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2216 :「MEMSマイク」 優秀な新製品発見レポート

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  自作マイクMEMS化の流れは止められない

 このサイトでMEMSマイクを自作用に本格参入させて1年半になります。

依然一部の目的外製品を除き、単体マイクとしては「自作品」の先行した状態が続いており、全世界から現状とそのなりゆきが見守られていることをこのサイト運営のなかで直接・間接を含めひしひしと伝わってきます。

 

 MEMSマイク搭載メーカー製マイクが登場するためには未だ進化レベルが低いアナログ「単一指向性」MEMSマイクの性能向上を待つしかないのかもしれない。

 

 Invensense社ICS-40730の卓越した高性能は自作マイクを大きく変える鍵になっていることは間違いありません。

「藁をもつかむ」なかでつかんだ「藁」の存在は大きい。

海外のフォーラムではそれが大きな話題となり始めています。

 

これはProbeⅡ をきっかけとしてICS-40730に対する絶大な評価をみても明らかなものがあり、MEMSマイクが自作マイクの本流として押しとどめることのできない進化を歩むことでしょう。

 

 

 

 しかし、とどのつまりこの一品種頼みではECMのWM-61Aだけというのと同じであり、心もとなさを感じます。

実力のある第2走者・第3走者がいてこそホンモノになっていくと信じます。

 

 第2走者であるKnowles社SPM0687LR5H-1もたいへん貴重な存在です。

「日進月歩」では間に合わない「時進日歩」の現在、「ほかにも有るんじゃないか・・・」と思った。

 

そしてMEMSメーカーの全製品ウォッチングで3年ぶりに各社の製品を時間かけて一巡りした。

ここでも国産品の立ち遅れは目に余り、TDKの1品種以外みるべきものは何もない惨状は目を覆いたくなる。

 

そんな中のことです・・・

 

 

 

 

  優秀な新製品を発見

ハートありました。YOUTUBEで同じ女性が「新製品を4年前から」いくつかの動画で特定MEMSマイク製品の説明を繰り返しているメーカー。

灯台下暗しを時で行くように、あの品種よりずっと優秀なアナログMEMSマイクがなんと同社から発表されていたではありませんか。

いま最も新しい高品位MEMSマイクといえるでしょう。

(Infineon社 2021.7.7開発終了品種
 

それは Infineon社   IM73A135V01  です。

その総合力では3つの優秀品種のトップに立つかもしれない、

そんな期待感いっぱいのMEMSマイク新品種です。

 

 

 

  特徴

Infineon IM73A135V01

周波数特性:20~20000Hz

SN比 :73dB (A)

AOP :135dB SPL

サイズ:3 x 4 x 1.28 とダントツに小さい

( ICS-40730: 4.72 × 3.76 × 3.5    SPM0687LR5H-1: 4.72 × 3.76 × 3.5 )

 

 

そしてなによりも特性データの美しさ

(それはオカルトではなく法則性があります)

そして「音質」だ。

 

 

ハート 筆者は驚いてすぐ発注しましたワクワクが止まらない。

 

 

チューリップ赤 下表 ICS-40730SPM0687LR5H-1と主スペックを比較ください。

 

             (主スペック比較)

 

(注目点)

ICS-40730比、SN比で1dB低い73dBであってもAOPは11dB大きい「135dB」はやはり魅力かつ実質的であり、差し引きダイナミックレンジはICS-40730より10dB程度大きいのではないだろうか。

 

 そしてサイズの小ささは応用範囲を広げることに大いに貢献する。

しかしマイクロホンで肝心なのはここまでの物理特性の優秀さで判断しては絶対にいけないというマイク、スピーカーの基本。

これは悪名高い「BTS規格」が廃止に追い込まれたような過去のあやまちから日本のメーカーだけが欧米から学んできた掟です。

 

「音は耳で判断する」という基本をはずしてはならない。


 

 

 

  MEMSメーカーの常識、私たちの常識、そのズレ

一つ、この間勉強になったのはMEMSマイクのメーカー筋ではとんでもない常識がまかり通っていることです。

 

 素人でも聴き分けられるS/N60dBと70dBの違いだが・・・

 

 「SN比は60dB以上になれば、さらに努力して改善しても人間には聴き分けられない」と公言するMEMSメーカーの日本人専門家が存在することはこの「MEMSマイク」というジャンル業界内の思い違った常識の危うさを感じざるを得ない。

 

 こうした考え方こそが国産MEMSマイク停滞の原因の一つと考えるべきでしょう。まだ間に合う、モノ作りニッポンいまこそ頑張れ。

 

 もともと「音センサー」にすぎない「MEMSマイク」はそんな背景と認識の上に成り立っているジャンルであることを今更ながら私たちは知っておく必要があります。

 

 部分的にでもその常識を破るためには「マス」(使用量)で勝たねばならないが100個200個でどうなる話ではない、したがってマイクカプセル」とするMEMSマイク選択はいかに既存の機種からお宝を拾い出すか、いかに「有能な藁をつかみ出すか」こそが私たちにとって唯一の手段として続くだろう。

 

 はたしてどんな音のMEMSマイクなんだろうか。

 

以上

 

 

 

虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡおよびFetⅡmemsおよびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作領布を承っておりますのでお問い合わせください

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb   は今や貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作を承ります

 

 

モノ作り日本もっと気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリもOKです、その場合、出典をあきらかに願います。

Shinさん独特のこだわりと非常識をもって音響の世界を刺激してまいります。

 

  
ShinさんのいたずらPA工作室  
ShinさんのPA工作室 管理人 Shin

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