製作難易度★★★★★+α
マイクロホンはカプセルで決まる
前回の記事 でテストした国内メーカーのカプセルのなかで総合的に注目したφ16のカプセルを使用した単一指向性マイクロホンを試作しました。
音傾向はC-38Bに似たきわめて格の高いファンタム動作専用コンデンサマイクロホンとなった。
これでShinさんの「超薄型マイク・シリーズ」も4機種目になりました。
(リーフ・マウント構造と使用SPグリルが薄さの決め手!)
誰が呼んだか「ヒラメ・マイク」と・・・
このカプセルは前回、「ティー・ストレーナ(茶漉し)」でテストした時点でも一流の音質を聴かせたので期待しながら今回、完成形のマイクロホンとして試作しました。
(UEM-16カプセル使用・超薄型単一指向性マイク)
【製作】
今回のようなFET外付け型ECMでは筐体のシールドの出来・不出来によって
誘導ノイズは天と地ほどの差として現れる原理原則にきわめて厳しい世界。
この点が今回の製作のハードルであることは間違いありません。
(外筐の加工)
「塗装は絶縁物!良く剥がすほど効率の高いファラデー・シールド(高周波的・静電的等電位面で構成された金属容器)が成り立つ。
ポイントはこれを2枚を合わせて一体化したとき円周金属面同士がじかに接触し合って内部を包み込む構造かどうかだ。
小さなガスケットのようなものを取付けている例もある。
真鍮メッシュを円形に切り出し、「パティーナ液」で黒染め した。
リーフマウントのマイクや内部の臓物は外から見せたくない、中を黒くすることだ。だから黒色にこだわった加工を徹底した。
メッシュ・マウンタ及びリアメッシュを中心とした「リーフ・マウント」構造
・モルトプレーン(スポンジ)でカプセル外周を包み、メッシュ・マウンタに組み込
む。
・インピーダンス変換用のFETはマウンタ左下に設けた極小基板に。
・FET接続部をNITTOの自己融着テープ(ブチルゴムテープ)をメッシュに摺りこ
んで絶縁固定。
(完成!?)
ネジを締めて「さー完成! サウンドチェック」・・・「オー!イイ感じ」
叩くと「ボンボン」鳴くぞ?
手を裏側に近ずけると
「ブーン」 裏面を触ると
「ブーン」
(そこで)
背面シールド強化(二重シールド)
カプセル背面は超高インピーダンスだ、メッシュ・マウンタと一体化したカプセル背面のシールドメッシュを加えシールドの強化と固有振動を抑えた。
これはズバリ適切な対応でした。
★Shinさん的考察
異常現象には原因がある、そのプロセスを絶てば完全に解決する。
100m以上の伝送時はXLR②③間に1kΩをパラに入れます。
(最後に)・・・重要点=このマイクのキモです
①FET外付けECMはピュア・コンデンサとなんら変わらない完全なシールドが要 求されます。
この点、FET内臓の一般的なECMと同じように考えてはマイクロホンは完成しません。
②分散された金属はすべて静電的に等電位にする必要が一層要求され、手を抜くと「ハムノイズ」の嵐から脱出できません。
③「タッチノイズ」「本体振動」に対しては無指向性マイクより約14dB敏感になりますのでカプセルの防振は徹底して行なってもヤリスギではありません。
ここはイイ材料探しと腕の見せ所。手を抜いてはまともなマイクにはならない。
指向性マイクの大きな特徴ですので避けて通れません。
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