です)

 

 

かくして新LZ-Ⅱである LZ-Ⅱb 誕生となりました。

 

以上

 

追)この「LZⅡb は fetⅡ、fetⅡi、fet3 に加えてご注文により製作を承っておりますのでお問い

合わせください 

 

 

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2011 :「ShinさんのPA工作室」記事ランキング ( 2020年5月1日)

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コロナに負けるな 虹 「Stay Home」で命を守ろう。

 

 

「ShinさんのPA工作室」はどんな記事が閲覧されているのだろう?

ということで、今回は本ブログアクセス解析より2020年4月、1ヶ月間

についてご報告しますのでそれぞれでご参考ください。

 

 

 

2020年4月1日~4月30日の閲覧実績により50位までを下記に抜き出しました。

 

チューリップ 下記はそれぞれの記事にリンクされています

 

 

順位                                                                         アクセス回数4月

1.  1603 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第1編)    1,213

 

2. 1411 :誰でもできる「電子レンジ・オーブン焼付け塗装法」の完成                  904                                                                                    

3.  1119 :ファンタムパワーとプラグインパワーは全く違います                          749

 

4. 1605 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(題2篇)      609 

 

5.  1109 :禁断!「激安マイク CM-5 の定番化改造」を材料費0円で                     594                                                                 

6.   1604 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第2編)     389      

7.  1613 :あの幻のFET、2SK330に代わる現行品が現れていた                   387

8.  2009 :Memsマイクを使った超小型マイクによるバイオリン収音の実際            337  

9.  1823 :あの激震、「AMAZON中華激安マイク改造」の真意                            331   

10.  2010 :Lo-Z ファンタム式パナ改マイクロホンのmini TR版 LZⅡb                  312

 

11.  1051 ::ミニプラグ・ジャックの宿命的欠陥について                                      300

12.  1121 :「単一指向性コンデンサマイク」自作のツボ (前編)                           298   

13.  1207 :100均のオーディオケーブルを解剖してみたら エッツ!(ノ゚ο゚)ノ           269 

14.  1216 :Behringer ECM8000を「使えるマイク」に改造(前編)                         260  

15.  1230 :「単一指向性」 マイク自作の最重要ポイント                                    241 

16.  0910 : パッシブ型ダイレクトBOX( DI )の手作りと測定                            235   

17.  1611 :「 ファンタム動作電圧48V」という希望的妄想                                 232

18.  1606 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第4編)      209

19.  1043 :パワーポイント(Microsoft PowerPoint)を使った製図法                     208   

20.  1032 :ひと味違う「配線ケーブル被覆剥き工法」                                        198 

 

21.  1607 :ECMが「安物コンデンサマイク」だと?                                            198

22.  1020:JTSの激安、PDM57を改造してSM57の音に(Vol.Ⅰ)                187

23.  1417 :薬品不使用、熱処理による「ステンレス・銅の黒染め」                        183

24.  1929 :AMAZONの「激安 超指向性マイク」の実用化改造(前編)                   176

25. 0919 : 「プラグインパワー」の問題点                                                      172

26.  1926:ファンタム式パナ改、fetⅡを自作・・大切なお知らせとノウハウ(後編)   165 

27.  1511 :ありがとうWM-61A おせわになりました                                           165

28.  2006 :自作マイクのMems化に朗報、 ICS-40720、730の手半田法完成          150

29.  1034 :JTSのPDM-57 「SM-57似改造チューニング(Vol.Ⅱ)」 これが本命かも  146

30.  1103 :アースについてもう一度考えてみませんか (後編)①                         145

                                 

31.  1042 :このブログを参考にマイクの改造をなさる方へ                                  133

32.  2005 :ベリンガーC-2とAMAZONのNeewer NW-410の合体                         133

33   1530 :激安リボン、MXL R144の高品位化改造 (第1編)                             132

34.  1609 :AMAZON超激安マイク改造 総集編                                                129

35.  1330 :お役立ち記事へのショートカット集                                                  128

36.  1217 :Behringer ECM8000を「使えるマイク」に改造(中編)                           127

37.  1721 :真空管 KORG Nutube、 磁石でマイクロフォニック・ノイズを消す            126

38.  1812 :(秋月)プリモ EM158 ECMカプセル ファーストインプレッション                118

39.  1146 :大口径?コンデンサマイク C-1 に「活!」(後編)                                118

40.  1029 :「高級半田ごて」など使うな                                                            117

 

41.  1320 :あろう事か・・・名品ピンセットが「ダイソー」にあった                              114

42.  1240 :超低インピーダンス・ファンタム式パナ改マイクの進化形 LZ-Ⅱ                        108

43.  1612 : ツェナーダイオードの猛毒性領域について                                        105

44.  1930:AMAZONの激安、超指向性マイクの改造(後編):電池/ファンタム DUAL動作 104 

45   1414 :ECM、2線式・3線式の相違、そしてMEMSマイクへ                                  102

46.  1621 :大口径?コンデンサマイク C-1に「活!」あとひき完結偏                        100

47.  1925 :ファンタム式パナ改、fetⅡを自作される方に大切なお知らせとノウハウ(前編)   99

48.  2008 :Memsマイク用ローインピーダンス出力XLR-AMPの試作                          98

49.  1001: 「禁断!」ベリンガーXM-8500が58の音に                                           88

50.  1122 :「単一指向性コンデンサマイク」自作のツボ (後編)                                 88

     

 

これをいつも参考にしながら新しい記事の方向性などを決めています。

 

 

 

 

おしらせ

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb  など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)

 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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2001 :あたらしい年に 2020年

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新年おめでとうございます

 

ことしも宜しくお願いいたします。

                            2020年元旦

 

今年も皆様にとって素晴らしい年でありますようお祈り申し上げます。

 

 

 ShinさんのPA工作室はおかげさまで11回目のお正月を迎えることができました。

 この10年間、さまざまな形で支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。


 

 

不完全技術も使わなければそのままだ

されば使って進歩させるのが私達の仕事だ  (Shin)

 

 

 

 毎年、新年の計を述べて自分にプレッシャーを与えています。https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12428728997.html

 

 昨年予定はすべてクリアしましたが自己採点では40点、ぜんぜん甘い。

 

 しかし、過去の形式であるリボンマイクは過去のままであることに価値を見出した。

 また誰も相手にしなかった「クリスタルマイク」を2年前ひきずりだして以来、新しいアプリケーションを加え、時間をかけて復権を果たしたことは特にアマチュア無線の世界では大きなインパクトをもって歓迎されております。関係してきた皆様には深く感謝申し上げます。

 

 「退行技術」は価値を持たない、と長らく言われ続けたが「退行的進化」がトレンドとなって久しい、捨てる神あれば拾う神あり。

いつの時代のものであれ先人の英知はありがたく拝受すべきと感じました。

その先を受け持つのは私たちです。

 

そして時代の流れは「memsマイク」である。

 

 

 

ことしの目標はは2つ

1.アナログmemsマイクを発展させた高品位マイクロホンシステムの構築。

 

2.RF型コンデンサマイクの開発、Z社を超えたい。

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

(お知らせ)
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2011 :「ShinさんのPA工作室」記事ランキング ( 2020年5月1日)

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コロナに負けるな 虹 「Stay Home」で命を守ろう。

 

 

「ShinさんのPA工作室」はどんな記事が閲覧されているのだろう?

ということで、今回は本ブログアクセス解析より2020年4月、1ヶ月間

の結果をご覧いただきますのでそれぞれご参考ください。

 

 

 

2020年4月1日~4月30日の閲覧実績により50位までを下記に抜き出しました。

 

チューリップ 下記はそれぞれの記事にリンクされています

 

 

順位                                                                         アクセス回数4月

1.  1603 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第1編)    1,213

 

2. 1411 :誰でもできる「電子レンジ・オーブン焼付け塗装法」の完成                  904                                                                                    

3.  1119 :ファンタムパワーとプラグインパワーは全く違います                          749

 

4. 1605 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(題2篇)      609 

 

5.  1109 :禁断!「激安マイク CM-5 の定番化改造」を材料費0円で                     594                                                                 

6.   1604 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第2編)     389      

7.  1613 :あの幻のFET、2SK330に代わる現行品が現れていた                   387

8.  2009 :Memsマイクを使った超小型マイクによるバイオリン収音の実際            337  

9.  1823 :あの激震、「AMAZON中華激安マイク改造」の真意                            331   

10.  2010 :Lo-Z ファンタム式パナ改マイクロホンのmini TR版 LZⅡb                  312

 

11.  1051 ::ミニプラグ・ジャックの宿命的欠陥について                                      300

12.  1121 :「単一指向性コンデンサマイク」自作のツボ (前編)                           298   

13.  1207 :100均のオーディオケーブルを解剖してみたら エッツ!(ノ゚ο゚)ノ           269 

14.  1216 :Behringer ECM8000を「使えるマイク」に改造(前編)                         260  

15.  1230 :「単一指向性」 マイク自作の最重要ポイント                                    241 

16.  0910 : パッシブ型ダイレクトBOX( DI )の手作りと測定                            235   

17.  1611 :「 ファンタム動作電圧48V」という希望的妄想                                 232

18.  1606 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第4編)      209

19.  1043 :パワーポイント(Microsoft PowerPoint)を使った製図法                     208   

20.  1032 :ひと味違う「配線ケーブル被覆剥き工法」                                        198 

 

21.  1607 :ECMが「安物コンデンサマイク」だと?                                            198

22.  1020:JTSの激安、PDM57を改造してSM57の音に(Vol.Ⅰ)                187

23.  1417 :薬品不使用、熱処理による「ステンレス・銅の黒染め」                        183

24.  1929 :AMAZONの「激安 超指向性マイク」の実用化改造(前編)                   176

25. 0919 : 「プラグインパワー」の問題点                                                      172

26.  1926:ファンタム式パナ改、fetⅡを自作・・大切なお知らせとノウハウ(後編)   165 

27.  1511 :ありがとうWM-61A おせわになりました                                           165

28.  2006 :自作マイクのMems化に朗報、 ICS-40720、730の手半田法完成          150

29.  1034 :JTSのPDM-57 「SM-57似改造チューニング(Vol.Ⅱ)」 これが本命かも  146

30.  1103 :アースについてもう一度考えてみませんか (後編)①                         145

                                 

31.  1042 :このブログを参考にマイクの改造をなさる方へ                                  133

32.  2005 :ベリンガーC-2とAMAZONのNeewer NW-410の合体                         133

33   1530 :激安リボン、MXL R144の高品位化改造 (第1編)                             132

34.  1609 :AMAZON超激安マイク改造 総集編                                                129

35.  1330 :お役立ち記事へのショートカット集                                                  128

36.  1217 :Behringer ECM8000を「使えるマイク」に改造(中編)                           127

37.  1721 :真空管 KORG Nutube、 磁石でマイクロフォニック・ノイズを消す            126

38.  1812 :(秋月)プリモ EM158 ECMカプセル ファーストインプレッション                118

39.  1146 :大口径?コンデンサマイク C-1 に「活!」(後編)                                118

40.  1029 :「高級半田ごて」など使うな                                                            117

 

41.  1320 :あろう事か・・・名品ピンセットが「ダイソー」にあった                              114

42.  1240 :超低インピーダンス・ファンタム式パナ改マイクの進化形 LZ-Ⅱ                        108

43.  1612 : ツェナーダイオードの猛毒性領域について                                        105

44.  1930:AMAZONの激安、超指向性マイクの改造(後編):電池/ファンタム DUAL動作 104 

45   1414 :ECM、2線式・3線式の相違、そしてMEMSマイクへ                                  102

46.  1621 :大口径?コンデンサマイク C-1に「活!」あとひき完結偏                        100

47.  1925 :ファンタム式パナ改、fetⅡを自作される方に大切なお知らせとノウハウ(前編)   99

48.  2008 :Memsマイク用ローインピーダンス出力XLR-AMPの試作                          98

49.  1001: 「禁断!」ベリンガーXM-8500が58の音に                                           88

50.  1122 :「単一指向性コンデンサマイク」自作のツボ (後編)                                 88

     

 

この「閲覧実績」をいつも参考にしながら新しい記事の方向性などを決めています。

 

(考察)

トップ5にランクされた記事が興味深い。

1位  1603 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(第1編)

は4年前の大ブレイクが未だ衰えていないことが見えると思います。

「定番改造」と呼ばれ賛否両論の中、商業スタジオでも静かに使用されるほどのグレードを持つため、おびただしい本数の激安中華マイクが全世界で求められ続けてきました。

 中にはマガイモノ商品もけっこうあったり、改造を請け負うツワモノも見かけました。当時はこの記事だけで最高時1万アクセス/日を超え、びっくりしていましたが、現在でもこのように続いて毎日のトップから落ちません。

 

 また、ヨーロッパスタイル(ツェナー・ダイオードを残す方式)の改善依頼をメキシコの読者から受け、部分修正して提案しました。

気乗りしないこの改善型は海外でのみ広まっています。

 

ツェナー撤去方式に一朝の理ありだが、これはこれでヨシ。

これはYOUTUBEに私がメキシコの読者に送ったものが都合よく利用されてしまっていますが、それもアリかと。

YOUTUBEのコメントが半端なく各国間の活発なフォーラムとなっていることに、むしろ英語圏のファンの熱さに感動を覚えます。

 

 

2位  1411 :誰でもできる「電子レンジ・オーブン焼付け塗装法」の完成

はハンドクラフトのかなり広いジャンルでご参考いただいており、仕上がりの良さ・強靭さは専門業者並と、モデルガンはじめ塗装難易度の高い分野で好評、素人版焼付塗装のスタンダードになりつつあります。

 

3位   1119 :ファンタムパワーとプラグインパワーは全く違います

はなぜ高順位なのか筆者にも理解できませんが、それだけこの両者の違いが分かりづらいのでしょうか? 謎です。

 

4位 1605 :Amazonの超激安コンデンサマイクが高級機に変身する改造(題2篇) 

は1位の記事と同一テーマにあります。 

 

5位 1109 :禁断!「激安マイク CM-5 の定番化改造」を材料費0円で 

はこのブログ開設のきっかけになったCM-5のグレードアップ改造。

かならずしも最適ではありませんが、マイクロホンという「分解・改造し難い」機器の改造を身近にして多くの方がそれぞれに値段以上の価値を手にしていただいた元祖「定番改造」。

「ShinさんのPA工作室」の代名詞にもなった代表的な記事です。

 

 

 

今後も「発想の転換」を軸にしてささやかながら貢献できるよう精進してまいります。

 

                    以上 

 

 

 

 

 

 

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2012 :Mems用XLR-AMP 2題

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Memsマイク 用のXLRーAMPをこの間5~6種類試作してきました。

超小型ワザの無理も重ねてみたが、やはり適切な大きさは必要であることをやっと悟った次第です。

 

これはくやしいが「没」にした。

Switch CraftのXLR~ミニXLR変換アダプタの筐体使用の外観は

捨てがたい限りではありますが、3蜜どころではないスシ詰め。

 

 いくつもの試作のなかで、このXLR-AMPは「出来映え」と「無理なく製作できる」の2つの要素を兼ね備える必要を感じココに至りました。

安定的にカタチになるこの2種類についてご説明します。

A型:下、B型:上

 

これはECM用途にも応用できますので、ワイヤレス用ラベリアマイクの高品位有線化など読者の皆様のお役にたてれば幸いです。

 

 

 

 

挫折したりバラしたり、納得いくまで・・・・・

 

旗 コレに使える市販品外筐はほとんどない。(あたりまえだが)

・XLR~ミニXLR変換アダプタ:そもそも分解できない構造、またはミニXLRが外せない構造がネック。

・一般XLRコネクタ単独の場合:小さすぎ、ミニXLRの固定法がみつからない。

 

 

旗 (番外)メーカー製XLR-AMPの流用

RODE、AUDIX、JTS、C/P の新旧タイプ及びAT製を試したが・・・

SN比の悪さ、ショック鳴きなどグレードの低さ、大きさの問題や1.5~3.6V用に改造が必要など、

仮に互換性があるものでも決して満足できるものではなく、格安メーカー品もそうでないメーカーモノも品質レベルに差はない。

 

 

 

 

A型(ミニXLR 3ピン用)

・旧ノイトリックXLRコネクタ・コピー版 使用

写真のままご参考ください。

基板とMini-XLRコネクタとを一体化します。

 

