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Channel: ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)
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2224 :U-87形状 ファンタム電源で動作する魅惑の真空管マイク「TUBE X3」

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【ご注意】

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリもOKです。

ただし記事から得た情報の利用公開については出典・引用をあきらかに、管理人の指示に従ってください。

 

 

  真空管マイクがファンタム電源で動く?

7年前、ファンタム電源で真空管は動作するはず、と始めたのが最初です。2015年、Tube X2 というマイクシステムを試作したことがあります。

Telefunken ECC-83を改良したスロバキアJJ社版(EC-803s)の低電圧特性に驚き、実現させました。

その時はA電源(ヒーター電源)までまかなえないか・・・とバカな夢を描いていましたがどう転んでも不可能とわかり、「単三 4本」で点火しました。

 

Tube X3  なかなか壮観です。

真空管マイクシステム特有の「ゴチャゴチャ感」を徹底的に避けてスッキリさせました。

 

 

  マイクの中に真空管もトランスも入れたい

 

トランスまで入れるので案外窮屈だが「5極管の3結」ではなく純粋3極管としたい。

ECC-83より数mm短寸のGEの5670は良さそう、双3極管なので半分使いとした。ECC-83系とは脚接続が異なります。

 

 

 

収納できた、やっぱりこの景色はいいですね。

(指向性マークが上下逆向きみたいだけど、まーいいや)

 

 

 

 

 

 

トランスはタムラのTp As-203使用、基板用に小型化された悦品。

接続コネクタはヒーター電圧供給のため5ピンのXLRに変えた。

 

 

ヒーター電源は外部から加えなくてはならないのでアルカリ単三4本、6Vの電池BOXは「信号通過型」として、出来る限り「別箱的存在」を避けた。

 

電源SWを設けることはせず、マイクロホンにケーブルをセットしてマイクと接続したときはじめて通電するスタイルにしました。

 

 

(通過型バッテリーBOX)

電池も「エボルタネオ」なら安心、電池は「終止電圧」=0.9Vになるまで動き続けてくれます。

 

 

 

電池の寿命

2015年記事「1509:単三アルカリ電池 ピンキリ勝ち抜き性能比較レース」にて実験されていますが7年前のこと、今は電池の銘柄もその改良も進んでいるはず。(グラフは当時のものです)

パナソニックは「エボルタネオ」ではなく当時の「エボルタ」でした。

この記事の「中電流レース」(10Ω負荷)は今回の消費電流と同じですので参考になると思います。

「4個100円の100均電池でも8時間」という申し分ないシステムになりました。新しい「エボルタネオ」では10時間近くイケるとおもいます。

 

ケーブル

カナレ4E6Sを「4芯+S」として使う事にした。

5P XLR使用にもかかわらずケーブルは4E6Sですので違和感は少ない。

 

 

 

 

 

 

  回路・温故知新

かつてコンデンサマイクに多用された真空管「AC-701」、これを使ったCU-1(SONY C-37A)の原型、回路的にはこの時代のノイマン、SONYをお手本にした。

 

 

真空管とトランスは相性がいい、しかし・・・

当初プレート出力(カソード接地)で動作させた。

お世辞にも「いい音」とはいえないあっさり感、こんな為に真空管マイクにしたわけじゃない!。

 

 

グリッドリーク抵抗、カソードの分圧抵抗値とパスコン、カップリングコンは音作りポイント、微妙な調整・変化に答えてくれる。

 

SONYの初号機「CU-1」=(C-37)の回路をベースにしてノイマンのプレゼンスを併せ持つよう「カット&トライ」を繰り返した。

コンデンサマイクの負荷となる高抵抗兼グリッドリーク抵抗は当時100MΩだったが、ここで低域の表情は決まる。

BTS-CU1(SONY)では10MΩ、SONY C-37Aは100MΩ、ノイマン150MΩ。

 

これに対しTube X3 では1GΩで調整した。当然コンデンサマイクカプセル負荷としてはこちらの方が適切ですので当然上位と成り得る。

それらを使って調整とヒアリングテストをくりかえしおこなった。

 

すなわち納得の音にたどりついた。

 

 

 

マイクカプセルについて

時代は先へ! 主要市場にはパナソニックもプリモもない。

単一指向性カプセルの進展ははげしく、数年前の感覚はもはや通用しません。

10年前ならPanaのWM-55、56、65、ホシデンKUB-XXXXの低域のない音、それしかなかった。

 

「フォーリーフ」、「YUTEC」と、いうように当サイトは当時のより優れた単一指向性ECMの小口入手開発をおこなってまいりました。

 

 

2016年、あの「激安中華マイク改造」記事を境に中国製カプセル、ダイアフラムがはっきりと台頭、だれもが認めざるをえない事態を経験してきました。

 

このころから単一指向性ECMの大口径化が進み世界の一級品と勝負できる自作マイクが現実のものとなりました。

 

主なもの:

Transound Electronics:TSB-165A TSB-2555B

JLI Erectronics:JLI-165A、JLI-2555B、JLI-3412

ISK ElectronicsDCバイアス34mmダイアフラム各種

 

*番外 Voxdida Erectronics CM-012(25mm)など金色(真鍮色)で外観金属表面がイマイチのものがAMAZONやAliで見られます。

これはTransound及びJLIの模倣・激安版(\400くらい)ですが音作りはまともで案外高品位な内容を持ちますのでこれでもかなり使えます。

 

