世の中「やっちゃダメ!」といわれると、良い子の場合は大体いうことを聞く・・・ハズ。それも先輩からの指示なら絶対だ。
「やったらどうなるか?」なんて悪~い子の考えること・・・
先般、RCA 77DXにうっかりファンタムを加えてしまってあっけなくリボンは焼け切れた。
幸い77DXのリボン張替は数年前に習得したため、リベンジに問題はなく心のショック度は低いが・・・
それで筆者は「ハテナ?」と考え込んでしまった、「納得できない、なぜだ?」。
そういえば、かつてAIWA のリボン、VM-18も焼き切ったことがある。このときは「あっ、いけねー」と破損を悔やむだけ、メーカー修理ができたのでそれ以上深くは考えなかった、しかし良く考えるとXLR 2-3間のコイルやトランスにファンタム電流が流れるはずない、なぜだ?(図1、2)
(ダイナミックマイク SM-58をいけにえにテストした)
それは、しばらく繰り返されるダメージに耐えられることを経験上知っているからです。
(このテストのあともSM-58は異常ありません)
(図1)
肝心な②③間は0ボルト、あったとしても0.01mV以下、ダメージなどあるはずがない、しかしいままでにマイク2本焼いたのは事実、変だ・・・・・
(それでは、卓やマイクアンプを絡めてその全容で考えてみよう)
(図2)
やはりコイルやトランスにファンタムのDC電流は流れない、そもそもDCの閉ループが存在しない。
じゃ何なんだ、何が原因なのだ。
使用ケーブルは1番シェル落とし及びシェル落としナシの2種類試験したが結果はまったく同じである。
オーディオインターフェース Solid State Logic(SSL-2)でファンタムONのままXLRコネクタを抜き差ししてみた。
「絶対やるな!」をやってみたらこれまた想像以上の大きなノイズ波形。
SSL-2ではファンタム48VはソフトON/OFFになっており「バリッ」とはならない、ダイナミックマイク(SM58)をファンタムONのままXLRケーブルの抜き差しをおこなった。(研究ベンチ以外絶対禁止)
オーディオインターフェースはこのほかSteinberg UR22C、Roland QUAD-CAPTUREで試験したが結果は全部同様であった。
60数V P-P 約10μS、この程度の条件(立ち上がり)で頻繁に発生するのを確認。
マイクは「カリカリ」と小さく音を立てている。
これ以上、マイクを壊しかねないのでデータがとれたところでやめた。
「これだ! これが原因だ」と新発見したような妙な感動を覚えたが・・・・・
続いてファンタムOFFでもおなじことをやってみた。
何も変わらないじゃないか!!
40数V P-Pが現れたが、ピーク値はランダムに60V P-Pは軽く出る、すなわちファンタムONでもOFFでも無関係にサージ電圧は現れる。(1div 10V)。
すなわちコネクタの抜き差しで現れるサージ波形はファンタム電圧のアリ・ナシとは無関係であることがこの実験から判明した。
すなわち周囲電磁界から誘起した、いわば「ホットタッチ」と同じプロセスなのかもしれない。
(注意)
おなじことをPA現場でやったらSPはあっけなく飛ぶかもしれない。
サブローのウーハーは「ボコッツ」とボイスコイルが大きく飛び出し、ボイスコイルは切れるかもしれない。
パワードSPやパワーアンプのヒューズが切れるかもしれない。
FOHのSPからの強烈な「バリッ!」という音は会場を襲い、観客の耳を襲う。モニターSPも演奏者を襲う。
客席もステージもそれ以降しばらくの間「ツーン」と耳に残り「一時的な難聴」となる危険な状況が発生します。
結局何が原因でファンタムONでリボンマイクが飛ぶのだろうか。
謎だ!
以上
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