Mini-XLR 2ピンを基板(スルーホール)から浮かせ、独立・半田付けできるようにする。

※1.2mm厚のユニバーサル基板は非常に少ないです

さりとて1.6mm厚では出力側XLRの取り付けはきびしいです。

 

出力側XLR取り付け部は省略してあります。

 

 

前記事をご参考ください。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12556257178.html

 

 

 

 

B型(ミニXLR 3、4ピン共用)

・旧ノイトリックXLRコネクタ・コピー版+Amphenol AC3Mケース使用

 

・この特徴はケース内容量が大きくとれ、アレンジして作りやすいこと。

・材料の「Amphenol AC3M」XLRコネクタはGNDピンが無い。賛否分かれるがEMC理論的には誤りでありノイズトラブルの元であること、

・プラスチックにて浮いておりミニXLRのフレームGNDは重要です。

・配線材はAWG-28程度が適切。

・金属ケースからはみ出した信号線部分はローインピーダンスであり

 誘導ノイズの心配はない。

 

面倒ではあるが理論破綻のない上図複合構造とした。

 

 

 

さいごに

こんなモノをたくさん作ってどうするの? メーカー製も7種類を入手・評価した、そのままで満足できるものはない。

 無理を承知の私の条件をクリアーさせるには作ったほうがいい、いや作るしかない。

当然、「入れ物」としての選択が第1条件であるので、市販のコネクタや変換アダプタを含め可能性の糸をたぐってでも見えないことだらけである、情報が少なすぎるので実物を手にして、バラしてわかることばかり。

「コレ」と「アレ」を組み合わせてはまた失敗。

 

 どんなに失敗しても、やってみないことには海のものやら山のものやら見当すらつかない、片っ端から調達して作っては試すという愚行で対応した。

条件を満たす好事例があればそれを正解とすることにしました。

 

           以上

 

 

 

 

 

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2013 :AMAZON激安ヘッドセットマイク/イヤーフックマイク

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コロナに負けるな 虹 「Stay Home」で生き残ろう。

 

 

 

AMAZONのマイクなんて「次元の低い安物ばっかりさ」と・・・

 

そんなつもりで何の期待もせずにいると4年前のようなありえへんマイクが発見できたりする。

 

回も何かのはずみでポチったものでありますが・・・

1,000円ソコソコにもかかわらず内容が「素晴らしく普通」なのです。

(価格は日々変動しているようです)

 

成田屋の「Clasic xxの半額以下」、Shinの見立てではまず同一物でありましょう、これは皆様にもご確認頂きたいところです。

「Clasic xxの半額以下」っていったいどんな粗悪品?とちょっぴり楽しみに到着を待った。

届いてすぐ、音声、完成度、使い勝手を確認した。

 

逆相さえ回避すれば「おやっ」と思うほどイイ、SN比は高く品位の高い音質と併せて一瞬で価格を忘れさせる力を持つ、これは今回入手した2種類どちらも同じです。

 カプセルは4ΦECMらしく2線式、そして1Φのピアノ線らしきものに線を通す為、中空に加工したその先に付いている。

 

音符ヘッドセットマイクはアイドル女子やエアロビクスのインストラクター御用達の「見える系」とミュージカル用途に代表される「見えない系」とに分かれ、「顔マイク」の需要は宝塚あたりからはじまり後者を席巻している。

定番顔マイクの例

 

 

 

(購入した2種類)・・・見えない系

 

1.AMAZON (片耳掛け) 1,599円で購入

 

 

2.AMAZON (両耳掛け) 1,285円で購入

 

 

 これらベルトパックのトランスミッターとともにワイアレスでの定番利用が高まっています。

 

DPA、AKG、Shure、Line6と比べるまでもないが、装着してしまえばそれらとの違いもおそらく判らないでしょう。

 

音質は十分、SN比はこのサイズ(4Φ未満)のECMとしてはきわめて高く、超ON~ONに限定される使用環境であるのでまったく心配はいらないでしょう。

 

このタイプにありがちな「手・肌擦れノイズ」をはじめ、マイクブーム(1Φ)の鳴きも皆無であるのは素晴らしいです。

 

SN比が高いため、意外なオフマイクもいけるはずです。

 

 

 

 

(使い勝手)

まず。モニターした瞬間、独特の違和感、逆相なのでリバースして正常。

片耳掛けタイプと両耳掛けタイプがありますが、両耳掛けはうっとうしく、軽いので、むしろ片耳掛けのほうが身体の動きに対しストレスなく扱いやすさとフィット感は十分といえます。

無指向性ですがベタオン使用では気をつけさえすれば問題はない。

 

 

旗 まったく別ジャンルとして片耳掛け型なら「ASMR」用途にも使えるでしょう、高SNのなせるワザ。

 

 

(結線)

ミニXLR3ピン型と4ピン型がありますが、互換性はありませんので受け側(ベルトパック側)に合わせます。

誤配線程度では壊れませんからまずは使ってみて動けばそのまま、動かなければコネクタ結線を直す程度で十分でしょう。

 

ミニXLRコネクタの結線の違いや3P、4Pの違い程度は微々たる差、かならず共通で使えます。

 

マイク部はECM(2線式)です。ミニXLRコネクタの接続アレンジはいくつかありますが、基本形として多いのは1:GND、 3:SIG、 2:+VDDです。

(ノーマルのXLRコネクタとはピン配列が異なります)

 

2線ECMが動作するように接続するだけですので、ミニXLRタイプのベルトパックであるかぎり3ピン、4ピンの別さえ選べばどこのメーカーでも問題なく使えるわけです。

 

(ファンタム動作には)

https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12584180511

 

ちょうど前回の記事、この2種類のXLR-AMPがピッタリ合います。

 

 

(回路図)

 

 

≪出力位相の問題≫

出力の+ー表記が反対じゃないの?

 

いえいえ、こうなっていますヨ、だから安いんでしょうかネ。

「逆相、とかいわれてもちゃんと音出てるし全然わからない」、「そんなのどうでもイイ」とおっしゃる初心者にはまったく向きません。

反転承知で使いこなせるプロ向きです。

 

 

「逆相出力」は卓側でリバースできますが鬱陶しい問題です。

同じECMでも 「バックエレクトレット型」と「膜エレクトレット型」では出力位相が反転することをご存じでしょうか。

「バックエレクトレット」型は単に改良新型ではありませんのでマイク自作には増幅段数同様に、常にプラス出力することが求められます。

 

フォーリーフ社の例を拝借します  http://www.four-leaf-mic.com/seihin.html#02

こちらの「極性」と書かれた部分でその違いがハッキリわかると思います

 

・ベルトパックでそれに合わせて反転対応していれば問題ありません。

・ファンタムAMPでは②③反転または一部回路変更が必要です。

 

「逆相なんて関係ない」と言い放つようでは音響技術の入り口でドロップアウト確定です。

 

ハート 「安物」をそのまま使えば「安物の音」しかしない。それを素人と呼び、「安物」を安物承知で結果を出すエンジニアをプロと呼びます。

それは同一マイクを使っても天国と地獄ほどの差を見せます。

プロだからです。

 

        以上

 

 

おしらせ

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb  など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)

 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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2014 :11年目の「LANケーブルを用いた4chマルチケーブル」その後

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コロナに負けるな 虹 「Stay Home」で安全に

 

 

6月11日でこのブログ開設から11年になりました。

 

開設当初の冗談のような「ぶっ飛びアイデア」で企画、実験、試作したグッズでした。

それもそのはず、ダイナミックマイク+UTPケーブル(普通のLAN

ケーブル)ではシールドさえ必要なく、それでいてハム音を発生することもない、という「常識をひっくりかえしたような事実。

  こんな「トンデモ機材」をでっちあげた筆者自身、手放せない便利ケーブルとなって現場で活躍してきたのがコレです。 

 

1号機

 

(0907掲載 2009年7月11日)

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10297857139.html

 

あるPA技術セミナーで実験紹介したところ皆、あっけにとられたような様子、休憩時間には多数実機を眺めに来て質問攻め。「たった4ch」のこんな機材でも需要のある事を認識した。

その後問い合わせも結構ありました。

 

必要に迫られて、その後同様のモノを地味に自作するエンジニアが続出しました。(この時点で市販品が要望されていたんですね)

 

LANケーブルで簡単に延ばせる手軽さがミソですね。

 

 

乙女のトキメキ 最近、成田の「音の家」からC/Pの製品として第2号機そっくりで製品化されて出ていますね。

 

 

当時、Cat-5のSTPケーブルを探して恐る恐る実験を始めたのがこの非常識なマルチケーブルでした。

 

「LANケーブルって、ひょっとして4cHマルチケーブルにならないか?。しかし、シールドはどうしよう」・・・などと試作品をでっち上げた。

 

誘導ハムもクロストークも測定確認するにつれ何の問題もないかもしれない、と徐々に使用しながら実態が分かってきた。

その後なにくわぬ顔をした機材となって馴染んでいることに妙な感覚を覚えました。

 

 

1号機 では

 

GNDのロックのない不完全さが心配でした。

ファンタムを加えてコンデンサマイクを生かした場合、なにかのはずみでジャンクションBOXに振動が伝わると、一瞬ファンタム供給が絶たれ、「バリッ」となり、事故につながるヤバさがあったため、ファンタム厳禁のマルチケーブルとして重宝してきました。

 

2009年7月の1号機

当時「冗談」のような、それでいて羨望された「LANケーブル使用4chマルチケーブル」一式

 

 

 

2012年ころイーサコンが登場した。

 

2号機

 

 

(記事:1704)で採用して完成度の向上したシステムに変貌できました。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12240590476.html

2号機:現場での実使用状態

 

 

 

イーサコン使用で安定化が図られた2号機

 

 

「ぜひ作ってほしい」という依頼もずいぶんありましたが、仮に作っても面白味は何もない為、すべてお断りして心苦しい経験をしてきました。

 

それもそのはず、両端のジャンクションBOXと30mのケーブル一式が、なんと1.7kgという軽さ、A3の書類袋にスッポリ収まる。

工夫しだいで使いみちいろいろ、生唾モノであったのでしょう。

 

17kgではありません、たった1.7kgです。

 

 

そんなこんなで時が流れ・・・

 

昨年あたりから成田のC/PブランドでShinさん的製品が現れました。

さんざん苦心してでっちあげたものが「製品」として現れてくれた。

これは誰もが歓迎でしょう。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/275503/

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/244368/

 

「パクられた」というよりも、良くぞ商品化してくれた、製品さえ提供してくれたら価格面でも適正ですので、皆様にも面倒な工作から開放され、ほっとした次第です。

めずらしい例ですが発案者としてはまことにありがたい実例です。

 

 

このシステムのキモはコンデンサマイクさえ使用しなければUTPケーブルが使え、静電シールドに頼らないでもマイクレベルのアナログ伝送ができ、STPケーブルを使えばファンタム供給も問題なし。

機材は量的にも重量的にも圧倒的な有利さを獲得した、ということでしょう。

 

アナログ電話では150年前から実運用してきたことをLANケーブルに置き換えただけですので、いまさらどうって事ないアナログ技術です。

 

かつての経験からShinは特許のたぐいを好みません、最強の知財保護ツールとして、逆発想である「全公開」を旨としてうまくいっています。

商業的節用は気になるものの自力では不可能な商品化がこういう形で実現し、必要な人に行き渡るなら良しとします。

 

以上

 

 

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2015 :あなたの「 EV RE20」は元気ですか

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お持ちの エレクトロボイス RE20 の健康状態が心配でこの記事を書きました。

 

巨大マイク といえばWestern Electric(ALTEC)の639A(B)やRCA 44BXや東芝Aベロ、Neumann CMV-3、などが浮かんできますが・・・

こちらはダイナミックマイクの定番モンスター

 

「バリアブルD」と呼ばれる精巧な位相管構造は指向性マイクの特徴でもある近接音の低域盛り上がり(近接効果)を制御・低減します。

近接効果による不自然な「低域盛り上がり」抑制により、輪郭のハッキリしたピュアな低域、コンデンサマイク並みに高域までフラットに伸びたワイドレンジさは古くからレコーディング・エンジニアに支持され、バスドラ、タムの皮モノ、JAZZ録音ではSAXやウッドベースにと、豊かな表情を見せる歴史的な傑作マイクロホンの1つです。

 

 

こだわりを持てば新型のRE27やRE320では代替えできないピュアな良さを残しているマイクロホンですが、寄る年波には勝てず「老兵は消え去るのみ」か・・・

 

 

雨 諸兄のRE20もぜひ健康チェックされたし

長期間(長年)使用しているモノほど、中でゴトゴトしているモノは高確率で今回のサンプル同様の結果に至っているはずです。

この修理手段はメーカー以外まったくありません。

この話は音響家の中でぜひ共有したいと思い今回記事にした次第です。

 

 折からの「コロナ暇」でヤフオクを徘徊、「RE20 ジャンク・1000円」というのを追いかけ、入手したのがはじまりです。

ある有名サイトでも警告されていることを承知の上、競い合いながら安価で落札した。

 

       (ヤフオクで落札したRE20のジャンク品)

 

届いてすぐとりかかった。コイルは無事である事がすぐ判明した。

作業を進めるなかで、このマイク分解のネック部分(六角ネジ大小)が見え、ダマシダマシ分解を終えた。

 

組み立てはヘッドホンモニターしながら進めた。

RE20特有の音である、Lo cut-SWの切り替え音声も問題なしである。

当然、巨大な中身を支えるウレタンフォームは加水分解でボロボロであるので筐体内で「ゴトゴト」している。

黒い「コマ」が右上のコイル部に接触しているのが見えます(円周内どこにでも移動します)

 

 

 

エアコンのフィルターのウレタンフォームで中身を仮固定し、マイクを振ってみた。

今度は「コトコト」と別な異音がする、マイクの傾け方で極端なローカットにもなる、参考サイトの警告通りでありました。

すべてはここまで、なすすべナシ。

 

 

 

この現象に関する図を加えました。

              (マイクユニット断面図)

 

 

                      (コトコト音の正体)

 

 

残念ですがこれを直す手段はありません、「寿命」と呼ぶのでしょう。

 

            以上

 

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2016:自作マイクで気をつけたい「位相」(極性)問題について

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「音質、ピュアさ」を語るならそれ以前に正しておかなければならない基本問題がある。

 

「位相」の問題は電源の+-のように重要な「極性の問題」ですが、出音から判別はつかないという人もありますが条件さえそろえれば100%判別のつく音響の基本問題。

 

筆者の場合特に激しいが、これに敏感な人には耐えられない不快感を伴うものです、ステレオ再生の片側が逆相の音楽など、耐えられず逃げ出したくなる。

 

 「位相なんて音の半波長で反転するんだから、楽音のようにいろんな波形の集合体では気にしたって無意味だ」とする意見が現実にある。

言って置くが、その「集合体の一つ一つの波形がすべて180度反転するわけですから、どんな複雑音源であろうが2本並べれば音は消える、ということです。

 

スネアドラムの裏から録るときなど卓側のリバースSWで逆相にするが違和感を伴わないマイキングにする必要がある。

 

 

【マイクロホンの逆相】

L/Rのマイクの一方が逆相であるとお互いの音は打ち消し合って無音になる。

(実際には完全逆相になり得ないためセンター音は「大きく減衰する)

モノラル接続の2本のマイクの片側が逆相であると両マイクの間隔が開いている場合は違和感を伴うが気が付かない人もいる。

2つのマイクを近づけて真ん中に並べたとき、音声信号はほぼ消える。

 

 

断言しますが逆相マイクなんてあり得ません。

「逆相」承知で運用する機材はあります。

 

 

 

(「逆相」でも気づかないマイク自作のワナ)

マイクロホン自作でおちいりやすいのは「ソース接地とソースフォロワ」および「バックエレクトレット型と膜エレクトレット型ECMとという条件すべて位相が反転することに無頓着で事をすすめている事例が多くあることをご忠告します。

 

「いまどきは全部バックエレクトレット型」でしょう、と勝手に思い込むのは早計、小口径では「膜エレクトレット」と混交状態です。

この問題は最新のMEMSマイクでも同様の入り乱れが見られます。

 

ソースフォロワとソース接地では「音質」云々の前に位相の反転があります。

得てして逆相のまま「音質」が語られたり、チグハグな低い次元で終わっています。

「相」の正しさは「マイク」を通じて他人に音を聴かせる最低条件です。

 

 

(MEMSマイク)

「ECM型」と「バイアス型が存在します。

方式がどうであれ、ICですから正しい極性(位相)で接続できれば問題有りません。

 しかしMEMSマイクでは表示されている出力極性(位相)があてにならないことを経験しています。

誤りを指摘し、それをメーカーは認めつつもメーカー公表データーシートの訂正など実施したら、供給先メーカーから莫大な賠償請求が待っている、このため誤りデータはそっとそのままにして年月を経過させる以外に選択肢を持たないMEMSマイクメーカーの事情があるのだろう。

 

「位相の問題」を軽んじた罰として当該メーカーは上記のような辛い責任を抱えながら継続せざるをえない状態に至っている例が身近にあります。 

誤りを認めながら公表できない台所事情など大変迷惑です。

 

よって最終的に正しさを見極められるのは自分の「耳」以外にありません。

 

 

(下図はフォーリーフ社のHP より一例を使わせていただきました)

 

 

 

「バック」(バックエレクトレット型「膜」(膜エレクトレット型とは逆相関係になります。

 

その一部が「秋月」入手できるようになりましたが、無条件に取り替え引き換え既存マイクに換装するなどできるはずがありません。

 

OP-AMPでは反転は簡単ですが、「増幅1段では180度変わる事」、

うっかり「1段増幅」のエフェクターなど要注意!。

「私は感じない」「逆相でなにが悪い?」「区別がつかない」・・・など、この認識のないままでは迷惑ですのでマイク作りはただちにやめてほしい。

 

 

音の仕事をする者にとって「位相」を敏感に感じ取る能力と、それに対して適切に手を打てる能力は音響家としてイロハの「イ」の字に相当します。

現役の音響屋さんなのに耳でこの判別がつかないならば、音の仕事は無理、アシスタントでも邪魔、コロナ暇中のいますぐ職を離れるべきです。

 

  以上

 

 

 

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2017 :加水分解はもう怖くない こうして直す

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のイヤな「加水分解」というベタベタ。

機材の寿命?

なんでそんな材料を使うの?

「欠陥でしょ」と言いたくなってしまいます。

ROLAND R09の場合    動作はするようになったけど惨め! 

(外装材が寿命を短くしています)

 

そもそも現在、「機器」の寿命は数年、

「買い替え需要を促すメーカーの陰謀?」

 

 まあまあいろいろご意見はあるでしょうがプラスチック材が使用されるかぎり多かれ少なかれ避けられない事実でもあります・・・という、

そんなメーカーの論理でモノ作りされてたまるか!

 

中でも「取っ手」「持ち手」「握り」など人の手の触れるところに多く発生するように思います。

 

これによってNGになった機材に次のものがあります。

SONY DATレコーダ TCD-D3

ROLAND レコーダ  R-09

ETC

他にも数知れない廃棄機材はあると思います。

 

しばらくぶりに手にとった折りたたみ傘、

握った瞬間「ニチャッ」と不快感が走った。

その日はガマンしていたが実にイヤなベタベタ。

アルコールで拭いても改善せず、キッチンに走った。

ダメモトでキッチンブリーチを「シュッ」と吹きかけて水洗い、ブリーチのヌルヌルが流れ落ちる頃には傘の柄のベタベタはすっかりなくなった。

乾かしてあらためて確認すると悪夢を見ていたように消えている。

まるでコロナの日常が元に戻ったような安堵感。

 

友人にこれを教えたところデジ1眼のグリップ部のベタベタがとれた、と礼をいわれ、自分も少しベタベタを感じはじめたSONYのミラーレス1眼で試してみた。

もちろん「ベタベタ」感は消えて快適となった。

 

内部に水が入らないように雑巾に「キッチンブリーチ」を吹きかけ、加水分解部分を良く拭く。

多少ブリーチが残っても雑巾で拭き取る程度で良いだろう。

ブリーチのヌルヌルが取れ、ベタベタが取れれば完了です。

乙女のトキメキ 少しベタついていた数年前のミラーレス1眼も快適になった。

 

 

クローバー 総じて「握り」「手置き」部分の合成ゴムやつや消しプラスチックに多く発生するようですね。

卓のアームレストなど、部分テストで確認する必要があると思います。

 

「キッチンブリーチ」の他「キッチンハイター」など塩素系の洗剤で同様の効果があります。

 

どうしても水気の苦手な場合、加水分解の進行度合い及び素材との関係で、粉だらけになりますが「重曹」の使用も有効です。

 

以上

 

 

 

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2018 :XLRコネクタ・ブッシングを使った「通過型・防水ミニケース」

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こ ニコイチ・グッズは2010年「ファンタム式サテライト・プリAMP」を製作した際のアイデアが始まりです。

 

 当時「通過型ミニ回路」のケースを探しましたがそれらしいものが見当たらず、さればとデッチ上げることにしました。

 ちょうどその頃ノイトリック社がXLRコネクタの新型への移行をおこなっており、市場には新旧2種類のXLRコネクタが入り乱れていた時期でもありました。

 

 新型は旧型からネジのオス・メスが逆になり、いまひとつ構造に違和感をおぼえ、新旧両方のブッシングをなにげなく手の中で合わせて捻じっていました。

 メスネジの旧型とオス型の新型とは見事に合体して細長いラグビーボール状のケースができあがった。

 

1009 : https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10459121634.html

1022 : https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10536946908.html

 

記事1009:通過型・ファンタム式サテライトプリAMPの例

 

 

 

 今回は使用目的を決めず、「汎用ミニチュアケース」として皆様の製作意欲の一助とします。

 

左半分:新型ブッシング、右半分:旧型ブッシング。

 いずれもノイトリックXLRコネクタの部品、合体するだけで完成するミニチュア・ケースです。

 

 

小粒だが中は案外広い。

 

(ノイトリック旧型は今ではサードパーティ品しかありませんが、互換性があります)

 

(ノイトリック新・旧型ブッシングは正規品の部品のみ販売されています)

 

(カラーコード10種類の色分けが可能、というオマケ付き)

 

旧型
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/56005/    80円(黒・茶・赤・橙・黄・緑・青・紫・灰・白)

 

新型
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/56015/    80円(黒・茶・赤・橙・黄・緑・青・紫・灰・白)

 

新型用カラーリング
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/56310/    35円(黒・茶・赤・橙・黄・緑・青・紫・灰・白)


 さらに

 旧型の代わりに「AMPHENOL」のAC3Mのブッシング使用で内容量がさらに大きくなることがわかりました。

ただしブッシング部品単位の販売は行われていない様子です。

 

収まる基板サイズ

1.ノイトリック旧型+ノイトリック新型の場合            2.5mmピッチ基板で5x11穴まで

2.AMPHENOL AC3M+ノイトリック新型の場合     2.5mmピッチ基板で5x16穴まで

 

 

 

防水ケースとして

 

 

2つのケース筐体を嵌合させる際、オスネジ側にグリースをまんべんなく塗布することによって「防水ケース」化が可能です。

左右のケーブル引き出し口も同様に処理すればかなりGoodな「小型汎用防水ケース」が誕生します。

 

シールド性

全プラスチックのためシールド性はありませんので前記事などご参考の上、設計願います。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10459121634.html

 

 

使い道は貴方のアイデア次第です。

 

                        以上

 

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2019 :ipadとApple Pencil、手書き入力までのドタバタ記

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「Apple Pencil」「ipad」はもっと早く手にいれて置くんだった。

 

 

画面を見ながらの「WACOM」も万人には難操作、しかし「ipad」と「Apple Pencil」はタブレット(ipad)の「らくらく手書き」を実現させてくれました。

 

そして「ipad手書き入力」はペーパーレス・ノートのような使い心地。

手書きの電子データは存外使い勝手が良い。

私が遠回りして、結局そこに至ったスタイラス・ペン選び失敗の紆余曲折のギクシャク、これは結構お役立ち情報になると思います。

ipad9.7 (第6世代)とApple Pencil(第1世代)との組み合わせ

 

まず、このように「ipad」を手にすることが最低条件です。

そして迷わず「Apple Pencil」を購入することです。

 

「もっと安いものはないか」と、ついAMAZONに駆け込むとそれが間違いのはじまりとなります。

 

Apple Pencilには「第一世代」と「第二世代」があり「第二世代は「ipad Pro」にしか対応しません。「第一世代」はどちらにも対応します。

 

        

 

 

 