 

 

現在、「AliExpres」という純China通販がある、あきらかな詐欺半分の信頼性のないルートである。

 

筆者も1月にダイナミックマイクユニット数個を購入したが現在までに届いていない、4月頃Ali 内別ショップからも同様に購入を試み、6月ごろさらにAli 内別ショップからダイナミックマイクユニット数個の購入を試みたが現在までに届いたものは1個もありません。

ここまであきらかな大規模詐欺通販サイトもめずらしい

 

大損の覚悟でなら自己責任だが、西側の商業倫理もルールも通用しません。

そのリスクを吸収してくれ、DIYマイクパーツを責任販売する海外通販があります。「micparts」ebayほか。

「micparts」マイクキットをメインで扱っていますがその次元が異なり、海外DIYマイクファンに有名です。

 

 

海外DIYマイクファンはこれを使い分けて目的を果たしているのが現実です。

「金を払っても送ってこないAliExpressも、最初から高いUSAの「micparts」も「ebay」も上手に使えば納期もルールも安定したこちらのほうが良いことがわかります。

 

 

 

 

仕入れてみた

筆者は今回、最メジャー機種であるTransound TSB-2555B「micparts」より入手・使用しました。

 

現在ではECMかDCバイアスかの議論は消え、16mm~34mmのECMまたは34mmDCバイアス型に移行しました。

 

また、10年前なら絶対に入手できなかった34mmDCバイアス・ダイアフラムはいとも簡単に買えるようになった。

 

世界的に様変わりしていずれも中国製、もはや日本製品はありません。

「Transound」など初めて聞くメーカーかもしれませんが、欧米を中心に日本以外ではきわめてメジャーかつ評価の高いカプセルメーカーです。

 

USAから送られてきた1インチECM Transound TSB-2555B

「micparts」社の通販を利用した、注文から5日でUSAから到着)。

 

 

Transound TSB-2555を搭載したマイクヘッド部

 

 

上記とは別に海外製大口径カプセルのオリジナル品を扱う国内商社がありますので要チェックです。「興和テクノロジー」社 の信頼性は今また貴重となっています。

 

 

 

 

  結果

数日かけて、回路変更とカットアンドトライを繰り返しました。

音源は「My Voice」、これが最も信頼できる音源です。

 

真空管マイク独特、なかなか味のある音はオフマイクよりオンマイクで楽器と向かえるマイクになりました。

「TSB-2555」ではクラシックよりJAZZが似合う。

トーク音は真空管大口径マイク特有の雰囲気でリッチな感じに仕上がりました。

 

筆者トーク音声10秒間のスペクトラム。

たっぷりとした低域からフォルマント帯域、プレゼンス帯域を経て超高域は60kHz付近までエネルギーが確認できます。

 

 

 

  そういえばKORGの「NUTUBE」は?

 

2016年KORGより「NUTUBE」が発表された。B+は5Vで動作し、この場合フィラメント電圧は1V以下と、一時話題になりましたがその構造上、衝撃による約5kHzのマイクロフォニックノイズが1分間近く続く「未完成商品」のため発売前より関係者を通じ対策提案をおこなってまいりましたが、見切り発車となってしまったことが残念です。

 

当方の提案した対策法は衝撃防止のクッションなどではなく「マイクロフォニックノイズ」そのものの発生を強くおさえる方法です。

提案アイデアは1年間、双方により門外不出として凍結されはしたが、これを超える対策提案も実用的な回避策も存在せず、投げ売りされたもので「マイクロフォニックノイズありきのエフェクターやヘッドホンAMPとして製作はされるものの、忘れ去られたデバイスになりました。

 

 

(さいごに)

「ファンタム動作真空管マイクシリーズ」は予想以上に魅力を感じます。

ウクライナ戦争の影響でnos(新品在庫)球が値上がっていますが、まだ目ぼしい球の入手は可、諸先輩たちが見過ごした可能性やアイデアがこの世界にはまだ眠っているはず。

 

かつて入手不可能だったDCバイアス大型ダイアフラムも簡単に入手できるようになった今、あらためて34mmダイアフラムに挑戦してみたい、数年前のように高圧発生回路に悩むこともない。

引き続きノウハウの掘り起こしをおこなってまいります。

 

 

 

以上

本記事の無断ネット盗用は犯罪です。

 

 

虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡL-730memsおよびFetⅡmemsおよびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作領布を承っておりますのでお問い合わせください

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb   は今や貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作を承ります

 

 

モノ作り日本もっと気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリもOKです、その場合、出典をあきらかに願います。

Shinさん独特のこだわりと非常識をもって音響の世界を刺激してまいります。

 

***** Microphone Developpers in overseas *****

I am very much glad having many of the feedbacks from the Microphone Developpers in overseas.

I would expand the possibility of MEMS microphone units and also am expecting to have many of the ideas/feedbacks which I could not have experienced.

I have one thing tell honestly that I will not take any of the manufacturing requests from the overseas. I have experienced many of the troubles of transportaion and fixed the

problems of many of the matters happend.

Please understand my situation.

Sincerely,          Shin

 

  
ShinさんのいたずらPA工作室  
ShinさんのPA工作室 管理人 Shin

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