バイノーラルマイクはMEMSマイクICS-40730とはじめて出会ったころ(2019年)からぜひを作ってみたいと考えており、5月中旬に「エイヤ」とカタチにしました。
じつはこの記事仕込み中(5月)、Infineonの新MEMSが発見され、さらにZOOM F3入手関連緊急情報がありそちらを最優先しました。
そのため書き置いた本記事は「あとさき」がグチャグチャになりましたが「いいものはいい」、遅ればせながらICS-40730版をご紹介します。
入手できたZOOM F3の使用を加え、記事を再構成しました。
MEMSバイノーラルマイク(ファンタム式)
ケーブルはMogami 3011(2芯シールド)を撚り合わせて使用。ケーブルクリップはAMAZONのもの。ファンタムアンプ部は「Fet v2」です。
L・Rの表示はファンタムAMP~ミニXLR、イヤーチップマイク部まで明確にして分かりやすくする必要があります。
また、とかくグチャグチャになり使うとき手に負えないことしばしば、引っ掛かりやすいイヤーチップマイクやミニXLRが主な原因のよう、ワイアードのイヤホンなら綺麗に巻くだけですが、このバイノーラルマイク一式を使おうとした時、録音スタンバイまでの時間は半端ない。「使用状態そのままにサラッと平置きできるケース=ツール」を考える必要を感じました。
100均の「イヤーシリコンパッド」はGoodです。(キャンドゥにて)
マイクは両耳にあります、そのおさまりが良く、引っ張りにも強くなります。ケーブルが衣類に擦れたり動いた時にマイクに伝わるいやなノイズが発生しなくなります。まるでバイノーラルマイク専用パーツのよう。
(材料になるステレオ・カナルイヤホンの選択)
さあ、どれを選ぶか
マイク性能で心配することはなにもありませんが問題は筐体選びとデザインに尽きます。金属ケースならシールド効果を徹底的に生かしたい。
100円ショップのカナル式ステレオイヤホン数機種を買い込んで失敗しながら分解、加工しやすいものを選びました。
アルミ筐体裏側に5mmの穴あけは結構たいへんです、キズつけないようにゆっくり行います。
DAISOの300円品を選んだ。(ポイントはフロント分解のしやすさと穴あけのしやすさ)
「フロント側の分解」
イヤーチップをティッシュで包んで傷つけないようにグリグリと回し戻ししながらフタを開けることに専念した。(イヤホンごとアルコールに浸してから作業すると外しやすい)
きれいに外れました。
※マイク、イヤホン両方とも生かせたら面白いなと思いました。
1.アルミ筐体のためマイクには適しています。5mmの穴あけを無事済ませステンメッシュ(#60)包み、縦に入れたICS-40730の音穴は1/2顔を出させる。(ボディ金属との導通が不完全だとハムを発生します)
2.筐体内にはレゾネーション・キャンセルの脱脂綿を密装填。
3.無指向性(全指向性)であるMEMSマイクの音穴位置はダイアフラム(メンブレン)と無関係な位置にあり音穴方向を音源に向ける必要はありません。
MEMSマイクでは形状TOPの方向=「90度ひねり」が正しい方向であることがあらゆる場ですでに実証されています。(次号特集予定)
4.金属ケースにおけるMEMSのステンレスメッシュ包みは外観上のメリットとEMC設計だけでなくウィンドスクリーン効果も多少は期待できます。
事実、耳たぶとあわせて前後方向の風にはもともとガードされます。
5.もとのイヤホンケーブルは撤去、「モガミ 3011」(2芯シールド極細シールド線)の撚り合わせ使用で強度と適切な太さと重量と、バイノーラルステレオマイクとして完成できました。
ファンタムアンプ部は「Fet v2」です。
バイノーラルお出かけセットはこれだけ。
F3の場合
ZOOM F3は次元の異なる使い勝手とその音は絶品です。
H6の場合
「録音結果」をモニターしようと思って、イヤーチップを耳に入れ、「あーそうだった」とか・・・
銀座和光の鐘 (F3使用)YOUTUBEhttps://youtu.be/Ecy0CtDcDUE
羽田空港第2ターミナル展望デッキより
ICS-40730バイノーラル 空港離発着.wav (H6使用)
羽田空港第2ターミナル「空港ピアノ」
羽田空港第2ターミナルの「空港ピアノ」の録音は素晴らしいです。
・・・
演奏者には録音の了解をとったのですが、音源とビデオのアップは友人より厳しく著作権、プライバシー上の問題で注意を受けた。
録音を公開する予定でしたが中止しました。
ICS-40730をバイノーラルに使った上質でワイドレンジかつダイナミックレンジの広い音は容易に想像できると思います。
ZOOM F3が入手できたので使ってみました。
次のバイノーラルマイクはInfineon IM73A135V01ですね。
以上
おしらせ
MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ、L-730memsおよびFetⅡmemsおよびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作領布を承っておりますのでお問い合わせください
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb は今や貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作を承ります
モノ作り日本もっと元気出せ!
【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。
★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリもOKです、その場合、出典をあきらかに願います。
Shinさん独特のこだわりと非常識をもって音響の世界を刺激してまいります。
ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします