ご注意 MEMSマイク自作ファンのみなさまへ
「OUTPUT+」「OUTPUT-」の表記が後者は誤っています。
「ICS-40730」には現在この「正誤」2種類のデーターシートがWeb上に存在します。
正)「TDK invensense」のデータは正しいです
誤)「InvenSense」由来のデータは訂正されていません
(まだこのように誤ったデータシートが残っています)https://www.farnell.com/datasheets/2632669.pdf
「誤り」の方はOUTPUT+およびOUTPUTーの表記が逆になっています、つまりこのまま信じて使うと「逆相マイク」になるという事です。
逆相マイクといえば昨年発売2週間で消えた幻の逆相マイク
「TDK Invensense」の図が正しく「Invensens」の図は誤りです。
さらに現在の公式メーカーである「TDK 」自身のメインサイトからもそのディレクトリ先で誤った側へリンクされ、あきらかな混乱がみられます。(2022.4.1現在)
当ブログ読者のかたはおそらく上の「正」・「誤」どちらのデーターシートも一度は見たことがあると思います。
さまざまな代理店、販売者もどちらかのURLをリンク先にしているためネットでこれをめぐる混乱状態が見られます。
MOUSERは誤った側にリンクされている。
Digikeyではデーターシートへのリンク切れが起こっている。
そんな荒れ方です。(2022.4.1現在)
そんなあてにならないメーカー情報に翻弄されたくないかたへ
(ICS-40730の正しい接続はこの通りです)
赤:Vdd 黄:OUTPUT+ リングパターン:GND
ICS-40730は無条件でこの接続を踏襲いただけば「混乱」に足をとられる必要はありません。
また「OUT PUTー」を使った差動出力には何のメリットもなく、シングル接続の優位性がデータシートから読み取れます。
かねてより ICS-40730のデータシートの誤りについてこのサイトで発信してまいりました。
2019年、聴感上の違和感から発見した「逆相」=「OUTPUT極性表示誤り」は位相試験検証をおこないメーカーであるInvensense社に連絡した。
メーカー側担当はその後「Invensense」から「TDK」に変わり、相手を変えてコンタクトをとりました。
ほどなく「誤りでした」という旨正式な回答があり、まもなく関連HPのリニューアルと同時に「TDK Invensense」のフォーマットとして正しいデーターシートがはじめて公開されました。
ここまでは良かったと思います。
これによってデーターシートは1本化されるかとおもいきや、誤った「Invensense」のデータシートと正しい「TDK Invensense」の2種類のデータシートの併存というややこしい事態となって現在に至ります。
下は両者の「Page 14 of 15」の「REVISION HISTORY」を引用させていただきました。
(これは「更新」ではなく本来、2016年のリリース時点から誤っていたわけです)
「たったそれだけ?」 そう思う方もおられるはず。
単に逆なだけで接続を反転するだけの簡単な話でもあります。
しかしそれをギャランティするのはメーカーの責任、データーシートはその看板ツールです。
一番残念なのは、それが現在世界で最も優れたアナログMEMSマイクである「ICS-40730」で発生しているという、何ともイヤな問題です。
これを機会にこの唯一無比の優れた「ICS-40730」が製造中止にならないよう願ってやみません。
(Invensense社をめぐる背景)
①(2013年10月13日)Analog device社のMEMSマイク部門をInvensence社が買収。
②(2017年5月18日)Invensence社をTDKが買収、現在に至る。
特に②の事柄で買収時の合意事項の一部で現在なお混乱が継続しているのではないか、という筆者の憶測です、それでなかったらInvensenseは5年前にデータシートを削除しているはずだと思います。
経緯はどうであれ、正・誤併存は迷惑この上ありません、一刻も早く新旧メーカーによりこの問題の整理・解決が求められます。
それはただ片方を「削除」するだけでいい、それができないものか。
以上
おしらせ
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