【ドタバタ記】

1.ヤフオクで「ipad air2」を入手

 

2.AMAZONでスタイラスペン(ipens)入手(@3,199)適合性は確認した。

  ショボーン ペン先と書いた位置が縦横1mm程度ズレる。Bluetoothは認識せず。

 

3.100均(キャンドゥ)でタッチペン入手。

  ショボーン スタイラスペンと変わらないズレ加減、100円のペンに何の期待もしていないが。

 

4.Wacom・バンブー・スケッチ(@22,886)を入手。適合性は確認した。

  ガーン 前2.3と何も変わらず、ブルートゥースも認識せず、これでは何の意味もナシ。

 

5.さすがにここまでくると意地です、「Apple Pensil 第2世代」を落札。

    ショボーン 届いたが、充電するすべがなく「ipad Pro」専用であることを学んだ。

                Apple Pencil第2世代=(ipad PRO専用)

 

 

ipad 9.7(6世代)」を入手、

  同時に「Apple Pencil 第一世代」を入手。

 

 

 

爆  笑 使用して驚いた。

あのペン先と描かれる位置のズレは皆無、液晶保護ガラスの上からでも「ピタッ」と一致します。「ガラスの上」という感覚は紙に書いているような「普通の印象」とは少し異なるがすぐ慣れる。

 

とはいえ「これは別物!」、なぜ最初からApple pencil 第一世代にしなかったんだろうと「反省」、ずいぶん回り道をしたがこのカラクリがやっと理解できた。

 

しかし予備知識がないと、これは誰でもおちいるブラックホールだ。

 

 

 

この現実は経験しないとわからないでしょう。

 「手書き入力」の実用性を根底からダメにする致命的要素です。

 

Bluetoothのペアリングができれば多少はまともになるのかもしれませんが、当方のテストによる「ipad air2」「ipad 9.7 (第6世代)、iphone XRでは「ipens」、「WACOM BAMBOO Sketch」ともにまったく認識せず。

 

「Apple Pencil」では一発ペアリング。

そして何のストレスもなく手書き製図テストでも問題ナシ。

 

 

以上、お粗末な顛末ですが・・・

皆様に、「ipad」でペン入力するなら、最初から「Apple Pencil」一択の計画を立てないとバカげた仕打ちが待っている、ということを実例でご覧いただきました。

また2種類の「Apple Pencil」はipad機種によって適・不適があることを知るのも同様にワナであります。

 

最後に、AMAZONあたりをウロウロすると失敗と散財が待っています。

AMAZONの「適応機種」はまったくあてにならないことを身を持って断言する次第です。

 

                     以上

 

 

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2020 :ミニサイズTR「2SA933s」がLo-Z OUT手作りマイクを変える

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世界がコロナに襲われて時間感覚がおかしくなっているが・・・あれから半年そこそこしか経っていない。

「マイク」「がマスク」に見える今日このごろです。

 

 Memsマイクに夢中で取り組んでいるころ緊急事態宣言となり、テキサス州に拠点を持つInvenSense社のMemsデバイスも事実上入手不能になって久しい。

 

MemsマイクのLoインピーダンスXLR-AMPの開発で出会ったのがミニサイズTR「2SA933s」です。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12580440744.html

 

サイズ感は普通サイズの半分以下に思える。

これによってファンタム式パナ改マイクロホン「LZⅡ」 もこのTRへの切り替えで「LZⅡb」 としてぐっと作りやすくなってくれましたがコロナ禍にまぎれ「プッツン」状態を余儀なくされていました。

 

大きさの問題だけでない

LZタイプとFETを使ったXLR-AMP部とでは手間がかなり異なり、ついついFET型を選んでいましたが2SA933s(R)の採用でほぼFETタイプの回路に近い気楽さで出力インピーダンス50~100オーム未満の決め打ち的インピーダンスのマイクロホンができるようになりました。

 

hfe のバラツキが少ない

LZタイプはこれまで2SA970(R)からhfe選別しながら、それもバラツキがひどく、ステレオペアの製作では許容できるhfeの4本を選別するためには30本近くのTRを集めねばならず、手間と歩留まりの悪さがネックでした。

 

この値がバラつくと「電子式バランスOUT回路」のVeeが半分づつの内部抵抗に等しく配分され、差動動作は崩れます。

(2SA970の無選別では②-①間と③-①間の電圧に数Vの差が出る)

 

共立エレショップ購入10本のhfeは次のとおりでした。(10本で82円)

360、356、366、360、362、361、364、362、363、366 (Xバー値:362)

 

いかがですか、これならペア取りの歩留まりもイイですね。

 

 

2SA933sデーターシート:

https://html.alldatasheet.jp/html-pdf/107607/ROHM/2SA933S/96/1/2SA933S.html

 

製造終了デバイスですが2020年9月現在、共立エレショップほかで安価に手に入ります。

2SA1740sコンプリですので他用途でもミニサイズTRファンにはおすすめです。(チップTRでもなく、普通サイズでもない「ミニサイズ」です)

 

 

         4年前の記事 1611「ファンタム電圧48Vという希望的妄想」より引用

 

 

いくら出力インピーダンスが低くてもマイク出力回路の内部抵抗は高く、全電流1.7mAならば内部抵抗は約28kΩと大きく、差動TRのわずかなIC値の差が数VのVeeの差となって現れます。

ここはhfe値の選別が決め手となりますが、2SA970(GR)ではこのバラツキがひどく多くのムダを出す。

それ以上に、とにかくTRのサイズが大きく「ファンタム式パナ改マイク」としては遠距離伸延のメリットは大きいが「LZタイプはできるだけ避けてきた」これが本心でした。

 

 あれだけバラついていたhfeの差は2SA933s(R)ではほぼ無選別でも許される程度に抑えられています。

それはちょうどFetⅡ などで2SK2880(D)や2SK330(Y)の使いづらさに対して無選別でOKな2SK330(GR)の使いやすさによく似ています。

2SA933sではhfeはバラツキ範囲が少なく選別外のムダが少ないことに注目しました。

 

          ファンタム式パナ改マイク LZⅡb回路図

 

 

 


                    2SA933使用 LZⅡbの基板

 

 

 

hfeチェッカーの決定版=500円以下のデジタルテスター

テスターリードなど捨ててhfeチェッカー専用機として実に具合がいい。

 

激安品の店頭だけでなくAMAZONや通販の「目玉商品」として数年前から流通している。デジタルテスターとしては使いづらいこの安物テスターだがTRのhfe測定機能のあることが「買い」です。

最近では300円台で見かけた。

 

 

            以上

 

 

 

おしらせ

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb  など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)

 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
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2021 :モスキートーン発生器(やぶ蚊撃退)

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ちょっと季節感がズレるが

今年の夏はコロナに加えてのつらい猛暑でした。

筆者は毎朝ウォーキングを兼ねて撮影グループ「ボケフォトファン」の花撮影をおこなっています。

休耕田や公園の茂みの野の花は格好の材料です。

普通なら踏み入れただけでやぶ蚊に襲われるはずですが、なぜか今年はそんな経験が少ない。

 

なぜだろう? こういうことか?  

 

ところが猛暑が過ぎて涼しくなってから、やぶ蚊に襲われるようになった。

効くか効かないかはわからないが、「モスキートーン」発生器をぶらさげて歩くことにした。

こころなしか、蚊の被害には遭わなくなったかな。

 

 

 

 

結構ドンピシャねらっているんです。

 

 

原型は「侵入アラーム」 @100円也(Cando)

マグネットを近づけると「ピピピピピ」と100dB/A近い大音量アラーム音を発する。

電池ホルダー、電源SW、ピエゾSPが付いたケースをそのまま利用した

 

 

腰にぶら下げるケースに使った「携帯ゴミ袋ケース」@100円(Cando)

 

 

 

簡単な基板に17.5KHZに調整したインバータ発振器を組んだ。

元の基板と入れ替える。

「モスキートーン発振器はインバータIC 1個で簡単にできる。

この値でイケますから、なんも考えなくてヨシ。

 

 

17~18kHZが蚊の羽音とのこと。

されば・・・・

これでどうだ!

