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2211 :ZOOM F3専用 MEMSマイク「L-730mems」

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YOUTUBE 

 

新発売のZOOMのF3フィールドレコーダの設定ノウハウや使い勝手と併せて当ブログ記事を参考にしたMEMSマイクを精力的に自作され発信しているAさんの作品を参考にさせていただきました。

 

(今回の記事はAさんのご了解をもとに公開しています)

 

 

「ZOOM F3」はかわいい手のひらサイズでありながらデュアルADコンバータを装備し32ビット、フローティング録音が絶大な素晴らしさ、今年1月に新発売し大ブレークしたまま、筆者も求めているが「納期未定」。

 

入力部はXLRのみ、ファンタム48V給電。その他のinputを持たないことで余分なトラブルを避け、高品位なマイクAMPとDual ADコンバータによる32bitフロート録音、の絶大な能力が光ります。

 

 

YOUTUBEでAさんが発表されたノイトリックのL型XLRコネクタに収納したコンパクトなマイクはデザイン的にも、このヘビーデューティな超小型高性能フィールドレコーダーにはピッタリ、「純正」としても自然な出来栄えです。

 

 

 Aさん製作の「ZOOM F3/MEMSマイク」 (YOUTUBEより

 

 

 

 

 

 

一方、こちらはそれを参考にShinが製作したものです。

Zoom F3に装着した場合、Aさんと同一外観になります。

 

 

機種名L-730mems としました。

いわばProbeⅡのL型版。外形はAさんの作品と同一です。

 

 

Aさんの作品はKnowles SPM0687LR5H-1使用、私はInvensense ICS-40730使用しました、その違いだけでしょう。

左右対称に作ります。

 

 

 

実はまだ筆者の手元にF3の現物が届いてない為、読者のみなさまにはAさんの作品をYOUTUBEで参照いただく事を含め、コラボ記事とさせていただきます。

 

 

 

L-730memsマイクロホン製作記録

 

 

(ノイトリック L型XLRコネクタについて)

 ノイトリック「NC3MRX」を完全にバラして使用します。

 

 

 

L/Rで基板収納は180度変えます、「切り欠き」を合わせます。

(マイクの左右で実装法が異なります)

 

 

 

(使用ステンレスパイプについて)

藤野金属のステンレス(SUS)パイプ: φ6.0×t0.2×2000Lを使用しました。

外径6.0mmですがt=0.2mmという薄地のため内径は5.6mmです。

メッシュに包んだMEMS(ICS-40730)を収納しました。

 

 

 

6Φの場合一般的にはt=0.5mmですのでその場合の内径は5mmとなります、 Knowles SPM0687LR5H-1でしたら収納できます。

 

※このパイプは7mmとかこれより太くするとMEMSマイクはこの向きでは背面の「管共鳴」防止音響処理がかなり難しくなると思います。

 

 

 

 

 

(管共鳴防止処理)

 

竹串を使って脱脂綿をピッチリと詰めます。量は0.06gでした。

パイプにマイクカプセル・ユニットを仕込む場合の最大難題は「管共鳴」(レゾネーション」です。

 

有害なレゾネーションはカプセル・ユニットの前・後ろそれぞれに発生し、適切な回避策が必要です。

 

また音の進入路を90度折り曲げた場合は一層難しくなります。

今回はMEMSマイクの音穴を管より1/2顔を出す方法をとり、さらに背面の管共鳴は脱脂綿の密充填によるrm(音響抵抗)により実質的に管の音響的Qを無効化しています。

 

 

 

 

 

(ステンレスパイプのGND処理)・・・誘導ノイズ対策

電子機器を構成するなかで「浮いた金属」であるステンレスパイプはこのマイク最大表面積の金属であるXLRコネクタシェルとの間に高周波的に一切のインピーダンスを持ってはいけません。

 

 分散した金属同士は異なった大地電位を持つコンデンサです、互いに周囲電界に対し異なったポテンシャルを示します。

 

この為「金属部を手でさわるとハムが止まる」または「さわるとハムが出る」という障害にぶつかります

 

金属パイプとコネクタ部の2つの分散した金属は高周波的に同電位一体化した構造が必要です。

 

これは「EMC」(電磁環境両立性)プロセスです、ご参考ください。

 

 

3Mの導電性テープ No.2245は両面間でほぼゼロオームに近い導通があります。(データーシートが添付されています)

今回はパイプをアルミホイルで固く包み、それを「3M導電性テープ」で包み、半田付を可能にして太線(AWG-24)でシェルアースをおこないステンレスパイプとの同電位化・グランディングをはかりました。

 

(この場合のグラウンディングは分布定数の等価的接地であり「大地アース」を意味しません)

 

 

 

 

 

(基板の様子)

基板、作り込みの様子:4x4穴(11mm長にすべてを納め切りました)

上蓋にぶつかる場合は基板GND側角を少し切り欠きます。

 

クローバー 基板をXLRコネクタと分離してシェル内に絶縁して収納する方法もあります。

 

 

 

 

(回路図)

回路的にはケーブル延長を考える必要が一切ないためProbeⅡと同一回路を採用した。

なかでもこの場合ICS-40730は差動使用に期待できるものは何もなく、むしろシングル接続の結果に一日の長があります。

 

これはデーターシートから判明しますので筆者もその後差動使用をやめました。

 

 

 

(完成)

一般動作ではProbeⅡ同様の高品位なマイクに仕上がった。

 

「入荷未定」のZoom F3の入手がいつになるのか、その時は絶大なる相棒になることでしょう、入手が待ち望まれます。

 

 

 以上

 

 

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ShinさんのPA工作室 管理人 Shin

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