無指向性ECMユニットの背面は大抵、裏側は電極の基板でふさがれています、そしてケースに収まるカタチが一般的です。
WM-61Aも例外なくこの形状です。
この基板構造・背面構造は音作りにどう関係しているかやんわりと探ってみました。
下の4つのWM-61A三線式改造済み版を使ってちょっと覗いてみましょう
まず半田付けされただけの状態がこの4個のサンプルです、黒のGND線はちょっと引っ張れば「プチンッ」とパターンごと外れてしまいます。
WM-61Aの三線式改造を施したあとはGND線が外れないようにエポキシ接着剤で固定します。
ここのGNDパターンは、わずか0.2mm幅しかありませんので半田付けには覚悟が必要です。
【背面処理による音の違い】
以下4種類の背面処理は音にどう影響するか・・・・背面処理4種類のサンプルである。
①左からGND点補強ナシ
②半田付けされたGND箇所のみエポキシ補強
③裏全面にエポキシ薄塗り
④エポキシを厚塗り盛り上げ
再生SPはShinさん愛用のAMP入り10cmモニタ(BOSS MA-12)です。
(低域は出にくいのでそのつもりでどうぞ)
これにてホワイトノイズを出し、センターから15cmの点でとったのが以下のグラフです。
適切にローカットした方が実体が見えるのですが、次回にします。
(10cmSP使用の波形として差し引いて監てください)
100HZ~300HZのゆったりしたふくらみはPA使用時に好まれています。
微妙に異なるのがわかりますか?
fetⅡi の三線用のクリップオンマイクにはこれを使っています。
fetⅡi (三線チューニングタイプ)
それではShinのマイクでとりわけ評価の高い「fetⅡ」を見てみましょう
⑤fetⅡの場合
割合と安定してキレイですよね、これは半田付けされたGND箇所のみエポキシ補強してあり、その背面に数ccのバックチャンバーがあります。
500HZ以下が安定していますね。
見かけによらず、商業録音でも海外製超高級マイクが相手の「fetⅡ」
【バックキャビティ、チャンバーの問題】
本来無指向性ECMの構造からは無関係のはずだが厳然として影響がある。
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11230219227.html
ここをうまく味付けしてやるのは無指向性マイクの隠れたノウハウであろう。
無指向性といえど背面構造を含めたマイクロホンの形状はダテではない。
特に既存のマイクロホンからケースを借用しても、決して良い特性になるとは限らない、元々単一指向性だったマイクのケースで無指向性マイクを作ったり、その逆もある。
マトを得たチューニング技術を身につけねばチグハグな結果となるからだ。
デザイン面の優位性から手を出しそうなこの安易な方向に流れることはShinは断じてお薦めしません。
繰り返しますが「音」という波動は空気を伴った流体です。
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