これ、聞こえる人には聞こえるだろうな。

 

 

 

なんか、安っぽいけどそれらしくなってきましたね。

9月15日からぶらさげて花撮りをおこなっていますが、やぶ蚊に刺されることはなくなった。

めっきり涼しくなったせいなのか、このモスキートーンが効いているのか、不明だが・・・

 

本来、人を刺す蚊はメスで、メスの聴覚はオスより未発達、と聞いているけど・・・

 

 

※超音波に近い17KHZを発し続ける、つまり身につけているだけで「モスキートーン被爆」を受けます。

また年齢が低いほどイヤな音として聞こえます。聞こえる場合、聞こえない場合ともその害がどうなのか検証は出来ていませんのでご注意ください。

 

以上

 

 

 

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2022 :名機マイクなるか「ASPEN PITTMAN」 DT1の問題点対策(前編)

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「ASPEN PITTMAN DESIGNS 」(アスペンピットマン)のコンデンサマイクといっても馴染みは薄いと思います。

 

もみじ この対策は2016年の発表以降、若いロットが対象です。

 

DT1 コンデンサマイク

 

DT1は非常に良く練られた音質をもってボーカル用、楽器用の切替できるタイプのコンデンサマイクです。

「ハッ」とするような美しい出音には久しぶりに感動を覚えた、というのが第一印象です。

 

Shureの87Aあたりの音を想像していましたが、むしろ58互換のような感触の酷似したキャラクターを持つ珍しいタイプのコンデンサマイクです。

高域のギラつきもなく、それでいて十分伸びている。

思いがけなくダイナミックマイクのようなガッツのあるコンデンサマイク、いいですね。

 

 回路確認の結果成極電圧発生回路で48.0Vを得たDCバイアス中型ダイアフラムコンデンサマイクであることが判明した、

使用ダイアフラムは群を抜いた優れモノのようです。

 

コンデンサマイクとしてはSN比も素晴らしく、最大音圧146dB(1%)というのも無敵レベル、10%なら149dBイケる、およそ対応できない楽器も音源ソースもない。

この価格帯を超えたパフォーマンスを持つことは間違いない。

 

 

しかし・・・・・

ハンドリングノイズはかなり目立ち、ある音程(520HZ)をもって、常にまとわりつき、ハウリングとの聴きわけさえ難しい・・・というクセ者だ。

 あらゆる収音に対し520HZの異音が常に付帯するということです。

 

バツレッド これはイカンです。

 

このコンデンサマイク DT1がいま熱いですが、ちょっと待った!

 

1.「手擦れ雑音=ハンドリングノイズ」を消す

音出ししてビックリするのはハウリングと間違うような「ポンポン」というキツイハンドリングノイズ」だ。

 

マイクボディを指でトントン叩きながら観測するとこんな様子であった。

さわっているだけで発生する520HZの「鳴き」はキレイな正弦波、指で軽く叩けば急峻なピークは40dB以上は軽く持ち上がる。これでは本当にハウリングを呼ぶし、尋常ではない。

 

対策は簡単、特殊な工具も不要で5分でできる。

 

後ろは強くねじればマイクカプセルまで一体化した基板がはずせます。

 

 

 

基板の様子)

左側のダイアフラムと基板中央のFET(2SK30)のG(ゲート)入力との間を0.3Φのホルマル線でつないでいる、完全に「弦楽器」そのものである。

520HZの鋭いピークを持つハンドリング・ノイズの原因はコレでした。

 

(最新ロットではビニール撚り線使用で改善されている)

 

 

 

横から見るとこんな感じ、アーチ状をしてテンションがかかっている。

事実、きれいな520HZの正弦波を発する。

「実はこれが音作りの秘密」などと言われては反則、本末転倒である。

 

 

 

何のことはない、紙テープで押さえるだけでした。

テープはガラス繊維、セロハン、PPなど糊気の少ないものを使います。

 

厳重注意)テープを貼る部分はけっして素手でふれないように。

(手脂でコンデションが変化します)

 

 

またテープは最小限小さく貼り、くれぐれも「ネジ」や「他のパターン」に絶対にかからないよう配慮が必要です。

この部分は成極電圧の高圧給電とダイアフラムOUTの高インピーダンス回路です。

その値はギガΩクラスであるため感度低下、音質劣化を招きます。

 

 

ほら、完全に消えましたね。

べつに魔法を使ったわけじゃないですよ。

テープでおさえただけです。

 

 

あのイヤなノイズが消えてまともになりました。

HAPPY  HAPPY ハート

 

 

 

 

 

ここまでで終わってもいいんですが・・・

じつはもう1つ問題が有るんですよ。

雨 このマイク、持ち方によって「ハム」るんです。

 

後編で改善法を提案しますのでしばらくおまちください。

 

 

後編につづく

 

 

 

 

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2023 :名機マイクなるか「ASPEN PITTMAN」 DT1の問題解決(後編)

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前編より

 

それにしてもコンデンサマイクのSM57・58なのか、これは・・・

類例のないパフォーマンスを見せるマイクです。

 

前編では若いロットで発生していた一定周波数の「鳴き現象」の対策をおこないました。

このマイクにはもう一つの症状があり、後編ではその対策と説明をおこないます。

 

 

 

発生を確認した不都合現象 (新・旧ともにハム確認)

①マイクの「AP」エンブレムにふれた時「ブーン」。

②ウィンドスクリーンのみを手に持ったとき「ブーン」。

③マイクをひざに置いたり、対地電位の異なる場所に置くと「ブーン」。

 

 

 

発生は

いずれも発生プロセスにより、その有無・発生程度は個体ごとバラバラとなるでしょう。

発生しない場合、対策も必要ないでしょう。

 

 

問題はここにある

原因は他愛ないが起こるとやっかい、それを見越した筐体設計ならば何の問題もない。

音響技術とは別ジャンルのノウハウだがこれができないとマイクロホンも電子機器も満足な完成度で仕上がらない、という鉄則があります。

それはEMC(電磁環境両立性)技術という領域にありますが、「ウチはオーディオ専門、そんなの分からないよ」ではまともな製品は作れないのです。

 

後編の改善内容は一口に言って筐体の「ファラデーシールド」を完璧にする、ということだけです。

 

 

 

1.エンブレム取付構造の問題と対策

 

APエンブレムに触れるとハムる「ブ~ン」

 

 

マイクフロントを手で持つと「ブ~ン」

 

 

グリルボールだけを握るとハムる「ブ~ン」

 

 

 

 

ここで活躍する「導電塗料」・・・優れモノです。

ノイズヘル「Noise Hell HIGH SHIELD」SP-D-03」と塗布用の竹串。

(塗った直後は導電性はないが、乾燥させたあとはきわめて良好な導通状態となる)

 

筆者は意図をもってこのゼロオーム系の導電塗料としてこの塗料を限定して用いています。他の導電塗料を使用する場合は注射器入りなど含めて「ゼロオーム」系が必須条件です。

 

カーボン系の導電塗料はコンデンサマイクには絶対に使わないでください。

抵抗値も高い上、ボロボロと粉になって落ちるため、コンデンサマイクに使うと事故を起こします。

 

 

 

 

 

 

原因はエンブレム取付とグラウンディング構造。

 

指(人体・対地電位の異なる導体)と絶縁された筐体金属はケース金属、基板との間にあらたな電気力線と電界を形成して結合する。

指に誘起しているのはその地域(関東50HZ・関西60HZ)の交流電位、つまり「ハムる」わけです。

 

それを消すために以下の対策をおこないました。

 

 

 

「Noise Hel」をこのように塗布した

ここで使用した「freedom ノイズヘル SP-D03ハイシールド塗料」はカーボン系の導電塗料とは異なり、この程度の距離では導通抵抗としては数Ωとなり、塗装で絶縁された2つのネジはケース金属と直流的に事実上一体化し、エンブレムのハムは完全に消えました。

 

 

 

2.マイクフロントの不安定な誘導ハムを消す

 

 

①マイクフロントを手で持った時のハムを消す。

導電塗料(Noise Hel)をこのように塗布し、乾燥させる。

 

 

②グリルボールを持った時のハムを消す

まずウィンドスクリーン内のスポンジを取り出しておきます。

(ヤスリカスでよごれない為)

 

内側のネジ部分をサンドペーパー(100均の品で十分)で擦ります。

おおむね、ネジ内側の円周で「地金」が見えてきたらOKです。

しっかりと地金が見えるようになればなお結構です。

ほぼ3分も擦れば十分でしょう。

 

もみじ まあ、58のグリルボールと交換すれば何の手間もいりませんが。

 

 

 

おっと これはいかん!

ここはGND系の要(カナメ)ネジ。

こんな黒塗装(絶縁物)ネジなんか使っちゃダメですヨ。

上に用意した普通のネジ(M2.6-8)に交換します、最後になっていますが本来最初にやるべき重要部分です。

 

以上でこの手当は終わりです。

マイクテストをおこなってみてください。

エンブレムに触れたりウィンドスクリーン部だけを手に持ったりしてハムのアリ・ナシはいかがでしょうか?

問題ナシだと思います。

 

 

ご案内

対策は「何でそうするの?」を1つ1つご自分で理解しておこなってください。

そこを理解されず、「このサイトにあるから」、とキモを押さえていないアレンジはどんなにおこなっても決してうまくいきません。

 

 

カンパニーで本数を扱う場合はぜひこの前編・後編一つ一つの対策をお薦めします。

 

 

最後に

これらの問題を改善した状態ならば希少な名機」と呼ばれるでしょう。

 

     以上

 

 

 

 

 

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2024 :コロナ前の「mems マイク」をその先へ(再開1号)

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れから世界は一変してしまいましたが・・・

Memsマイクを夢中で試行錯誤している頃、世の中が急変しました。

あれから8か月、「新しい日常」の中であの中途半端になっていた「Memsマイク」との日常」を再開していきます。

 

 

3週間ほどまえ、TEXAS州のInvensense社からUPS便でICS-40720の追加分が届きました。(コロナ最多発生国からの便につきダンボールはすぐ処分)

読者の皆様もこの点には十分ご注意ください、入手はUSAからの輸入調達しかありません。

 

 

1年前より

最新各社アナログMemsマイクの中で「Analog devices」「Knowles Electronics」「Inven Sense」各社の機種で試作した結果、とりわけ「Inven Sense」に着目、さらにその数機種を取り寄せ、実製作した中からICS-40720と40730の特徴的な優れたパフォーマンスを見つけ、この2機種で役割を分けて開発を進めていました。

 

すこし振り返ってみましょう

 

なぜInven Sense 社のICS-4072、4073なのか?

他にいくらだってあるでしょう→(有りませんでした)

 

クローバー 目標

ICS-40720使用:COS-11未満、米粒大極小高品位マイクの実現。

ICS-40730使用:「ファンタム式パナ改、FetⅡ」を超える音質実現。

 

Memsマイクすべて特有の問題として次の短所があります。

一般にSN比は優れたモノでも60dB台、F特も100HZ未満の貧弱さ及び10KHZ以上に10dB以上の大きなピークを持つ。

 

そのなかで発掘したこの2機種のMemsデバイスは、あらためて既存10社のMemsマイク全ての製品数10種類との比較において現時点の最高峰であることが確認できました。

 

(ICS-40720)

20HZ~20,000HZ ±10dB (75dB~20,00HZ ±3dB)   SNR:70dB

 

(ICS-40730)

数HZ~20,000HZ ±10dB  (15HZ~20,00HZ ±3dB)   SNR:74dB

 

この特性は他社、他品種から抜き出た値、一般的コンデンサマイクとしても十分通用するスペック、あとは聴感次第でしょう。

 

ICS-40720使用マイク

ICS-40720は何といってもその小ささが売りだが、小ささを生かした外筐として選んだのは「携帯ストラップ金具」、わずか加工するだけでスッポリ40720が収納でき、半田付けした電極が内部でショートすることもない微妙な形状・寸法である。(3.6ΦX10mm)

そのおかげで、「米粒」と大きさ比較できるマイクが実現しました。

 

「米粒大まであとわずか」、手作り高品位マイクとしては圧倒的なサイズ感です。

こまだまだ大きい・・・

直径あと0.5mm小さくしたい、極細2芯シールド線の乱れなどもなんとかしたい。

 

前作ではケーブル外形まで極細のmogami3011(2芯シールド 外形1.3Φ)を使ったが、あまりにもひ弱で細い。

改善版はmogami 2490(2芯シールド 外形1.7Φ)にしている、この0.4mmの差はずいぶん違うように感じる。

 

音的にはフロントの穴を元々の1.3Φを2.2Φまで広げ、管鳴きによるカラーレーションを排除しました。

存在感の希薄なサイズからは想像もつかないナチュラルな繊細さと迫力の音が得られます。 

 

 

これは何とかして「世界最小サイズ」を視野にリサイズを進めています。

 


 

 

 

データシートの「TOP VIEW」を今一度

<ICS-40720>

音の出ない理由が足の接続ちがいなのに「えっ」というご質問がありました。

たしかにこのメーカーのMemsは「TOP VIEW」と「BOTOM VIEW」が混在ですが、「BOTOM VIEW」方が分かりやすいですね。

 

 

 

ICS-40730使用マイク

ICS-40730はやや分厚い外観だが図抜けた低域まで伸びていること及びMemsマイク最高値であるSN比74dBというハイスペックが特徴です。

特性上WM-61A超えはたやすいですが、音質上の十分な評価前にコロナ禍により追加入手の問題で一旦中止していました。

外形6ΦはMemsマイクらしからぬ大きさ。ひとまわり小さく計画中。

40720機同様、mogami 3011の細ケーブルは要改善です。

筐体構造によるカラーレーションが気になっていましたが、これが課題です。

 

そして「カラーレーション」以前に違和感のある音、そうです、逆相です。

2019年12月16日、Web上のデータシートは「OUT+  OUT-」表記が逆であることをTDK Inven Sense社に報告しました。

この間メーカーによってこの訂正がなされました。

http://invensense.tdk.com/wp-content/uploads/2020/07/DS-000139-ICS-40730-v1.1.pdf 

 

以前の接続で音が変だった方、これが正しいピンアサインです。

 

 

重要 (ICS-40730 のピンアサインについて)

当サイトの指摘によりTDK Inven Sense社が「DETA SEAT」の訂正をおこなったことにより、2020年10月現在、Web上関連サイトにてデータシート上「OUT+・-」表記は正誤混在状態にありかえって混乱しそうです、ご注意ください。 

 

もともと の誤りを発見したのはこのサイトです。

誤ったデータシートのサイトの例

https://www.mouser.jp/datasheet/2/400/DS-000139-ICS-40730-v1.0-1539053.pdf

 

 

 

 

当サイトの責任にてもあらためて正しいピンアサインを図示します。

 

ICS-40730 正しいピンアサイン)

 

どうぞお間違いなきように。

 

 

 

 

クローバー もう1つ肝心なのは「熱特性」です。

・「手半田」で簡単にコワレる事を経験し、試行錯誤の結果ここにたどりつきました。

 

1.プレヒート

リフロー用パーツであり、当然ながら「手半田はメーカーでは考えていません」と公式見解です。

「Soldering Profile」から「Pre heat」=tsを無視するとまともに動作しません、データシート上から把握してください。

 

100℃程度の熱を1分弱をめどに与えることで手半田に対応できるようになることがわかりました。

プレヒートにはヒートガンを用いましたがヘアドライヤーでも可です。

 

 

2.ペースト半田の使用

ケーブル、電極ともに非常に小さくペースト半田ありきでこの半田付けはうまくいきます。

電極へは爪楊枝の先で少量のペーストを塗ってコテを当てるだけです。

リード線も同様です。

 

 

3.さらに敗者復活戦

プレヒートなしの手半田でコワレたMemsも音を聴きながらヒートガンで熱し続けていくと、激しいランダムノイズから、しだいに風音に変わり、20~30秒で正常な音が出るようになりますのでさらに熱し続けます。

 

マイクロホンではこうした一連の経過をすべてヘッドホンモニターすることが大切、マイクロホンはそうしてはじめて理解できるのです。

「事前」「事後」のモニター程度では絶対に何も分かりません。

 

(直らない場合やいったん直ってもまた音が出なくなる場合もあります。やはり手順通りのプレヒートが正攻法なのです。)

 

「Mems」とは「メカ・半導体」複合部品、「半田付けに関する熱設計がキモ」である電子部品、手半田を前提に熱設計されていません。

リフローを前提としているパーツではまったく勝手がちがいます。

 

コンデンサマイクの99%は好むと好まざるとにかかわらずMEMS化していきます、さあコロナ前のMemsマイクの世界に戻ることにします。

 

再開2号につづく

 

 

 

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